大野耐一

　今朝の中日新聞一面に「トヨタ再出発－原点へ－上」という記事がありました。
　「先人の声」として、大野耐一の「作り過ぎのムダが、その害の最たるもの」という言葉を取り上げています。
　大野耐一は、トヨタの元副社長で、かんばん方式など生産管理のあり方として世界的に有名となった”トヨタ生産方式（略称TPS)”を体系化した人物です。
　徹底してムダを排除していたトヨタ生産方式の真髄を、実はＧＭとの生産競争、世界一という言葉が忘れさせていました。市場変調の兆しにも気づかず、増産を続けた結果が、大量在庫、大幅減産、大赤字でした。
　トヨタの心を見失ったことが、今回の大幅減産を招きました。教訓を探すとすれば、「のめり込みすぎない」人、世の中を鳥瞰して考える人の存在が幹部に必要だったという事です。ひょっとするといたのかもしれませんが、その声が届かなかったのは事実です。
　経営者というのは、現場を知り、市場を知り、世の中を知らなければなりません。
　学校の管理職も同じです。子どもや教師を知り、地域や家庭を知り、社会を知り、世の中の流れを知らなければいけません。
　自戒したいと思います。