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我孫子・手賀沼と愛猫レオンの徒然日記。漢検1級チャレンジャーの方の参考となるブログ。2018年7月から“俳句”も開始。

漢検1級 27-③に向けて その25 陬 阡 闌

2015年11月20日 | 熟語の読み(音・訓) -個別記事- 
日本漢字能力検定(漢検) ブログランキングへ
<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
<漢検1級 27-③に向けて その25>

●待ちに待った「帰蝶」(諸田玲子)、やっと借り出し・・・とても楽しみ~。信長の正室・お濃の話。作者がどんな物語を紡いでいるのか興味津々・・・どうも、この濃姫(帰蝶)の事は文献が少ないのか、時代考証もあいまいで、人物・逸話が今いち、よくわからない・・・でも、その分、小説家の想像力が物をいう世界・・・信長あたりの時代ものはとても好きでほとんど読んでいるが、この帰蝶の描き方は簡単だし、作家によって扱いが全く異なったりしてるんで・・あの司馬遼太郎なんかは天真爛漫だから、お濃の描き方も・・・なんて、書きだしたら長々と講釈しちゃいそうなので、この辺でオシマイ・・・また、読み終わったら、「読書」カテゴリーで感想書こうっと。
●・・・文章題作ったり(そのために青空文庫の登録済み文書を片っ端から読んだり)、図書館から借り出した本を次々と読んだり、4辞典を広げながら漢検漢字辞典第2版のチェックをしたり・・・と、とても忙しくて、手賀沼散歩もできない。ボクちゃん先生の漢字教室も覗いてみたいけど、その暇もなし・・・そのうち、息抜きでお邪魔してみたいなあと思ってるんだけどな、リンリンリン(^^;)
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●漢検漢字辞典第2版から・・・
・最近・・・というか、前からだけど(^^;)・・・第2版を批判的に読んでいると、色々と深く学習できていることに気が付いた。誤字脱字はそれほどないけど、前から云っているように、記載内容がアンバランスだったり、不親切だったり・・・それをチェック・検証することで、知らずに、多くの知識・情報が得られている・・・。しょもない辞典だけど、そういう使い方があるんだ(笑)👍👍👍
①陬:シュ、スウ、すみ、くま、かたいなか
・「かたいなか」以外は、音訓掲載あり。「かたいなか」は意味①の中にあり。で、その意味の説明の後に、熟語で「陬遠(スウエン):片田舎」とある・・・んだったら、ちゃんと、訓に「かたいなか」も載せておけよ(ーー)何考えてんだろ(ーー)
・ついでに、「陬月(ソウゲツ):陰暦1月の異名。「スウゲツ」とも読む」だって・・・これ、逆じゃないの???「スウゲツ・・・ソウゲツとも読む」に。しかし、この「ソウゲツ」、どこから取ってきたのだろ???よくわからん(ーー)
・大漢和・大字源・字通・漢字源の4辞典はすべて「スウゲツ」、しかも「ソウゲツ」という読みは無かった・・・。
・現行音にも「ソウ」音ないし・・・(たしかに辞典には「ソウ」音もあることはありましたが・・・)
・なお、辞典によれば、陰暦1月を「孟月(モウゲツ)とか孟陬(モウスウ)」と呼んだことから、「陬月」を正月(1月)の異名とした由。
②阡:セン、みち、あぜみち、はかみち、しげ(る)
・音訓はすべて掲載あり。熟語は「阡陌」(=みち、あぜみちの事)「阡阡」(=草木のしげるさま)。
・以前もどこかで記載したと思うけど、熟語で、或る意味、有名な「阡眠(センベン)」・・・「眠」を表外音の「ベン」で読む特殊な熟語・・・これは載っていない。「眠」のところにあるかと思ったら、「眠」のところには(また、これも文句あるが)「眠蔵(メンゾウ)」という更に特殊な熟語しか載せていない・・・「メン」は表外音でも現行音にもナシ(実は唐音)・・・これはどこかで説明しましたね(^^;)
・で、「阡眠(センベン)」・・・実は「セン“メン”」とも。(「阡眠」の意味は「①はるかなさま ②草木の茂ったさま」)
・大漢和・字通「センメン」、大字源「センベン・センメン」、漢字源「センベン」。
・問題集なんかの問題では「センベン」になっているのが多いようですね・・・。
・ちなみに、「はかみち」に対応する熟語・・・「阡表(センピョウ・センビョウ)」(=墓道に立てる碑) てのがありました👍
③闌:ラン、てすり、たけなわ、た(ける)、おそ(い)
・「おそ(い)」以外は音訓掲載あり。「おそ(い)」は、意味③に「たける、たけなわ、さかり。また、半ばすぎ。おそい。」とあり、そのあとに熟語「闌夕」とある。ただし、この「闌夕」の読みも意味も載っていない(ーー)・・・なんで、こう、不親切なのかね?自分で勉強しろってことかい(ーー)
「闌夕(ランセキ)」=夜半を過ぎるころ。夜ふけ。深更。←類義語候補か(^^) 深更=ランセキ(闌夕)なんちゃって(^^)

👍👍👍 🐑 👍👍👍


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漢検1級 27-③に向けて その24  文章題訓練⑤

2015年11月20日 | 文章題
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<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>

<漢検1級 27-③に向けて その24>
●文章題⑤も芥川龍之介の「仙人」・・・短編の名手、さすが面白かった(^^)ちょっと長文ですので端折っていますが、なるべく文脈を損なわないようにしました。でも、ちょっと長いかも(^^;)
●今回も、85%(26点)以上ほしいところ・・・・。制限時間は5分~10分ぐらいか(^^)

●文章題⑤:次の文章中の傍線(1~10)のカタカナを漢字に直し、傍線(ア~コ)の漢字の読みをひらがなで記せ。(30) 書き2×10 読み1×10
「仙人」(芥川龍之介)
「いつごろの話だか、わからない。北支那の市から市を渡って歩く野天の見世物師に、李小二と云う男があった。鼠に芝居をさせるのを商売にしている男である。鼠を入れて置く(ア)嚢が一つ、衣装や仮面をしまって置く(イ)笥が一つ、それから、舞台の役をする小さな屋台のような物が一つ――そのほかには、何も持っていない。
 天気がいいと、四つ辻の人通りの多い所に立って、まず、その屋台のような物を肩へのせる、それから、鼓板を叩いて、人よせに、謡を唱う。物見高い街中の事だから、大人でも子供でも、それを聞いて、足を止めない者はほとんどない。さて、まわりに人の墻(かき)が出来ると、李は嚢の中から鼠を一匹出して、それに衣装を着せたり、仮面をかぶらせたりして、屋台の鬼門道から、場へ上らせてやる。鼠は慣れていると見えて、ちょこちょこ、舞台の上を歩きながら、絹糸のように光沢のある尻尾を、二三度ものものしく動かして、ちょいと後足だけで立って見せる。更紗の衣裳の下から見える前足の(ウ)蹠がうす赤い。――この鼠が、これから雑劇の所謂(エ)楔子を演じようと云う役者なのである。・・・」(「仙人 (上) 」(芥川龍之介))

「・・・雪曇りの空が、いつの間にか、霙まじりの雨をふらせて、狭い往来を文字通り、脛を没する(1)デイネイに満そうとしている、ある寒い日の午後の事であった。李小二は丁度、商売から帰る所で、例の通り、鼠を入れた嚢を肩にかけながら、傘を忘れた悲しさに、ずぶぬれになって、市はずれの、人通りのない路を歩いて来る――と、路傍に、小さな廟が見えた。折から、降りが、前よりもひどくなって、肩をすぼめて歩いていると、鼻の先からは、滴が垂れる。襟からは、水がはいる。途方に暮れていた際だから、李は、廟を見ると、慌てて、その軒下へかけこんだ。まず、顔の滴をはらう。それから、袖をしぼる。やっと、人心地がついた所で頭の上の(2)ヘンガクを見ると、それには、山神廟と云う三字があった・・・
・・・入口の石段を、二三級上ると、扉が開いているので、中が見える。中は思ったよりも、まだ狭い。正面には、一尊の金甲山神が、蜘蛛の巣にとざされながら、ぼんやり日の暮を待っている。その右には、判官が一体、これは、誰に悪戯をされたのだか、首がない。左には、小鬼が一体、緑面朱髪で、これも生憎、鼻が(オ)虧けている。その前の、埃のつもった床に、積重ねてあるのは、紙銭(しせん)であろう。これは、うす暗い中に、金紙や銀紙が、覚束なく光っているので、知れたのである。
 李は、これだけ、見定めた所で、視線を、廟の中から外へ、転じようとした。すると丁度その途端に、紙銭の積んである中から、人間が一人出て来た。実際は、前からそこに蹲っていたのが、その時、始めて、うす暗いのに慣れた李の眼に、見えて来たのであろう。が、彼には、まるで、それが、紙銭の中から、(3)コツゼンとして、姿を現したように思われた。そこで、彼は、いささか、ぎょっとしながら、恐る恐る、見るような、見ないような顔をして、そっとその人間を窺って見た。
 垢じみた道服を着て、鳥が巣をくいそうな頭をした、見苦しい老人である。(ははあ、こじきをして歩く道士だな――李はこう思った。)瘠せた膝を、両腕で抱くようにして、その膝の上へ、髯の長い(カ)頤をのせている。眼は開いているが、どこを見ているのかわからない。やはり、この雨に遇ったと云う事は、道服の肩がぐっしょり濡れているので、知れた。
李は、この老人を見た時に、何とか(キ)語をかけなければ、ならないような気がした。一つには、濡れ鼠になった老人の姿が、幾分の同情を動かしたからで、また一つには、(4)セコがこう云う場合に、こっちから口を切る習慣を、いつかつけてしまったからである
・・・
こんな具合で、二人の間には、少しずつ、会話が、交換されるようになった。その中に、老人も紙銭の中から出て来て、李と一しょに、入口の石段の上に腰を下したから、今では顔貌も、はっきり見える。形容の(5)ココウしている事は、さっき見た時の比ではない。李はそれでも、いい話相手を見つけたつもりで、嚢や笥を石段の上に置いたまま、対等な語づかいで、いろいろな話をした。
李は、この老道士に比べれば、あらゆる点で、自分の方が、生活上の優者だと考えた。そう云う自覚が、愉快でない事は、(6)モチロンない。が、李は、それと同時に、優者であると云う事が、何となくこの老人に対して済まないような心もちがした。彼は、(7)ダンペイを、生活難に落して、自分の暮しの苦しさを、わざわざ誇張して、話したのは、まったく、この済まないような心もちに、煩わされた結果である。すると、その話の途中で、老道士は、李の方へ、顔をむけた。皺の重なり合った中に、可笑しさをこらえているような、筋肉の緊張がある。
「あなたは私に同情して下さるらしいが、」こう云って、老人は堪えきれなくなったように、声をあげて笑った。烏が鳴くような、鋭い、しわがれた声で笑ったのである。「私は、金には不自由をしない人間でね、お望みなら、あなたのお暮し位はお助け申しても、よろしい。」
 李は、話の腰を折られたまま、呆然として、ただ、道士の顔を見つめていた。(こいつは、気違いだ。)――
・・・道士は、曲った腰を、苦しそうに、伸ばして、かき集めた紙銭を両手で床からすくい上げた。それから、それを掌でもみ合せながら、忙しく足下へ撒きちらし始めた。(ク)鏘々然として、床に落ちる (8)コウハクの音が、にわかに、廟外の寒雨の声を圧して、起った。――撒かれた紙銭は、手を離れると共に、忽ち、無数の金銭や銀銭に、変ったのである。………」(「仙人 (中) 」(芥川龍之介))

「李小二は、(9)トウシュの富を得た。(ケ)偶、その仙人に遇ったと云う事を疑う者があれば、彼は、その時、老人に書いて貰った、四句の語を出して示すのである。・・・但し、これは、李小二が、何故、仙にして、(コ)乞丐をして歩くかと云う事を訊ねた、答なのだそうである。 「人生苦あり、以て楽しむべし。人間死するあり、以て生くるを知る。死苦共に脱し得て甚だ、(10)ブリョウなり。仙人は若かず、凡人の死苦あるに。」
 恐らく、仙人は、人間の生活がなつかしくなって、わざわざ、苦しい事を、探してあるいていたのであろう。」(「仙人 (下) 」(芥川龍之介))
👍👍👍 🐑 👍👍👍

(1)泥濘 (2)扁額 (3)忽然 (4)世故 (5)枯槁 (6)勿論 (7)談柄 (8)黄白 (9)陶朱 (10)無聊
(ア)ふくろ (イ)はこ (ウ)あしのうら (エ)せっし(下記(注)参照) (オ)か (カ)あご(「おとがい」でも可か) (キ)ことば (ク)そうそう(しょうしょう) (ケ)たまたま (コ)きっかい
(注)「楔子(ケッシ)」なら、くさびなどの意味。「楔子(セッシ)」というのは、中国の演劇で4幕以外の補助幕のこととか、演劇での用語の模様。

👍👍👍 🐑 👍👍👍
コメント (6)
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