日本の問題と解決策を考える

一石五鳥の地球温暖化防止策を考える
 
日本の真の活性化を考える  吉川忠雄

脱原発! 融資制度などでエコ発電の抜本的促進を!

2011-04-08 23:40:12 | 日記
 大震災被災者の応援をするとともに、「脱原発」を考え、エコ発電の抜本的促進を考えましょう。
 
   ①ガスコジェネ発電所の建設推進

当面の電力不足を解消するには、世界各地で発見・採掘が進んで値段も安い天然ガスを燃料とするガス発電を余熱もフル活用するコジェネレーション方式で行うのが早い。 

都市の地下でも建設可能で、電力と温水の消費地で発電する。

なお、日本近海の海底に大量に存在しているシャーベット状のメタンハイドレートの層を採掘し、そこから減圧法でメタンガスを取り出す研究が日本で進んでいますが、いずれ実用化出来れば同じ装置でその国産のメタンガスを燃料に使えます。


   ②エコ発電に低金利の融資制度を!

太陽光発電や風力発電や小水力発電を抜本的に促進する政策を取る。

バイオマス発電、ゴミ発電などをコジェネレーションやトリジェネレーション方式で促進する政策を取る。

(コジェネレーション=電熱併用)

(ここで言うトリジェネレーション=電熱併用+CO2利用植物栽培)

促進策として政策的な低金利融資制度を作り、初期投資の大部分が融資を受けられるようにし、発電した電気を電力会社に買い取ってもらって、その収入で長期的に返して行く。

大切に使い、たとえば十年後とかに元利を返し終えたら、後は自分のものになって、据え付けた人の利益になる。

(エコ発電事業者にまずお金が回る形で日銀からの通貨供給量が増えるのでデフレ対策にもなる。 助成金だけでは予算切れになる)

積極的ベンチャー企業は参加を歓迎し、他方問題のある偽のエコ発電業者を参加させないように公的監視を怠らず、また据え付け希望者の相談にのる体制を整える。


③地熱発電、特に高温岩体発電を推進する。


④-A,既存の原発については、大津波対策と大地震対策を全面的に厳しく深く見直して、
     安全対策+非常時対策の抜本的強化を早期に実行する。

B,危険度の高い原発や老朽化した原発から廃炉にしていく。

C,新規の原発はもう建設しない。
 
D,「原発村」と呼ばれる癒着構造を解散させる。

  原発推進のための行政組織と関連団体(天下り団体)を廃止する。

  既存原発の真剣な安全対策促進だけを目的とした公的な原子力安全組織を作り、
   ふさわしい人を人選する。
  
 そしてまず、危険かつ金食い虫の「もんじゅ」は直ちに廃炉にする。

これまでに直接に9000億円、燃料関係の経費が4000億円、計1兆3000億円掛けたが、トラブルのオンパレード。

維持費だけでも年間200億円掛かる。

「高速増殖炉」の開発計画そのものを完全に中止する。

もともと危険な原発に使う冷却液として、不透明で扱いにくい上危険きわまる液体金属ナトリュウムを使用する、などというのは正気の沙汰とは思えない。 

今後40年も掛け何兆円掛けて研究開発しても、受け入れる県も住民もいるはずがない。

     原発の発電コストが安いのは電力会社にとってだけ!

      ・・・それも地震・津波対策などを手抜きしてのこと・・・

     国民にとって安くない! 

 従来型の原発推進のためにも公的機関で巨額な税金を掛けて研究開発して来ています。

それなのに地震・津波対策は東電も検査側の行政もずいぶん甘く、容易にやれることもやっていませんでした。

そして何十とある原子力推進のための関連団体(経済産業省などの天下りの巣窟)へ税金を流し込んでいます。 

やっかいな核廃棄物を大量に出すので、その処理に巨額な費用と土地が必要です。 

また原発や核廃棄物処理場の受け入れ自治体と住民に危険と不安の見返りを与えるための予算を付けています。 

    国民の税金を沢山つぎ込んで成り立っているのが原発です。
 
    したがって本当のトータルコストは事故を起こさなくても実は高くついているのです。 

 その上今度のように大事故を起こそうものなら・・・

健康被害の他に実被害から国内外での風評被害まで直接間接何十兆円の経済損失になるか・・・

経済成長や税収にまで悪影響が出ます。


 日本でつくられる電気の30%は原発で発電しているなどと聞くと、それがなくなってしまったら大変だと思ってしまいます。

しかし、実は原発は出力を調整できず、フル出力で動かしっぱなしにするしかないのです。

出力調整用には火力や水力の 発電所が要ることになります。

原発は事故で運転を停止することが多く、しかも出力が大きいため、電力供給の安定性を脅かします。

その対策としても、余力のある運転をしながら待機している火力発電所を必要とします。

それなら、はじめから事故で止まることが少なく、時間的な需要の増減に応じて出力調整し易いガス火力発電、将来的には高温岩体発電などに切り替えていけばよいのです。


原発優先政策で、そういう政策に力を入れず、知恵を出さないからではないでしょうか?


上記の試案に賛成・反対のご意見や別の案、別アイデアなど有りましたら、ぜひコメントして下さい。

  

原発の地震+津波対策はいかにあるべきか?

2011-04-08 21:56:39 | 日記
 福島第一原発の事故を検証

今度の福島第一原発の事故で、「地震にも津波にも絶対安全!」と言って推進して来た東京電力も検査・監督責任のある原子力行政の各組織も、大地震+大津波に対する備えが大甘で、真剣には考えていなかったことが明白になりました。

「津波対策において、福島原発の所では過去に4m程度以上の津波はなかったので5.7mの想定で対策を取った」・・・と言うが、三陸でも、奥尻島でも10m以上の津波は何度か発生したことがありました。(明治に三陸の狭い湾で最大38m)
 
それに、最近の地震学者の研究では宮城県と福島県の海岸でも1100年前の貞観大地震で巨大な津波が起きた痕跡である砂の層が発見されました。

東電は「その研究は一つの説で、まだ確定していない」と言って津波対策の見直しをしませんでした。
 
しかし、地震地帯である福島第一原発に近い海底で大地震が起きれば、福島第一原発にも6mをはるかに超える大津波が来ることは容易に想像がつくことです。

「想定外」と言うのは「想定から意識的に外した」ということです。(それ以上の対策はしたくなかったから・・・)

高い長大な防波堤を築くことも必要ですが、それでも完全とは言えないと考え、防波堤とは異なる安全対策を真剣に考えるべきだったのです。

「津波で浸水されても各装置を防水できる状態にする」

「非常用発電機とその燃料は、防水扉付きの頑丈な格納庫内に免震台に載せて備えておく、さらに移動式の発電機と燃料も内陸に備えておく」

「防水扉付きの大地下プールを内陸側の少し離れた所に複数作り、きれいな真水を十分備えておく。そこからは配水管を伸ばしておく」

または「川からの淡水を浄化装置を通して供給する耐震柔構造パイプラインを持っている」

などの対策は可能だったはず。 

それから、使用済み核燃料を入れた大きな冷却プールの冷却水を電気で循環できなくなったとき、緊急に外部から水を大量に注入するための非常用パイプが付いていませんでした。 

電源や循環経路がやられたとき、という非常時の対策が真剣に考えられていません。

また、原子炉が過熱・高圧になった非常時に、原子炉格納容器の破裂を防ぐため蒸気や水素の高圧気体(一部の核物質を含む)を配管で弁を開けて建屋内に放出します。(これをベントと呼ぶ)

しかし、こういう非常時には炉心の核燃料棒が溶融し、化学反応で水素が出るケースまでいくことが想定されます。水素は爆発するもの。そして原子炉本体の爆発よりましとは言え一部の核物質が飛散してしまいます。 

その水素を安全に処理するための装置が付いていませんでした。

それに核物質の除去装置も付いていませんでした。

 後のことまで考えない無責任なやり方です。

東電がベントできる配管と弁を付けたのはただ規則があるから嫌々付けたに過ぎず、
「そんなもの使うことになるはずがない。必要ないのに・・・」と思っていて、
その先のことなど考えなかったのではないでしょうか?

他の原発でもそういうことがあるのでは?・・・と心配になります。


また、3月11日夕方、「現場に災害時用の電源車(短時間はポンプを動かせる)が向かったが、そのコードの長さが足りずに、繋げなかった。 災害時を想定しての設定はされていなかった」そうです。
 
災害時を真剣に考えた形跡は無く、本格的な訓練をしたことも無かった・・・

危険な原発である以上、防水対策や非常時対策をきちんとする必要があったはず。

・・・その経費も知恵も注意力も惜しんだ・・・東京電力の経営者たち・・・

・・・それを指摘しなかった・・・検査担当の原子力安全・保安院・・・

知識は有るはずなのに?・・・原発の核物質大量飛散の恐ろしさに対して、いかにも危機意識が薄い・・・この鈍感さは何なのか?

専門家?・・のはずなのに?・・どうも本物の専門家ではないようです・・

報道では原子力安全保安院の人は専門家ではなく経済産業省官僚が交代人事でやっている人たちだという・・・

東電幹部も専門家ではなく、システムは日立や東芝などのメーカーにケチりながら丸投げし、作業は協力会社と呼ぶ下請け企業に丸投げし、東電社員は主に発注と監視業務をし、発電には熱心でも、非常時のことは深く考えていなかった・・・ようです。

原発推進の政府各省・原子力行政組織と事業者の東京電力と検査機関の原子力安全保安院、この三者の「原発関係者たちの馴れ合い」(相撲で言えば八百長)があったことは間違い無いでしょう。

天下りも天上がりもあり、接待あり、利益供与あり、学閥あり・・・

それに「東電幹部は官僚より官僚的」体質だと以前から言われています。

宮城県沖の海底で大地震が起き、原発の外部電気系統が地震でやられ、すぐ傍に設置してあった非常用発電機とその燃料も大津波で流されてしまいました。

核分裂反応は自動停止できたものの、その後も出続ける燃料棒の崩壊熱を冷却するのに必要な大量の冷却水を循環できなくなったため、たちまち冷却水が蒸発し、1,2,3号機で炉心溶融が起こり、4号機で使用済み核燃料棒も溶融が起きました。 そして水素も発生しました。

また発生した蒸気や水素が高圧になり、1,2、3号機の炉心に近いどこかが破損したらしく、高濃度放射性物質が相当量流出してしまいました。

原子炉格納容器の爆発という最悪事態を回避するため、その後ベントを行いましたが、今度は水素爆発を起こして建屋をぶち壊し、一部の核物質をまき散らしました。(12日1号機、14日3号機、15日4号機で)

そして15日には2号機の圧力抑制室付近で爆発音が上がり、そこが破損しました。

菅内閣も「東電は問題が多い」「保安院のほとんどは経済産業省の官僚であり、あまり能力が無い」と知っているはずですが、彼らに依存した対応しか出来ていません。

そもそも内閣府原子力安全委員会の班目(まだらめ)委員長は12日朝に菅首相に「大丈夫だ。水素爆発は起きない」と説明していたようなデタラメな人物で、電力会社や経済産業省の受けが良い典型的な御用学者らしいのです。

たぶん菅内閣は専門性と指導力を兼ね備えた人材が得られないのでしょう。

12日に1号機の水素爆発があり、また高レベル放射能が建屋と周辺で観測されている以上、それからは外からの「高放射能下での冷却水の大量継続注入」が緊急課題となりました。 

したがってその時点で素早く無人走行・操縦可能な放水車や情報収集ロボや作業ロボの調査と手配を始めるべきでした。 

それを東電や原子力安全保安院を含む行政組織の誰か、または首相官邸の誰かが手掛けるべきでした。

当然そうするのだろうと私は思っていました。

ところが、3月16日に「3号機(プルサーマルを実施)の使用済み核燃料棒の冷却プールの水が減っていて危ない。

外から放水して注水したいが高レベル放射線が出ていて自衛隊の放水車も近づけるかどうか心配」と報道されていたので、私は「これはヤバイ」と思ました。 

そして私は慌てて調べ、その夜、菅総理にメールしました。 

そのメールでは、東京消防庁に無人走行放水車があること、危ない場所での情報収集ロボや作業ロボもあることを写真付きで紹介し、「たとえばこのようなものをぜひ活用して下さい!!」と強く提言しました。

他からの情報もあったかも知れませんが、ともかく、17日に菅総理から東京都に依頼が出され、18日に東京消防庁の無人走行放水車が到着し、その後大活躍しました。

(しかし、もし17日に3号機付近の放射線は前日よりもっと高くなり、自衛隊のヘリや放水車が近づくことをためらい、その間に核燃料棒が高温になって溶融が進んだら更にひどい事態に悪化したのですが、そうならなかったのはただラッキーだっただけのこと・・・18日でも危機管理としては遅すぎだったかも)

それでも何とか放水は間に合いました。

しかし、情報収集ロボなどは1カ月も使われませんでした。



浜岡原発も予想される東海地震で地震にも津波にも非常に危うい・・・