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コバケンの『復活』!

2014-07-13 07:05:42 | 音楽雑感&関連サイト
 7月12日、愛知県芸術劇場コンサートホールで行われた、名フィルコバケンスペシャル2014にいってきました。 
 小林研一郎 指揮者デビュー40周年記念公演です。ほぼ満席状態でした。

 

 曲は、マーラーの交響曲第2番『復活』です。

 ランナーで、曲を聴きながら走っている人がいます。
 私は曲は聴きませんが、頭の中でいろいろな曲を思い浮かべています。

 その一曲が、この交響曲第2番 5楽章の行進です。
 始まって10分ぐらいから始まる展開部です。
 とても元気が出るのです。



 入り口には、「休憩はありません」のアナウンス。
 90分以上の大曲なので当然でしょう。まずはトイレへ。
 席は、正面2階席の中央。

 以下、きわめて主観的な感想を書きます。

 トータルとして、これまで聴いた演奏の中でも、最も印象に残るものの一つとなりました。
 終楽章の最後4分ほどは涙が出てくるほどでした。
 もう少し具体的に…。

 最初に合唱隊が入場。姿勢の良さだけで、鍛えられている集団であることがわかります。

 コバケンは、例によって暗譜です。
 これほどの大曲を、暗譜で、ミスなく指示をするエネルギーはたいへんなものでしょう。
 1楽章から、アンサンブルにとても気を遣った、集中力の高い演奏が続きました。
 特に、木管の音色の美しさは、日本の他のオケと比べても遜色ありません。
 ただ、2セットあるうちの一つのティンパニが大きい。
 これは、芸文で名フィルを聴くとき毎回感じることです。

 1楽章の後にソリストが入場しました。
 マーラーは、第1楽章の後に「少なくとも5分間以上の休みを置くこと」と書いています。
 とても現実的ではありませんが、マーラーはそうしたのでしょうか?

 2楽章は、入りが前に聴いたときよりもゆったりしている気がしました。
 素晴らしいアンサンブルです。
 マーラー自身、2楽章を「過去の回想……英雄の過ぎ去った生涯からの純粋で汚れのない太陽の光線。」と説明しています。
 

 それにしても、合唱団、ソリストとも全く動きません。見事です。

 3楽章は3/8拍子。
 コバケンは、3つ振りと1つ振りを交えながら巧みにスケルツォを表現していきます。

 続いて入る4楽章。
 アルトの清水華澄さんは見事でした。今後の大活躍が期待されます。

 この曲は、舞台外で演奏する「バンダ」が、上手でホルン、下手でトランペットと打楽器が使われています。
 ただ、下手の、1回目のトランペットの音量が小さすぎて、ほとんど聞こえませんでした。
 2回目からは解消されていましたが・・・。

 ついでに、舞台のペットのコラールの入りが揃いませんでした。
 集中力が切れかけたか?
 そしてバンダでは、ホルンの2回目での雑音。これは誰もが気づいたことでしょう。
 あら探しはこれぐらいにして・・・。

 5楽章は最高でした。 
 まず、合唱団が素晴らしい。
 この曲の持つ精神性を旨く表現しています。
 また、ユニゾンの同質性?
 さすが近藤先生に鍛えられた、岡崎混声合唱団と岡崎高等学校コーラス部です。
 基礎が同じということは、こういうところに出るのでしょうか。

 ただ、合唱団を立たせるのが早すぎたのでは?
 展開部の入り、10分ぐらいで立たせました。
 私は再現部の入り近くで立たせた方が、より後半の高揚感が出たのではと思うのですが・・・。
 他の人はどうしているのかなと思い、You Tubeのハイティンク ベルリン・フィルを見てみました。
  http://www.youtube.com/watch?v=NCmRE4yYuBE
 やはり、私のイメージ通り、16分11秒で立ちました。考え方の問題ですが・・・。
 
 最後は圧巻で、コバケンは、コーラスの声が天に届けと、3回ほど天を仰いで振っていました。
 合唱団、ソプラノの生野やよいさんと共に、「復活」を歌い上げました。
 背筋に電気が走りました。
 感動の嵐です。

 拍手が鳴りやまない中、コバケンは一人ずつ、あるいは1パートずつ、丁寧に賞賛していきます。こうしたところに、コバケンの温かさがにじみ出ます。
 それでも鳴りやまないところで、スピーチ。
 「すばらしい名フィルの演奏を聴きました。」で笑いを誘います。
 しかし、私は、それが本心ではなかったかと思いました。
 想像以上の出来だったということでしょう。 
 「祈り、究極の世界。ここにマーラーが蘇りました」
 ソリスト、合唱団との見事なマッチで、奇跡の空間ができあがりました。
 この最高の空間に居合わせることができて幸せでした。
  

オアシス21では、愛知アートフェスタ2014が開かれていました。




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