●たとえば、「米国のコダック社」と「富士フィルム」では・・・
デジタルカメラの出現とあまりに急速な普及で、一般向けのフィルムカメラはあれよあれよと言う間に駆逐されました。
そのため、写真フィルムで世界の巨人と呼ばれていた米国のコダック社が今年1月ついに破産法を申請しました。
コダック社は約130年もの歴史を誇る老舗企業で、写真フィルムでは代表的なメーカーの一つでした。
さらには1975年に世界初のデジタルカメラを開発しました。 それならデジタルカメラへ大きく舵を切っていけば良かったと思うのですが・・
「写真フィルムが売れなくなる」と躊躇し、これまで強かった高収益のフィルム事業にこだわってしまい、デジタルカメラの開発では日本メーカーなどに大きく遅れてしまったのです。
銀塩フィルムが使われなくなり、デジタルカメラが普及していきましたが、うまくその市場の変化にのることが出来ず、業績が低迷してしまいました。
今後はシティーグループからつなぎ融資を受けながら再建に取り組みます。プリンタ事業を中核にして、2013年には再建手続きを完了させる目標です。
一方、50年前巨人コダック社の20分の1にすぎなかった日本の富士フィルムは独自技術に挑戦し続け、懸命に研究・開発し実用化、巨人コダック社を追い続けて来ました。
その富士フィルムは・・写真フィルムの売り上げを失ったのはコダック社と同じなのに・・・今絶好調です。
連結売上は2000年に1兆4403億円 → 2011年には2兆1953億円に増加。
現在の売り上げは分野で言うと、複写機プリンター関係、デジカメ・プリント機器関係、印刷システム、フラットディスプレイ素材、医療機器、医療品、化粧品等々があります。
キーワードは「新たな稼ぎ頭を育てろ!」です。
たとえば、① 化粧品{アスタリフト」の開発 → 高価で販売することに成功・・・カラー写真フィルムの素材開発で培った「ナノ化技術」を応用して微細化し、これまでできなかった「アスタキサンチンを肌に浸透させる」ことに成功しました。
写真の乳剤の主たる成分はゼラチンすなわちコラーゲンで、その意味では肌の研究に通じていたとのこと。
② 類似症例検索システムの開発、 手始めは肺癌の診断に役立つ画像検索システムを静岡がんセンターと共同開発(大量の過去の画像診断データから、最も類似した画像データを瞬時に選択し表示)
古くからX線写真フィルムなど医療分野に力を入れて来ており、富士フィルム医療画像システム「シナプス」は世界3600施設が導入済み。
③ 液晶画面用タックフィルムは世界シェア7割(幅広・光学的に高品質・低価格)、極秘の生産方法を使って全て熊本工場で製造。
④ 6年前に460億円を投じた富士フィルム先進研究所で次を見据えた研究開発を行っている。 ここで働くのは様々な分野の研究に関わる人材、およそ1000人。 研究所内は分野を超えて意見交換できるように徹底的にオープンな設計。
▼ 社長の話・・・新しいものを研究開発するのは、すぐに利益が出てこない・・・しかし、世の中は変わっていく。
それに応じて小手先でなく、みずから本気で変化しなければならない。
新たなニーズに応じた新しいものを生み出して行かねば生き残って成長してゆけない。
だから長期的視点で次を見据えた研究開発を行っている。
● これは企業として極めて重要なことですが・・・日本経済全体の成長にも言えることです。
政府・行政・地方自治体も優れた経営感覚が必要で、そう言う目利きの人材を日本や地方の活性化委員会やプロジェクトに集めて活躍してもらうことが必要です。
今は、経済産業省(特許庁を含む)・農林水産省・厚生労働省(新薬や再生医療などの新医療法や新医療機器の承認を含む)・文部科学省・金融庁などが、官僚主義に毒されていて、むしろ新しいものの妨げになり、足を引っ張っている状態です。
この状態を早急に解消し、新しい有望な事業の卵や雛の成長を本気でサポートする意志を固め、体制を大改革することが必要です。
電力会社の地域独占体制打破、発送電分離・電力自由化の改革もその重要部分です。
日銀が金融緩和をしても、既存の大企業などがあまり投資をしないので、潤沢な資金が日銀と民間銀行の間に滞留しています。
民間銀行の多くは利己的営利主義と官僚主義に毒されていて、既存の大企業(その多くは成熟産業)には融資したがるが、これから伸ばすべき将来有望なものであっても起業家には極めて冷たい。
そして「実績があること」を要求し、「担保」を要求し、「連帯保証人」を要求する。
銀行のこんな在り方をやり方を止め、目利きをして融資するような金融機関が増えないと、やはり、お札の供給だけでは日本経済を成長させるお金の回転が生まれません。
デジタルカメラの出現とあまりに急速な普及で、一般向けのフィルムカメラはあれよあれよと言う間に駆逐されました。
そのため、写真フィルムで世界の巨人と呼ばれていた米国のコダック社が今年1月ついに破産法を申請しました。
コダック社は約130年もの歴史を誇る老舗企業で、写真フィルムでは代表的なメーカーの一つでした。
さらには1975年に世界初のデジタルカメラを開発しました。 それならデジタルカメラへ大きく舵を切っていけば良かったと思うのですが・・
「写真フィルムが売れなくなる」と躊躇し、これまで強かった高収益のフィルム事業にこだわってしまい、デジタルカメラの開発では日本メーカーなどに大きく遅れてしまったのです。
銀塩フィルムが使われなくなり、デジタルカメラが普及していきましたが、うまくその市場の変化にのることが出来ず、業績が低迷してしまいました。
今後はシティーグループからつなぎ融資を受けながら再建に取り組みます。プリンタ事業を中核にして、2013年には再建手続きを完了させる目標です。
一方、50年前巨人コダック社の20分の1にすぎなかった日本の富士フィルムは独自技術に挑戦し続け、懸命に研究・開発し実用化、巨人コダック社を追い続けて来ました。
その富士フィルムは・・写真フィルムの売り上げを失ったのはコダック社と同じなのに・・・今絶好調です。
連結売上は2000年に1兆4403億円 → 2011年には2兆1953億円に増加。
現在の売り上げは分野で言うと、複写機プリンター関係、デジカメ・プリント機器関係、印刷システム、フラットディスプレイ素材、医療機器、医療品、化粧品等々があります。
キーワードは「新たな稼ぎ頭を育てろ!」です。
たとえば、① 化粧品{アスタリフト」の開発 → 高価で販売することに成功・・・カラー写真フィルムの素材開発で培った「ナノ化技術」を応用して微細化し、これまでできなかった「アスタキサンチンを肌に浸透させる」ことに成功しました。
写真の乳剤の主たる成分はゼラチンすなわちコラーゲンで、その意味では肌の研究に通じていたとのこと。
② 類似症例検索システムの開発、 手始めは肺癌の診断に役立つ画像検索システムを静岡がんセンターと共同開発(大量の過去の画像診断データから、最も類似した画像データを瞬時に選択し表示)
古くからX線写真フィルムなど医療分野に力を入れて来ており、富士フィルム医療画像システム「シナプス」は世界3600施設が導入済み。
③ 液晶画面用タックフィルムは世界シェア7割(幅広・光学的に高品質・低価格)、極秘の生産方法を使って全て熊本工場で製造。
④ 6年前に460億円を投じた富士フィルム先進研究所で次を見据えた研究開発を行っている。 ここで働くのは様々な分野の研究に関わる人材、およそ1000人。 研究所内は分野を超えて意見交換できるように徹底的にオープンな設計。
▼ 社長の話・・・新しいものを研究開発するのは、すぐに利益が出てこない・・・しかし、世の中は変わっていく。
それに応じて小手先でなく、みずから本気で変化しなければならない。
新たなニーズに応じた新しいものを生み出して行かねば生き残って成長してゆけない。
だから長期的視点で次を見据えた研究開発を行っている。
● これは企業として極めて重要なことですが・・・日本経済全体の成長にも言えることです。
政府・行政・地方自治体も優れた経営感覚が必要で、そう言う目利きの人材を日本や地方の活性化委員会やプロジェクトに集めて活躍してもらうことが必要です。
今は、経済産業省(特許庁を含む)・農林水産省・厚生労働省(新薬や再生医療などの新医療法や新医療機器の承認を含む)・文部科学省・金融庁などが、官僚主義に毒されていて、むしろ新しいものの妨げになり、足を引っ張っている状態です。
この状態を早急に解消し、新しい有望な事業の卵や雛の成長を本気でサポートする意志を固め、体制を大改革することが必要です。
電力会社の地域独占体制打破、発送電分離・電力自由化の改革もその重要部分です。
日銀が金融緩和をしても、既存の大企業などがあまり投資をしないので、潤沢な資金が日銀と民間銀行の間に滞留しています。
民間銀行の多くは利己的営利主義と官僚主義に毒されていて、既存の大企業(その多くは成熟産業)には融資したがるが、これから伸ばすべき将来有望なものであっても起業家には極めて冷たい。
そして「実績があること」を要求し、「担保」を要求し、「連帯保証人」を要求する。
銀行のこんな在り方をやり方を止め、目利きをして融資するような金融機関が増えないと、やはり、お札の供給だけでは日本経済を成長させるお金の回転が生まれません。