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美の巨人たち 雪舟等楊『慧可断臂図』

2012-06-10 07:01:42 | 映画短評
映画ではありませんが、番組短評ということで、美の巨人たち 雪舟等楊『慧可断臂図』 を紹介します。

「美の巨人たち」は、毎回1枚の絵(時に彫像や建築物)にスポットを当て、そこに秘められたドラマや謎を探る美術エンターテインメント番組です。



今日は、雪舟。水墨画の画聖とよばれています。

室町中期の画僧(1412-1506)。
備中国の人。早くから京都相国寺(しょうこくじ)に入って修禅、のち周文に画を学んだ。やがて雪舟と号し、周防国(すおうこく)の大内氏の援助を受け、1467年には遣明船(けんみんせん)で明に渡って本場の画技を習得。
帰国後、諸地方をまわって自然を観照。



今日の一枚は、雪舟等楊作、国宝『慧可断臂図』です。



掛け軸に仕立てられた縦長の水墨画です。

洞窟のような岩場の中で、禅宗の始祖・達磨大師に慧可という高名な僧侶が教えを乞うている場面を描いています。

雪舟の6枚の国宝のうち、この作品だけが最近国宝に認められました。

なぜ、それまでは、こくほうにならなかったのか?



そもそも雪舟は、海外では超有名な日本人です。



切手に選ばれたり、



世界10大文化人に選ばれたこともあります。

「世界10大文化人」とは、昭和31年(1956)世界平和評議大会で文化につくした10人の人々をえらんだものです。

・オランダの画家 レンブラント 
・ドイツの詩人 ハイネ 
・オーストリアの音楽家 モーツァルト 
・ノルウェーの文学者 イプセン 
・アメリカの政治家であり科学者でもあった フランクリン 
・ラジウムを発見した ピエール・キュリー 
・イギリスの文学者バーナード・ショウ 
・インドの詩人 ヤーリ・ダーハ 
・ロシアの作家 ドストエフスキー 
・日本の画家 雪舟

なのです。

この『慧可断臂図』は、禅宗の始祖・達磨の輪郭線が、灰色のマーカーペンのように均一な太さで描かれており、岩の描き方とは大きく違います。





また、一方の慧可の左腕はなんと切断され、赤で着色されています。



ています!

雪舟が晩年に持てる限りのテクニックを駆使して描きあげたのがこの作品です。

彼はこの絵で何を目指していたのでしょうか?

番組はここを追究します。
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