★日本弁護士連合会は「死刑制度廃止宣言」を出したそうですが・・・
冤罪は死刑にならなくても、極めて残酷なこと。 冤罪そのものを極力無くすための色々な方法や制度を追求すべき
冤罪による死刑を防ぐために、死刑制度の廃止を・・・と考えるのは疑問
「余りにも身勝手極まる動機で、極悪非道の殺人事件を引き起こした犯罪者・・・を冤罪の可能性がゼロでも死刑にしない(終身刑にする)」というのは疑問。
被害者家族の惨状や悲痛な心情もあるし、脱獄して再度人殺しをする恐れも少しはあるし、「社会を護る」ためには死刑制度を廃止しない方が良いと私は思う。
たとえば、オウム真理教の信者たちを使って恐ろしい事件を起こした首謀者の麻原彰晃を死刑にしないで終身刑の方が良い・・・とはとても思えない。
ノルウェーであった「俺はナチスのモンスターになる」と言って仕掛け爆弾で8人殺し、その後69人もの人たちを次々と冷酷無情に射殺した犯人・・・のような殺人鬼を死刑にしないで終身刑の方が良い・・・とはとても思えない。
たとえば強盗・強姦・殺人を繰り返す人間を死刑にしないで終身刑の方が良い・・・とはとても思えない。
一方、冤罪を無くすために弁護士会はより強い運動を起こすべき!
NHKドキュメントで・・・有罪率が99.9%と異常に高い刑事事件で冤罪を晴らす今村弁護士の奮闘と弁護する被告人にお金が無く、収入がろくに得られないし、孤軍奮闘である大変さ・・・が報道されたのを見ました。
弁護士会はこの今村弁護士のような人をもっと組織的に応援すべきです。
もちろん何より、警察・検察・裁判所が本気になって取り組むべき!
再審を求め、その主張にも一理ある可能性があれば、もちろん死刑執行を延期すべきで、そうしているはずですが、
ただし再審のハードルが高すぎます。
最近の例では死刑囚として収監され、弁護士や応援者らの忍耐強い活動により、48年後にようやく再審を認められた人がいました。
警察・検察側の出した重要な証拠に意図的なウソや隠蔽の可能性もあるので・・・そんなことが有ったと認められたら、警察官や検察官の資格停止とか偽証罪とかそれ相当の罰を与えなければ・・・
また、警察官の強引な自白強要(家族や周辺の人の言動や状況についてウソをついて諦めさせるやり方を含め)を強く批判し、止めさせるため。
どんな状況での自白かをもっと確かめる努力をするような検察官や裁判官の感覚・考え方も必要です。
以下は冤罪を生みやすい取り調べの参考資料
トイレ行かせず自白迫る 袴田事件、取り調べ内容判明
朝日新聞デジタル 12/18(日) 15:20配信
1966年の「袴田事件」で、捜査段階での袴田巌さん(80)への取り調べを録音したとみられるテープに、取調官が「トイレに行きたい」という袴田さんの要求を受け入れず、「その前に返事を」などと自白を迫り続ける様子が記録されていることが袴田さんの弁護団への取材でわかった。【写真】袴田巌さんの取り調べの様子が録音されたテープ=関係者提供 テープは一昨年10月に静岡県警の倉庫内で発見され、これまでに弁護士の接見の様子を録音したとみられる音声などが確認されている。今回はさらに、取調室に便器が持ち込まれ、袴田さんが中で用を足す様子も明らかになったという。 弁護団はトイレに行かせず自白を強要するなどの取り調べの手法や、接見の録音が警察官の「職務に関する罪」にあたり、刑事訴訟法が定める再審請求の理由になると主張。近く東京高裁に再審請求の理由追加申立書を提出する。 弁護団によると、問題のやりとりは逮捕から18日目の66年9月4日の取り調べ中とみられる。 否認を続ける袴田さんに対し、2人の取調官が「やったことはやった」「間違いないだろ」などと繰り返し迫る状況が続いた後、袴田さんが「すいません。小便行きたいですけどね」と要求。これに対して2人が「(小便を)やらしてやる」「その前に返事してごらん」などと、引き続き自白をさせようとする様子が残されているという。 その後、テープには「便器もらってきて。ここでやらせればいいから」という取調官の声が入る。「そこでやんなさい」と袴田さんを促す様子や、「出なくなっちゃった」という袴田さんの声、続いて実際に用を足す水音なども確認できるという。 袴田さんはこの2日後、勾留期限3日前の9月6日に自白に転じた。 袴田さんは一審の静岡地裁の公判で証言台に立った際、「(小便を)やらせないことが多かったです。まともにやらしちゃくれなかったです」「取調室の隅でやれと言われてやりました」などと取調室での排尿を強要されたと証言。 これに対し、証人として出廷した取調官は「そのようなことはありません」などと否定していた。 テープには袴田さんと接見に来た弁護士との会話とみられる音声もあった。これについて弁護団は既に、「刑事訴訟法で保障された弁護士との秘密交通権の侵害だ」として、録音の経緯についても証拠開示させるよう高裁に求めている。 接見の録音をめぐっては、袴田さん自身が76年に最高裁に提出した上告趣意書で、「(刑事が)弁護士に言いつけたら後で半殺しにしてくれるからなあと言い渡し、(接見を)盗聴しているのであります」などとも訴えていた。 弁護団事務局長の小川秀世弁護士は「トイレのことも盗聴についても、かつての袴田さんの訴えが真実だったことを証明している」とテープの内容を評価。その上で「高裁は、捜査に重大な違法があったことを認め、速やかに再審を始めてほしい」と話す。 テープは、2014年3月の再審開始決定後に弁護団が証拠開示請求し、存在が明らかになった。オープンリール式のテープ24本で、袴田さんが逮捕された66年8月18日から、起訴後勾留中の9月22日ごろまでの取り調べなどの音声が断続的に、計約48時間分録音されていたという。昨年1月に弁護団に開示された。 弁護団は、専門業者に聞き起こしを依頼した上で、再度音声と照合するなどチェックを繰り返し、今年10月まで約1年半をかけて解析を進めてきた。 テープにはほかにも、捜査官が袴田さんに「なぜ刺してくれただ、と(被害者が)言ってるぞ」と脅したり、「お前は4人を殺した」「4人に謝罪しなさい」と謝罪を迫るような様子もあったという。 ■「再審の理由に」弁護団申し立て21日にも テープの全容が明らかになったことを受けて、袴田さんの弁護団は21日にも、再審請求理由の追加申立書を提出する。弁護団が取材に明らかにした。 弁護団は、取調室で排尿を強いるような捜査手法が特別公務員暴行陵虐罪に当たると主張。一審の静岡地裁で、取調官がこうした事実を否定したのは偽証罪で、弁護士との接見の録音は公務員職権乱用罪になる、と訴えている。 申立書では、これらが再審請求の理由となる警察官の「職務に関する罪」にあたるとして早期に再審を始めるよう求めるという。 静岡地裁は一昨年3月、県警による証拠捏造(ねつぞう)の可能性を指摘した上で、袴田さんの再審開始を決定。検察側が即時抗告し、再審を始めるかどうかの審理が東京高裁で続いている。(笠原真)