漢検1級198点!! 満点取るまで生涯学習!! ➪ “俳句”

我孫子・手賀沼と愛猫レオンの徒然日記。漢検1級チャレンジャーの方の参考となるブログ。2018年7月から“俳句”も開始。

漢検1級 27-③に向けて その31 陂

2015年11月23日 | 熟語の読み(音・訓) -個別記事- 
日本漢字能力検定(漢検) ブログランキングへ
<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
<漢検1級 27-③に向けて その31>

●漢検漢字辞典第2版から・・・
<陂:ハ、ヒ、、つつみ、さか、かたむ(く)、よこしま>
・もともと、「坡:ハ、ヒ、さか、つつみ、なな(め)」の異体字ということみたいだが、訓読みがちょっと違う・・・
・それはともかく、この「陂」・・・
・第2版では、訓読みとしては「よこしま」が載っていない。*意味③の方には載っている。
・熟語は、「かたむ(く)」のところで、「陂曲」・・・読みなし・・・なんて読むんだ???「ヒキョク」か「ハキョク」か?それともどっちでも良いのか・・・ホント、こういうところがイライラするところ(ーー) 大漢和によれば「陂曲(ヒキョク)=かたよってよこしまなこと」となってんだけど・・・。
・ややこしいが、「坡」のところで第1版で「①つつみ。土手。「坡塘(ハトウ)」 ②さか(坂)。「坡陀(ハダ) 」」って、なってて、表記のところの説明で「・・・「陂」とも書く。」となっている。んじゃ、「坡塘(ハトウ)」=「陂塘(ハトウ?)」、「坡陀(ハダ)」=「陂陀(ハダ)?」ってことなのか???
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・「陂」の音の「ハ」は漢音、「ヒ」は漢・呉音のようで、音による読み・意味分けがあるもよう・・・
・「ハ」音の場合:土地がななめなこと、平らでないこと、高低がある・・・場合に、「ハ」音
・「ヒ」音の場合:つつみ、ためいけ、さか、かたむく、よこしま・・・場合に、「ヒ」音
のもよう・・・ちょっと「ななめ、平らでない」と「さか、かたむく」の違いが明確でないので、この辺が厳格な音読み分けになっていない理由かもしれない・・・。
・結論
 ア.「陂陀」・・・これは「ハダ」 *漢字源はこれは「ヒダ・ハダ」両読み。 意味(大漢和):①地面が平らでない、ななめな土地。②高低のあるさま。
 イ.それ以外の読みの熟語
   ・陂池(ヒチ)=①つつみ、ためいけ ②土地のななめなこと 
   ・陂塘(ヒトウ)=陂唐(ヒトウ)=つつみ、ためいけ   *字通は「陂塘」も「陂唐」も「ハトウ」
   ・陂渠(ヒキョ)=陂溝(ヒコウ)=つつみ、掘割  
   ・陂遏(ヒアツ)=堤防
   ・陂障(ヒショウ)=つつみを築いて防ぐ
   ・陂僻(ヒヘキ)=よこしま、頗僻    *字通は「ハヘキ」
   ・陂知(ヒチ)=かたよった知恵
   ・陂淀(ヒテン)=あさいふち *この場合の「陂」は「ほとり、ふち、はた」の意味(大漢和)。
   ・険陂(ケンピ)=かたよる、ねじける(漢字源)
 などなど・・・。
 ということから、ちょっと「ハ」でも「ヒ」でも、どっちでもいいみたいだけど、 「陂陀」だけは「ハダ」・・・それ以外は「ヒ・・・」で読んでおけば良いみたいですね・・・字通だけは例外だけど(ーー)

👍👍👍 🐑 👍👍👍


コメント (3)
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漢検1級 27-③に向けて その30  文章題訓練⑧

2015年11月23日 | 文章題
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<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>

<漢検1級 27-③に向けて その30>
●やっと、芥川はこれで終了。今回は芥川と幸田露伴の2作品を出題です。
●今回も、難度からしたら、80%(24点)以上が目標か・・・・。制限時間は5~10分(^^)
●文章題⑧:次の文章中の傍線(1~10)のカタカナを漢字に直し、傍線(ア~コ)の漢字の読みをひらがなで記せ。(30) 書き2×10 読み1×10

「影」(芥川龍之介)
―横浜―
「・・・日華洋行の主人陳彩は、机に背広の両肘を(ア)凭せて、火の消えた葉巻を(1)クワえたまま、今日も(イ)堆い商用書類に、繁忙な眼を(ウ)曝していた。
 更紗の窓掛けを垂れた部屋の内には、不相変らず残暑の寂寞が、息苦しいくらい支配していた。その寂寞を破るものは、匂いのする戸の向うから、時々ここへ聞えて来る、かすかなタイプライタアの音だけであった。
 陳は麦酒(ビール)を飲み干すと、(エ)徐に大きな体を起して、帳場机の前へ歩み寄った。
・・・
 陳は小銭を探りながら、女の指へ(2)アゴを向けた。そこにはすでに二年前から、延べの金の両端を抱かせた、約婚の指環が(オ)嵌まっている。
「じゃ今夜買って頂戴。」
 陳は太い眉を(3)シカめながら、忌々しそうに舌打ちをした。が、それにも関らず、靴の(4)カカトを机の縁へ当てると、ほとんど輪転椅子の上に仰向けになって、紙切小刀も使わずに封を切った。
「拝啓、貴下の夫人が貞操を守られざるは、再三御忠告……貴下が今日に至るまで、何等断乎たる処置に出でられざるは……されば夫人は旧日の情夫と共に、日夜……日本人にして且珈琲店の給仕女たりし房子夫人が、……支那人たる貴下のために、(5)バンコクの同情無き能わず候。……
・・・受話器を置いた陳彩は、まるで放心したように、しばらくは黙然と坐っていた。が、やがて置き時計の針を見ると、半ば機械的にベルの (カ)鈕を押した。・・・」


「雲のいろいろ」(幸田露伴)
―夜の雲―
「・・・夏より秋にかけての夜、美しさいふばかり無き雲を見ることあり。都会の人多くは心づかぬなるべし。舟に乗りて(6)ナダを行く折、天暗く水黒くして月星の光り洩れず、(7)フナバタを打つ浪のみ青白く騒ぎ立ちて心細く覚ゆる沖中に、夜は丑三つともおもはるゝ頃、艙上に独り立つて海風の面を吹くがまゝ(8)イベイの湿りて重きをも問はず、寝られぬ旅の情を遣らんと詩など吟ずる時、いなづま忽として起りて、水天一斉に(キ)凄まじき色に明るくなり、千畳万畳の(ク)濤の頭は白銀の(ケ)簪したる如く輝き立つかと見れば、怪しき岩の如く獣の如く山の如く鬼の如く空に(9)ソバダ(10)ワダカマり居し雲の、皆黄金色の(コ)笹縁つけて、いとおごそかに、人の眼を驚かしたる、云はんかたなく美し。・・・」

👍👍👍 🐑 👍👍👍

(1)啣(咥・銜) (2)顋(顎・頤・腮) (3)顰(「蹙」でも可か) (4)踵 (5)万斛 (6)灘 (7)舷(船端) (8)衣袂 (9)峙(「岨・屹・崛・聳」も可か) (10)蟠(「盤・磐」も可か)
(ア)もた (イ)うずたか (ウ)さら (エ)おもむろ (オ)は (カ)ぼたん (キ)すさ (ク)なみ (ケ)かざ (コ)ささべり
👍👍👍 🐑 👍👍👍
コメント (4)
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