漢検1級198点!! 満点取るまで生涯学習!! ➪ “俳句”

我孫子・手賀沼と愛猫レオンの徒然日記。漢検1級チャレンジャーの方の参考となるブログ。2018年7月から“俳句”も開始。

諸田玲子 「帰蝶」

2015年11月21日 | 読書
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●信長の正室・お濃(帰蝶)の物語・・・
●戦国物では目立たない女性の一人・・・でも、あの有名すぎる信長の正室・・・逸話もほとんどなく、その去就にも所説あって、なかなか小説になりづらかった女性だと思うが、諸田玲子さんが書いてくれた。
●ま、戦国物での女性主人公だから、血湧き肉躍るような合戦やその描写があるわけではなく、「奥を取り仕切った」女性としての、女性作家ならではの視点からの小説だったのと、物語の飛び方が段ごとに何年も経過するような書き方だったので、ちょっと読み慣れるのに苦労したけど、まあ、読んで良かったと思える本じゃないでしょうか。
●「跋」を読んだら、考証もある程度しっかりやってて(小説家風に想像力も働かせているが)、この「帰蝶」・・・近年の研究というか発見で、大徳寺総見院の織田家過去帳に「養華院殿要津妙玄大姉」という記載が発見されたりして、これが帰蝶(お濃の方)ではないかとの由(他にも、妙心寺史で、信長公夫人が一周忌を行ったとの記載があるとか、いろいろと生きていた痕跡が残っている由)。だとすると、78歳(1612年ぐらい・・・徳川の世・・・)ぐらいまで生きていたことになる。これまでは早世したとか、離縁されたとかが通説らしかたったけど・・・。
●しかし、表舞台に出てこなかった(大した逸話がなかった)理由として「疱瘡」で痘痕ができたので人目を避けていたという設定はいかがなものでしょうか・・・ちょっと説得力というかあまり納得できない設定・・・というか、もっと面白い設定を考えてほしかったな(^^)
●本文よりも、この「跋」の内容のほうが、色々と想像力を働かせてくれて面白かった(^^)

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漢検1級 27-③に向けて その27 雉  霍

2015年11月21日 | 熟語の読み(音・訓) -個別記事- 
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<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
<漢検1級 27-③に向けて その27>

●これからの参考のために、毎日、閲覧履歴を見ている。最近は過去の記事も含め、かなり広範囲に閲覧されていることがわかる。直近の記事が常に上位であることは変わりないけど・・・。その中でも、この夏の「模擬試験問題」・・・今でも、閲覧というか、やってくれている人がいるんでしょうか・・・第1回から第20回(補習版第5回)まで、満遍なく閲覧されている。でも、この夏に、数々のコメントでやりとりしたような盛り上がりがないから、どういう使われ方をしているのかは、今いち、よくわからない・・・。模擬試験、人気があるなら、また作ろうかな(^^)・・・。今回は「猫の飼い主」さんが精力的に作ってくださっているから遠慮しようかな(^^;)しばらく、文章題で誤魔化す・・・ナンチャッテ👍
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●漢検漢字辞典第2版から・・・
①雉:チ、ジ、きじ ・・・すべて音訓掲載あり・・・
・これは簡単・・・と、思ったら、まただよ・・・熟語に「雉兎(チト)」「城雉」と載っている。「雉兎」はわかるとして・・・
・「城雉(ジョウチ)」・・・城に住みついているキジかい?って思ったら全然違う・・・
・この「雉」には現行訓読みにはない、「築地や城壁の大きさを表わすことば。一雉は高さ一丈・長さ三丈。」「土を突き固めた城壁の垣。幾雉もの壁をつき固めることから。」などの意味があった。
・で、「城雉(ジョウチ)」=城壁とか城とかの意味。(「雉」は城壁の上のひめがき。)
・こういうのも、何の説明もなく、載せてるんだよな・・・誰かさんが云ってたように、「辞典」じゃないね、こりゃ。出来の悪い「参考書」ってとこか。
・同じような意味での熟語として、「雉門(チモン)」・・・キジが通る門ではない(^^)・・・①宮城の五つの門の第2門 ②諸侯の宮殿の門 のこと。
・その他「雉(きじ)」の意味での熟語
「雉犇(チホン)」=雉の如く慌てて逃げること (*模試で出題したと思う)
「雉列(チレツ)」=つらなりならぶ
「雉噫(チイ)」=歎く声
「雉雉(チチ)」=入り交じるさま
「雉経(チケイ)」≒縊死 (縄で咽喉を扼して自殺すること。一説に、雉のごとく頸を圧し息をとめて死ぬこと。)
・その他故事成語類に当たるもの
「雉膏(チコウ)を食らわず」(「雉膏不食」・・・・雉のあぶらの美味なのを食べない→才徳があっても用いられない喩え *「井渫不食」と類義四字熟語だな。
②霍:カク、にわ(か)、はや(い)・・・すべて音訓掲載あり・・・
・掲載熟語は、「霍乱」「霍然」「霍霍(カクカク)」・・・にわ(か)・はや(い)に対応するところに掲載されている。
・第2版に文句はないが、辞典によって、「霍霍」の意味が微妙に違っていて面白いから紹介します。
 大漢和:刀先のひらめく形容。又、こえ(声)のはやいこと。
 字 通:あわてる。また、かがやくさま。
 大字源:①音声の速いさま ②光のきらめくさま
 漢字源:①ピカピカとひらめくさま。②わっわっと、あわてて叫ぶさま。 ←漢字源、おもしろすぎる(^^)
 こうなると、一つの漢和辞典だけではちょっと満足できないこと、わかるでしょ?
・ついでに、「霍」には「豆の葉」という意味あり。四字熟語の「漿酒霍肉」の「霍」はそういう意味ですね。同じような「豆の葉」の意味で使われている熟語 「霍食(カクショク)」=粗食の意。

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コメント (2)
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漢検1級 27-③に向けて その26  文章題訓練⑥

2015年11月21日 | 文章題
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<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>

<漢検1級 27-③に向けて その26>
●文章題⑥も芥川龍之介(^^;)
●今回は、難度からしたら、80%(24点)以上ほしいところでしょうか・・・・。制限時間は5分ぐらいか(^^)

●文章題⑥:次の文章中の傍線(1~10)のカタカナを漢字に直し、傍線(ア~コ)の漢字の読みをひらがなで記せ。(30) 書き2×10 読み1×10

「わが家の古玩」(芥川龍之介)
「・・・蓬平作墨蘭図一幀、司馬江漢作秋果図一幀、仙作鐘鬼図一幀、愛石の柳陰呼渡図一幀、巣兆、樗良、蜀山、素檗、乙二等の自詠を書せるもの各一幀、高泉、慧林、天祐等の書各一幀、――わが家の(1)ゾウフクはこの数幀のみなり。他にわが伯母の嫁げる狩野勝玉作小楠公図一幀、わが養母の父なる香以の父龍池作福禄寿図一幀等あれども、こはわが一族を想ふ為に稀に壁上に掲ぐるのみ。陶器をペルシア、ギリシア、ワコ、新羅、南京古赤画、白高麗等を蔵すれども、古織部の角鉢の外は言ふに足らず。古玩を愛する天下の士より見れば、恐らくは(ア)嗤笑を免かれざるべし。わが吉利支丹の徒の (2)ジセキを記せるを以て、所謂「南蛮もの」を蔵すること多からんと思ふ人々もなきにあらざれども、われは数冊の古書の外に一体のマリア観音を蔵するに過ぎず。若しわれをしも蒐集家と言はば、張三李四の徒も蒐集家たるべし。然れどもわが友に小穴一游亭あり。若し千古の佳什を得んと欲すれば、必ずしもかの書画家の如く(イ)叩頭百拝するを(ウ)須ひず。当来の古玩の作家を有するは或いは古玩を有するよりも多幸なる所以なり。
 古玩は前人の作品なり。前人の作品を愛するは必ずしも容易の業にあらず。われは室生犀星の陶器を愛するを見、その愛を共にするに一年有半を要したり。書画、(3)テンコク、等を愛するに至りしも小穴一游亭に負ふ所多かるべし。天下に(エ)易々として古玩を愛するものあるを見る、われは唯わが(オ)性(4)ウセツなるを歎ずるのみ。然れども文章を以て鳴るの士の蒐集品を一見すれば、いづれも皆古玩と称するに足らず。唯室生犀星の蒐集品はおのづから蒐集家の愛を感ぜしむるに足る。古玩にして佳什ならざるも、凡庸の徒の及ばざる所なるべし。
 われは又子規居士の(5)タンジャクの如き、夏目先生の書の如き、近人の作品も蔵せざるにあらず。然れどもそは未だ古玩たらず。(半ば古玩たるにもせよ。)唯近人の作品中、「越哉」及び「鳳鳴岐山」と刻せる浜村蔵六の石印のみは(カ)聊か他に示すに足る古玩たるに近からん乎。わが家やの古玩に乏しきは正に上に記しるせるが如し。われを目して「(6)コットウ好き」と言ふ、誰か(キ)掌(ク)拊って大笑せざらん。唯われは古玩を愛し、古玩のわれをして(7)コウコツたらしむるを知る。売り立ての古玩は価高うして落札すること能はずと雖も、古玩を愛するわが生の (8)ゴウシャなるを誇るものなり。文章を作り、女人を慕ひ、更に古玩を弄ぶに至る、われ豈君王の楽しみを知らざらんや。(9)タンボに死するも亦 (10)メイモクすと言ふべし。雨後花落ちて(ケ)啼鳥を聴く。神思殆ど無何有の郷にあるに似たり。即ちペンを走らせて「わが家の古玩」の一文を(コ)艸す。若し他日わが家の古玩の目録となるを得ば、幸甚なるべし。・・・」
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(1)蔵幅 (2)事蹟(事跡) (3)篆刻 (4)迂拙 (5)短尺 (6)骨董 (7)恍惚 (8)豪奢 (9)旦暮 (10)瞑目 
(ア)ししょう (イ)こうとう (ウ)もち (エ)いい (オ)さが (カ)いささ (キ)たなごころ (ク)う (ケ)ていちょう (コ)そう

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