★ いじめ問題の最も効果的解決策・・・生徒たち自身が「いじめ防止委員会」を作って活動する
最近も岩手県の中学2年の村松君が生活記録ノートに何回もSOSを書き込んで提出した上で、いじめを苦に自殺し、担任の女性教師の判断ミスや学校の日頃のいじめに対する姿勢と取組の甘さが問題になっています。
大人の目線だけでは実態を掴めないケースが多く、いつまでたってもいじめ問題は解決しません。
深刻なのはいじめっ子が複数で仲間を作っていて集団で1人とか2人にいじめを繰り返すことです。
自殺にまで至らなくても、ひどく心身が傷付き、深刻なトラウマになり、心を病んでしまう子供が多数出ています。
対策の基本として子供の人権教育が重要で、子供たち自身が人権意識を持つこと。
そして、いじめを無くそうとする子供たちの方がいじめ防止の仲間を作って活動するように指導することが効果的です。
●いじめ撲滅のための生徒会自主組織「君を守り隊」の活動 ・・・ 茨城県筑西市立下館中学校
「君を守り隊」は、平成8年、いじめ問題が社会問題となった時期に、生徒自らがいじめ問題に真剣に向き合い、“本校からいじめ問題を撲滅し、生徒一人一人にとって居心地のよい学校をめざしたい”との思いから、生徒会が中心となり生徒自らの声で発足しました。
そして、いじめを「しない、させない、許さない。そして君を守りたい」をスローガンに掲げ、有志を募り始動しました。
発足当時の主な活動としては、各種集会での「いじめ撲滅」の呼びかけや「隊員への悩みごと相談」の呼びかけなどを行いました(現在のピア・サポート活動)。隊員は学年でチームを編成し、朝、昼休み、放課後にパトロールを行い、いじめの情報をつかんだ際に、すぐに先生へ連絡するような仕組みをとっていました。
そして、生徒会と連携し、声のポスト「オピニオンボックス」の設置やポスターによる啓発活動を行っていました。
平成21年で、「君を守り隊」は結成13年目になります。平成21年度の隊員は、3年148名(148名在籍)、2年169名(169名在籍)、1年142名(142名在籍)で、加入率は100%であり、全員に隊員証を授与しています。生徒集会や生徒総会時に、「君を守り隊」の活動紹介やいじめ撲滅のための呼びかけを行い、学期毎に「君を守り隊フォーラム」を実施しています。
特に、11月に行う「下館中学校教育のつどい」では、保護者、地域の方々の参加をいただきながら、いじめ問題についてそれぞれの立場からの意見交換を行う場を設定しています。そして毎月、「君を守り隊アンケート調査」を行い、いじめの早期発見に努めています。
また、カウンセリング技法を身に付けるための学習会「SYMpathy(シンパシー)講座」を開催しています。この和訳は「共感」で、語源のsym(共に)pathein(苦しむ)からきています。また、頭文字のSYMはSonkei(尊敬)、Yuuki(有気)、Magokoro(真心)の意味もあります。
「SYMpathy講座」の活動内容は、構成的グループエンカウンター(SGE)のリーダー研修会、リーダーを中心とした全校構成的グループエンカウンターの実施などです。
ここ数年来、いじめが発生しにくい「仲間づくり・絆づくり」活動に力を入れ、全校・学年・学級・部活単位でのSGEを行っています。また、君を守り隊員が、出身小学校に出向いて行う「出前あいさつ運動」や「出前ボランティア清掃」、「出前学習支援活動」も展開し、小学校・中学校が連携した絆づくりを推進しています。
さらに、平成21年度から、命をはぐくむ体験活動として「種から育てるヒマワリ運動」を展開し、土づくりから播種、育苗、移植、花壇管理まで、3~4人の単位グループ毎で活動しています。次年度は、花の種類を増やし、花を咲かせたプランターを特別老人ホーム等の福祉施設や公共施設に贈るなど、栽培活動を通して人との交流活動へと広げ、生徒の自己有用感や自尊感情を高める活動と発展させていく計画となっています。
課題となることとして、活動の個人差、守秘義務の厳守、ピア・サポートの研修の充実がありますが、「君を守り隊」の活動を通して多くの生徒が自主的、自治的に活動することができるようになり、相手の立場になって考えられるようになりました。思いやりの心も育ってきており、朝のボランティア清掃などでも、自ら働く生徒が増えてきています。
「君を守り隊」を展開してきた成果として、学校全体が明るく、きれいで、笑顔あふれる学校になってきており、元気なあいさつが広がり、いじめ問題が極めて少なくなってきています。
●2013年2月足立区の小学校で”子供たちによる”「いじめ撲滅隊」が結成されて活動し、効果を上げる
日本では初めてのことだそうですが、足立区立辰沼小学校で”子供たち自身による”「いじめ撲滅隊」が結成されて活動し、効果を上げています。
大人が中心の活動ではなく、子供たち自身がお互いに助け合い、いじめを無くして行く・・・というものです。
スローガンは「いじめをしない、させない、許さない」です。
隊長の呼びかけに応えて全生徒の4割にあたる180人が結集しました。 彼の予想以上の生徒が集まったのです。
「最終的な目標は全国に広げていきたい。 こつこつやっていって、僕たちがその拠点になったと言われるような、活動をして行きたい」と、志は高い。
休み時間に校内をパトロールし、トラブルを発見したら事情を聴く。 いじめの相談にのる。
言われたら嬉しい言葉を使う運動を進める。
などしていじめをゼロにすることを目指す・・・そうです。
「効果が上がった」と聞いて足立区の別の小学校でもやり始めるそうです。
以下は私の以前からの提案ですが、それが現実に動き出したので大いに応援します。 皆さんも応援してやって下さい。
いじめ問題の最も効果的解決策・・・生徒たち自身が「いじめ防止委員会」を作って活動する 2012年の私のブログ
① スウェーデンの学校の例では、生徒たち自身に「いじめ防止委員会」を作るよう指導し、正義感と積極性のある生徒たちを集めて活動してもらうという方法が最も効果が上がるそうです。(その生徒たちにはいじめ対策などの専門家による研修を継続しながら)
生徒たち同士では情報を早く得られるので、いじめを早く発見でき、それを先生にすぐ知らせてくれます。
また、いじめを止めさせようという強い意志を持った生徒たちの集団が日頃から学校で活動しているので、いじめられた生徒も孤立せず心強い味方が居ると思えるし、バラバラでは勇気がなくて見て見ぬ振りをしてしまう生徒もいじめ反対の声を上げることができます。
いじめ集団ものさばれず、孤立するとかっこうが悪くなり、先細りになって、どんどん少なくなるでしょう。
この方法は生徒たちによる自主的積極的な人権擁護活動であり、体験的民主主義教育の一環、人間心理と人間関係の教育の一環ともなります。
日本の学校でもぜひやってみるべきだと思います。
とにかく、いじめがはびこっていて止めようとしないような学校では、道徳も何も絵に描いた餅どころか、学校で悪い心を育てているようなものです。
② いじめ対策などの専門家の公的役割を強化し、増員する。
先生・校長・教育委員会も、いじめ問題の深刻さやその原因や子供たちの心理が解っていないとか、指導力不足とか、忙しがるとか、この問題での責任があいまいとかの対策として。
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