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令和7年2月28日児童生徒の自殺予防に係る取組について(通知)

2025-03-06 07:18:24 | 文部科学省関係

令和7年2月28日児童生徒の自殺予防に係る取組について(通知)

https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1414737_00015.htm?__CAMVID=FCqDlIdhcDB&_c_d=1&uns_flg=1&__urlmid=10890298&__CAMSID=ckgDlIdhCDb-32&__CAMCID=hzgulsiKBZ-018&adtype=mail

児童生徒の自殺予防に係る取組について(通知)

 
 
 標記については、これまでも自殺対策基本法(平成18年法律第85号)等に基づき、学校等において、児童生徒の自殺予防の取組の充実に取り組んでいただいているところです。
 「令和6年の児童生徒の自殺者数(暫定値)の公表を踏まえた児童生徒の自殺予防に係る取組の強化について(通知)」(令和7年2月10日付け6初児生第16号初等中等教育局児童生徒課長通知)においても周知しているとおり、警察庁・厚生労働省の自殺統計(暫定値)によると、令和6年の児童生徒の自殺者数は、527人(令和5年確定値:513人)と過去最多となる見込みであることが明らかになりました(別添資料1)。如何なる事情であれ、子供たちが自ら命を絶つようなことはあってはならず、極めて重大に受け止める必要があります
 また、令和5年の児童生徒の自殺の原因・動機として、学校問題のうち、約6割が学業不振や入試、進路に関する悩みであることが分かっており(別添資料2)、3月は進学や進級を間もなく迎える時期であることから、進路に迷う児童生徒が多くなることも踏まえて、進路指導の充実や見守り活動を丁寧に実施していただくようお願いします。
  さらに、令和4年10月14日に閣議決定された「自殺総合対策大綱」においては、3月を「自殺対策強化月間」と定め、自殺対策強化月間においては、「国、地方公共団体、関係団体、民間団体等が連携して「いのち支える自殺対策」という理念を前面に打ち出し、「自殺は、その多くが追い込まれた末の死である」「自殺対策とは、生きることの包括的支援である」という認識の浸透も含めて啓発活動を推進する。あわせて、啓発活動によって援助を求めるに至った悩みを抱えた人が必要な支援が受けられるよう、支援策を重点的に実施する。」と示しています。
  つきましては、下記のとおり、学校として、保護者、地域住民、関係機関等と連携の上、長期休業の開始前から長期休業明けにおける児童生徒の自殺予防に向けた取組に全力で取り組んでいただくよう、お願いいたします
  これらのことについて、都道府県・指定都市教育委員会担当課におかれては所管の学校等及び域内の市(指定都市を除く。)区町村教育委員会に対して、都道府県私立学校主管課におかれては所轄の学校法人等を通じてその設置する学校に対して、国公立大学法人附属学校事務主管課におかれてはその設置する附属学校に対して、構造改革特別区域法第12条第1項の認定を受けた地方公共団体の学校設置会社担当課におかれては所轄の学校設置会社及び学校に対して、周知を図るとともに、児童生徒の自殺予防について特段の御配慮をお願いします。

 

1.学校における早期発見に向けた取組
 各学校において、長期休業の開始前から、アンケート調査、教育相談等を実施するとともに、一人一人に対して面談を行うなど、悩みや困難を抱える児童生徒の早期発見に努めること
   その際、個別の児童生徒の状況を多面的に把握するICTツールを適切に活用することにより、教職員の児童生徒理解の幅が広がり、悩みや不安を抱えた児童生徒の早期把握や早期支援につながると考えられること。
  「こどもの自殺対策緊急強化プラン」(令和5年6月2日こどもの自殺対策に関する関係省庁連絡会議決定)では、「1人1台端末の活用等により、自殺リスクの把握や適切な支援につなげるため、有償・無償で利用できるシステムやその活用方法、マニュアル等を整理・作成し、全国の教育委員会等に周知し、全国の学校での実施を目指す」としており、これらを踏まえ、文部科学省として、児童生徒の心や体調変化の早期発見のため「1人1台端末を活用した心の健康観察」の導入(※)を推進しており、また、学校のICT環境整備3か年計画(2025~2027年度)における、1人1台端末を活用した児童生徒の学校生活を支援するツール(例:児童生徒の心や体調の変化を早期に発見し、支援するツール)の整備に必要な経費を踏まえて地方財政措置が講じられることとなった(別添資料3)。
 以上を踏まえ、各教育委員会及び学校においては、1人1台端末等の活用による心の健康観察などによるSOSの早期把握に努め、児童生徒の自殺の未然防止に取り組むこと
   さらに、学校が把握した悩みや困難を抱える児童生徒や、いじめを受けた又は不登校となっている児童生徒等に対しては、長期休業期間中においても、全校(学年)登校日、部活動等の機会を捉えて児童生徒との面談の実施や、保護者への連絡、家庭訪問等により継続的に児童生徒の様子を確認すること。
   また、児童生徒の自殺の背景の一つとして精神疾患が挙げられていることを踏まえ、学級担任や養護教諭等を中心としたきめ細やかな健康観察や教育相談の実施等により、児童生徒の状況を的確に把握し、スクールカウンセラー等による支援を行ったり、スクールソーシャルワーカー等を活用して医療等の関係機関に繋いだりするなど、心の健康問題への対応を徹底すること。
 
(※)「1人1台端末を活用した心の健康観察」の導入に当たっては、昨年度、文部科学省において、1人1台端末等を活用して、無償・有償で利用できる健康観察・教育相談システムを別添資料4のとおり整理するとともに、Google フォーム又はMicrosoft Formsを活用して同様のアンケートフォームを作成するためのマニュアルを別添資料5のとおり作成しているので、合わせて参照いただきたい。

 2.教育相談体制の構築や学校を中心とした組織的な対応等について
  生徒指導提要(改訂版)に記載しているとおり、自殺への対応については、専門家といえども1人で抱えることができないほど重く、かつ困難な問題であり、きめ細かな継続的支援を可能にするためには、校内の教育相談体制を基盤に、スクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカーや関係機関の協力を得ながら、全教職員が自殺予防に組織的に取り組むことが必要である。そのためには、校内研修会などを通じて、教職員間の共通理解を図るとともに、実効的に機能する自殺予防のための教育相談体制を築くこと(詳細は、別添資料6参照)。
    その上で、児童生徒が自殺をほのめかしたり、深刻な自傷行為に及んだりするなど、自殺やその他の重大な危険行為の予兆を捉えた際には、教育相談体制の構成メンバーを基盤に、校長をリーダーとする「校内連携型危機対応チーム」を組織し、危険度に応じた対応を行うこと。また、平常時に、危機対応のための態勢づくりやマニュアルづくりなどを進めておくこと。
  さらに、実際に自殺や自殺未遂が発生した場合には、校長のリーダーシップの下、「校内連携型危機対応チーム」を中心にしつつも、学校だけで抱え込むのではなく、教育委員会等や専門家、関係機関のサポートを受けながら、全教職員の力を結集して対応することが必要であり、校内連携型危機対応チームを核に、教育委員会等、専門家、関係機関との連携・協働に基づく「ネットワーク型緊急支援チーム」を立ち上げ、周囲の児童生徒や教職員等への心のケアも含む危機管理体制を速やかに構築すること(詳細は、別添資料7参照)。

 ○生徒指導提要(改訂版)

3.相談窓口の周知及び自殺予防教育の実施等について
 「SOSの出し方に関する教育」を含めた自殺予防教育を実施すること等により、児童生徒自身が心の変化や危機に気付き、身近な信頼出来る大人に相談できる力を培うとともに、児童生徒が安心してSOSを出すことのできる環境の整備に努めること。
 さらに、「24時間子供SOSダイヤル」を始めとする電話相談窓口や、SNS等を活用した相談窓口の周知を積極的に行うこと。相談窓口の周知にあたっては、教室など児童生徒の目につきやすい場所への掲示や1人1台端末を活用する際のポータルサイト、ブラウザのお気に入り機能等を活用して、各種相談窓口を周知するなどの方法も考えられること。また、複数の相談窓口を周知する場合は、悩みや不安を抱える児童生徒がどこに相談すべきか混乱してしまわないよう、必要に応じて相談窓口を整理し、周知すること。その際、文部科学省でまとめたホームページも参考にすること。
 なお、令和7年度予算案においては、令和6年度委託事業で作成する自殺予防教育に係る教材や指導資料等を全国の学校に確実に普及させるため、都道府県・指定都市教育委員会において、自殺予防教育のモデルとなる地域や学校を指定し、自殺予防教育を十分に実施できていない学校に対する授業の支援を実施する予算を計上していること。
 (※)自殺予防教育については、「子供に伝えたい自殺予防-学校における自殺予防教育導入の手引-」を参照。特に、自殺を企図する兆候については、「教師が知っておきたい子どもの自殺予防」第2章を参照いただきたい。

○ 子供に伝えたい自殺予防-学校における自殺予防教育導入の手引-
○ 教師が知っておきたい子どもの自殺予防
〇 子供のSOSの相談窓口

4.保護者に対する家庭における見守りの促進
 保護者に対して、長期休業期間中の家庭における児童生徒の見守りを行うよう促すこと。保護者が把握した児童生徒の悩みや変化については、積極的に学校に相談するよう、学校の相談窓口を周知しておくこと。その際、「24時間子供SOSダイヤル」を始めとする電話相談窓口や、SNS等を活用した相談窓口についても、合わせて保護者に対して周知しておくこと。なお、これらの各家庭における保護者による見守りについては、長期休業の開始前又は長期休業期間中における保護者会等の機会や学校(学級)通信を通じて、保護者に促すことが考えられること。学校は、保護者から相談を受けた時には、必要に応じて関係機関と連携しながら、適切に対応すること。

5.学校内外における集中的な見守り活動について
   
長期休業明けの前後において、学校として、保護者、地域住民の参画や、関係機関等と連携の上、学校における児童生徒への見守り活動を強化すること。また、学校外における見守り活動については、教育委員会等において、学校、警察等関係機関、地域の連携を一層強化する体制を構築し、取組を実施すること。その際、警察との連携においては、  「いじめ問題への的確な対応に向けた警察との連携等の徹底について(通知)」(令和5年2月7日付け4文科初第2121号)において指定を求めている「学校・警察連絡員」が情報共有を図り、緊急を要する事案を含め緊密に連携して対応に当たること。特に、児童生徒が自殺を企図する可能性が高い場所については、これらの時期に見守り活動を集中的に実施することが有効であること。
 
6.ネットパトロールの強化について
 児童生徒によるインターネット上の自殺をほのめかす等の書き込みを発見することは、自殺を企図している児童生徒を発見する端緒の一つである。このため、教育委員会等が実施するネットパトロールについて、長期休業明けの前後において、平常時よりも実施頻度を上げるなどしてネットパトロールを集中的に実施すること。自殺をほのめかす等の書き込みを発見した場合は、即時に警察に連絡・相談するなどして当該書き込みを行った児童生徒を特定し、当該児童生徒の生命又は身体の安全を確保すること。また、警察等関係機関においてネットパトロールが実施されている場合には、当該関係機関との積極的な連携に努めること。
  
7.進級・進学等に係る学校間での引継ぎの徹底
  3月から4月にかけては進級・進学の時期であり、環境の変化から悩みや不安を抱える児童生徒が増える時期でもある。各学校においては、進級・進学後に支援が途切れることのないよう、特に学校が把握した悩みや困難を抱える児童生徒や、いじめを受けた又は不登校となっている児童生徒については児童生徒の状況について丁寧な引継ぎを行い、継続的な見守り体制の構築に努めること。
  なお、学校間での引継ぎについては、口頭での説明の他、書面を通じて情報共有を図ることも必要であり、指導要録への記載や「児童生徒理解・支援シート」等の活用も考えられること。
   

【添付資料】

【参考資料】
 ○子どもの自殺が起きたときの緊急対応の手引き
 ○小学生用啓発教材「わたしの健康」、中学生用啓発教材「かけがえのない自分 かけがえのない健康」、高校生用啓発教材「健康な生活を送るために」


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