先日東京国立博物館で開催中(10月2日~12月9日)の掲題の特別展に行きました。大報恩寺は北野天満宮のそばにあり千本釈迦堂と呼ばれていると解説にありました。本堂は国宝で堂内には快慶・定慶・行快らによる仏像が安置されています。京都に4年住んでいてもこの千本釈迦堂には一度も行ったことがありませんでした。北野天満宮は住んでいた所からは歩いても行け、千本釈迦堂というバス停の名前は通るたびに聞いていたのに、無知とは恐ろしいことです。今思えばもったいないことをしました。
特別展では、快慶作の十大弟子立像、行快作の釈迦如来坐像、定慶作の六観音像が公開されています。中でも快慶作の十大弟子立像は必見。特に目犍連は見逃せません。首筋、胸のアバラ骨、手の血管まで見事な彫刻です。ところでこの十大弟子立像はどこかで見たような仏像です。鎌倉の極楽寺にある十大弟子立像に似ています。大報恩寺の仏像は1220年頃の制作であり、極楽寺のそれは1268年の制作であること、快慶は1227年に亡くなっているので、この十大弟子立像に似せて作られた可能性はあります。何れににしてもこの十大弟子立像が身近に思われ、来た甲斐があったと会場をあとにしました。
展示方法も工夫されており、まだの方は是非会場を訪れてみてください。12月9日までです。