taimuのひとり言

毎日の生活の中で感じた事を 徒然なるままに・・・。

「三谷幸喜のありふれた生活6 役者気取り 」読書日記

2009-04-01 22:27:15 | 読書


   
   「ありふれた生活6 役者気取り」 三谷幸喜著
  
   「ありふれた生活」は全部読んでいます。
    今回も「三谷ワールド」全開で楽しく読みました。
    三谷氏の日常生活のエッセイ集ですが、
    決して「ありふれた」ではありません。
  
    職業柄 芸能人の友達が多いのはわかりますが、
    ご本人は 人見知りで極端に友達が少ないと思っているらしい。
    確かに 本の中では人見知りでシャイなところも垣間見えますが
    それにしては 映画の宣伝のために一時テレビに出ずっぱりのときは
    本当に「人見知りでシャイ」って思いました。
    
    それでも お人柄がにじみ出ている感じで 
    イヤミではありませんでしたけど・・。
    
    今回のこの本には 最後に4人の俳優さんたちの
    インタビューが載っています。
    全員に同じ質問をしているものですが、
    それぞれの三谷氏との距離感が出ていて おもしろかったです。

    三谷氏は 童顔なのでちょっと頼りない 
    自分の意見もはっきり言えないようなイメージが
    私の中にありましたが、全く違う脚本家、
    映画監督、舞台演出家、の顔がみえてきました。
    
    今度は 絶対 舞台を見に行きたいです。
   

「阪急電車」 有川 浩 読書日記

2009-03-06 20:53:46 | 読書

 朝から 一日中でした。

 「阪急電車」 有川 浩
  宝塚駅。征志、運命の女性に会う。宝塚南口駅。
  翔子、呪いの願をかける。逆瀬川駅。時江、犬を飼おうと思う…。
  恋の始まり、別れの兆し、そして途中下車。
  電車は人数分の人生を乗せて、どこまでもは続かない線路を走っていく。

 片道わずか15分の電車の中で すれ違ったり、少しずつかかわりあったり
 して 電車はいろいろな人を 乗せていきます。
 その往復の電車の中を舞台に、繰り広げられるドラマの連作短編集。
 私は 初めて有川氏の本を読みましたが、
 とても 面白かったです。何よりも読後感がさわやかで
 ほっこりとして こういう物語・・・大好きです。
 
 特に気に入ったのは「宝塚南口駅」の翔子の話。
 翔子の行動は 激しいし、ある意味悲惨なのですが、
 何か「がんばれ」って言ってあげたくなるんですよね。
 やるだけのことをした後は てきぱきと颯爽としていて
 気持ちいいぐらい。きっと幸せになれるってそう思います。

 それから 老婦人時江の的確でやさしいアドバイス。
 翔子の心を落ち着かせたり、DVの彼氏に悩んでいるミサには
 「くだらない男ね。」とバッサリ。
 その一言でミサは 目が覚めて自分を取り戻していきます。
 なんと 素敵なおばさまでしょう。
 凛として できたら私もそうなりたい・・・。

 物語はどれも さらっとしていて おさまりがよく
 完結していくので スラスラと読めてしまいます。

 こんな 電車に一度 乗ってみたいですね。




 

「壷霊」内田康夫 読書日記

2009-02-17 20:29:14 | 読書


 「壷霊」内田康夫
  【本のあらすじ】
   京都の老舗骨董店・正雲堂の嫁である伊丹佳奈が失踪した。
   嫁ぐ際に持参した高価な高麗青磁の壺“紫式部”も
   消えている。残された唯一の手がかり、
   縁切り神社・安井金比羅宮の形代には、
   佳奈と夫の離縁を祈願する内容に、見知らぬ女性の
   名前と住所が添えられていた。
   その紫野の住所で浅見光彦が発見したのは、何と紫式部の墓。
   しかも、壺を“紫式部”と名付けた男は、
   7年前に変死しているという…。
   京都町家暮らしという条件に惹かれ、佳奈の娘千寿の
   依頼を引き受けた浅見は、いつしか怨霊や生霊の
   息づく古都の底知れぬ深みにはまっていたのだった。

  浅見光彦シリーズの最新作です。
  京都の新聞に連載されていたものだそうですが、
  なるほど 観光ガイド的なところがあるのも頷けます。

  「京都」「骨董品の壺」「縁切り神社」「紫式部の墓」・・・
  とくれば 何か おどろおどろしいお話を
  期待していましたが そうでもありません。
  気楽に 仕事の合間に パラパラと読みおわりました。

  いつものパターンで 浅見光彦のお相手の女性が登場していますが
  今回は 20歳の女子大生で ちぐはぐな感じです。
  32歳ぐらいの光彦が いくら魅力的な好青年でも
  20歳の女の子ではね~
  もっと知的で聡明な ウィットのとんだ大人の女性を 
  登場させてください。
  
  もう そろそろ浅見光彦の大人の恋も見たいです。
  
  

「悪人」 吉田修一 読書日記

2009-01-25 19:21:50 | 読書

 
 「悪人」吉田修一著
 
 保険外交員の女が殺害された。
 捜査線上に浮かぶ男。彼と出会ったもう一人の女。
 加害者と被害者、それぞれの家族たち。
 群像劇は、逃亡劇から純愛劇へ。なぜ、事件は起きたのか?
 なぜ、二人は逃げ続けるのか?そして、悪人とはいったい誰なのか。
   (「BOOK」データベースより)

  友人に借りた本。
  「悪人」という題名だけで 私は手に取らないと思う。

  ・・・でも 読み出したら一気に読んでしまいました。
  「悪人とはいったい誰なのか」
  もちろん 殺人を犯した清水裕一は どんな理由でも
  許されるわけはありません。
  それでも 殺人事件の被害者・石橋佳乃や
  被疑者として逃げ回る増尾圭吾など 登場人物の心理や背景が
  克明に描かれ 特に 殺人者清水裕一の生い立ち、生活環境など
  胸が締め付けられる思いで読みました。

  格差社会といいますが この小説の人々が皆孤独でやり切れません。
  読みながら 「どうしてそんなこと言うの
  「どうしてそんなことをするの
  「どうして
  子育てを終わりかけている年代の私は 
  この登場人物たちの言動にばかりなのです。

  出会い系サイトで いとも簡単に男女が知り合い、
  小遣い稼ぎで男と付き合う、目先の事だけで
  夢も未来もないような生活。

  中でも私の心に一番重くのしかかってきたのは
  被害者・石橋佳乃の両親の悲しみと慟哭です。
  最愛の娘を殺されたという悲しみ、の他に
  被害者でありながら 娘のお思いがけない行状に対する
  世間の好奇と批判に耐えなければならない、
  あまりに残酷だと思いました。

  最後に 清水裕一と逃避行を続ける女・馬込光代。
  逃避行は どちらかというと光代が主導権を握っていたようなのに
  光代に迷惑がかからぬように 裕一がとった手段に
  胸がいっぱいになりました。

  正直 読後感は重く暗いものでしたが
  なぜか 読んでよかったと思わせる一冊です。
  
  

  

「警察の血」 読書日記 18 今月読んだ本 10月 

2008-10-14 22:32:12 | 読書

 
 もう10月も半ばです。
 朝晩は ストーブが欲しい季節です。

 「警察の血」上・下  佐々木譲 著
 
 友人から借りた本。
 この本は かなり厚い本で上・下巻あり 読み始めるのに
 ちょっと躊躇したほどでした。
 でも読み出したら 面白くて 夢中で読んでしまいました。

 それもそのはずで「このミステリーがすごい!」2007年版で、
 第1位に輝いた本でした。(読み終えてから知ったんですけど

 ≪昭和二十三年、上野署の巡査となった安城清二。
  管内で発生した男娼殺害事件と国鉄職員殺害事件に
  疑念を抱いた清二は、跨線橋から不審な転落死を遂げた。
  父と同じ道を志した息子民雄も、凶弾に倒れ殉職。
  父と祖父をめぐる謎は、本庁遊軍刑事となった三代目和也に
  ゆだねられる……。戦後闇市から現代まで、
  人々の息づかいと時代のうねりを甦らせて描く警察小説の傑作。≫

 ミステリーというほどの謎解きはありませんが
 「警察官」という職業を親子三代にわたって描いています。

 特に私が興味深かったのは、民雄の第二章。
 生活のため 大学進学をあきらめ 警察官になった民雄が
 「命令」によって大学生として 学生運動真っ只中の時代に、
 学生として大学に潜り込み、赤軍過激派の内偵をするあたりは
 本当にあったかのような、リアルな緊張感があり、
 ハラハラドキドキしながら読みました。
 民雄がこの時に経験した ギリギリの恐怖と緊張が
 後に 彼の精神に重大な影響を及ぼし 結果的に「殉職」
 という道をたどっていってしまうのですが、
 大きな「組織」に抗えない 虚しさや憤り
 民雄と一緒に体感できました。

 こういった公安による「潜入捜査」や
 第三章での警察官による警察官の「監視、内偵捜査」
 など 本当にあることなのでしょうか。

 「組織」の内幕を描いた小説を「組織」の中にいる
 現職の「警察官」の方はどのような感想をお持ちになるのでしょうか。
 
 単純な私などは 全てが本当にあることと思ってしまうのですが・・・。

 


読書日記 17 今月読んだ本 9月 

2008-09-21 17:45:04 | 読書


 「赤朽葉家の伝説」 桜庭一樹著

 
 “辺境の人”に置き忘れられた幼子。
 この子は村の若夫婦に引き取られ、
 長じて製鉄業で財を成した旧家赤朽葉家に望まれ輿入れし、
 赤朽葉家の“千里眼奥様”と呼ばれることになる。
 これが、わたしの祖母である赤朽葉万葉だ。
 ―千里眼の祖母、漫画家の母、そして何者でもないわたし。
 高度経済成長、バブル景気を経て平成の世に至る現代史を背景に、
 鳥取の旧家に生きる三代の女たち、
 そして彼女たちを取り巻く不思議な一族の姿を、
 比類ない筆致で鮮やかに描き上げた渾身の雄編。  東京創元社

 
 友人が貸してくれた本。
 友人・知人が貸してくれる本は 私が書店や図書館で
 多分手に取ることはない本 の場合が多いです。
 だから新鮮で いろいろな作家ともめぐり合える機会が増え
 楽しませてもらっています。この本も正にそういう一冊でした。

 何とも不思議な世界、ずいぶん昔の話のようでもあり
 でもよく読みなおしてみると 戦後数年がたった頃から
 現代までの話しで 私が生まれてからの年数と大体同じぐらいです。
 ということは この物語の話し手である「瞳子」(20代)の若い人
 から見ると 戦後の日本、高度経済成長、バブル景気と崩壊、
 と私達が経験、体験してきたことが もうすでに歴史教科書の
 一部分のようになっていたのだと 改めて思い知らされました。

 鳥取の旧家に生きる三代の女たちの 
 風変わりな激しい人生の物語に圧倒され
 かなり読み応えのある長編ということもあり
 読み終わった後は充実感とともに けだるい疲労感も味わいました。
 三部構成のうち 
 一部と二部は捨て子である祖母・赤朽葉万葉から始まり、
 母・赤朽葉毛毬、の物語で 場面展開も速く
 随所に摩訶不思議な現象もちりばめられ 面白かったです。
 それに比べて三部の現代版は少しミステリー調になって
 また わたし・赤朽葉瞳子がいたって普通の娘で 
 物足らない平凡な話しに感じてしまいました。

 ただ「赤朽葉家」の内情は かなりドロドロした話しなのに
 読後感が 意外とさわやかで後味は良かったです。


読書日記 17 今月読んだ本 8月 

2008-09-04 16:55:10 | 読書


「吉原手引草」 松井今朝子著
 
 
  「吉原」というと悲惨な過去を持つ女性達、
  過酷な日常生活、いじめ、等々。
  暗い陰惨な物語を想像していましたが
  いい意味で裏切られました。

 なぜ、吉原一を誇った花魁葛城は、
  忽然と姿を消したのか?遣手、幇間、楼主、女衒、
  お大尽―吉原に生きる魑魅魍魎の口から語られる、
  廓の表と裏。やがて隠されていた真実が、
  葛城の決意と悲しみが、徐々に明らかになっていく…。
                      幻冬舎 2007年

  読みやすい小説です。ある人物(多分イケメンの若侍)が
  吉原で起きた事件について関係者に聞いてまわる設定。
  小説は章ごとに語り手を替え、その語り言葉だけで
  いろいろなことが明らかになっていきます。
  最初のほうは「吉原」のしきたりや遊び方等、
  ちょっとしたガイドブック的な所もあります。
  小説の主人公「花魁葛城」は一切(直接には)登場しません。
  徐々に「花魁葛城」がどういう女性だったのか、
  そしてどうなってしまったのかが わかってきます。

  「花魁」になるには 器量がいいだけではだめで
  客との駆け引き、美しい文字で手紙を書き、教養もあり、
  仲間からの人望もあり、など雑学的な興味でも面白かったです。

  「吉原」に関係のある十数人の一人語りの中で
  葛城のことだけでなく、自分の過去や立場や仕事の内容などが
  語られ、隔離された「廓」の良い面も悪い面も見えてきて
  話がどんどん広がってくるようで面白く感じました。

  ただ「花魁葛城」がこれだけ語られているのにも
  かかわらず 葛城の人物像が私には はっきり見えてこない
  のが 残念でした。
 

読書日記 16 今月読んだ本 7月 8月 その2

2008-08-09 00:29:30 | 読書

 今日も暑かったです。

 昨日 読み終えた本です。

 「楽園 上・下巻」 宮部 みゆき著

 
 図書館に予約していて やっと順番になりました。
 読み出したら止まりません。
 早く先を読みたいのに 読み終わってしまうのが
 惜しいような、そして最後は ほっとして読み終えた
 そんな本です。
 無関係とも思える出来事や 小さなエピソードを
 丹念に積み上げて、一本の線に繋がってくる手法は
 相変わらず見事です。

 「模倣犯」事件のショックから立ち直れずにいる
 前畑滋子のもとに
 荻谷敏子という女性が現れる。12歳で死んだ息子「等」に関する
 不思議な「絵」に関しての依頼だった。
 少年は16年前に殺された少女の遺体が発見される前に、
 それを絵に描いていたという…。

 「サイコメトラー」「超能力者」のストーリーかと
 思ったら 「家族」のストーリーです。
 荻谷敏子と等、土井崎夫妻と茜・誠子姉妹、
 三和尚子と明夫、など。

 どの家族も母と子の関係が重要な鍵になっています。
 荻谷敏子の 純粋にわが子の心の中を知りたいと願う母。
 自分が生んだかわいい娘のはずなのに だからこそ自分の手で
 娘を殺めてしまった土井崎向子、
 息子が何か悪いことをしていると気づきながら
 知らないふりをして 息子をかばい続ける三和尚子。

 その時々で私はその母親になったような感覚になり
 息をつめ 胸をドキドキさせて 読んでいました。

 荻谷敏子が 最初は普通のおばさんなのに
 どんどんいい人になって 周りの人を和ませ
 皆が癒され 素敵な女性だったことがわかってきて
 私も なぜかとても嬉しかったです。

 前畑滋子は「模倣犯」の事件の絵が
 等の描いた絵の中にあるのを 見つけて
 それがきっかけで 調べてみようと思ったのに
 その絵の解明がされなかったのが残念で
 消化不良のような感じです。

 それから 茜と明夫が起こした事件の犠牲になった
 女性についても 何も解決しませんでした。
 どこかに 眠っているはずの彼女のことが
 気になって仕方がありません。

 



読書日記 15 今月読んだ本 7月 8月 その1

2008-08-07 16:24:11 | 読書

 暑い日が続いています。

 「徳川の夫人たち 正・続」 吉屋 信子著

 
 先月読んだ「女人平家 前・後編」がとても面白かったので
 「徳川の夫人たち 正・続」を図書館で借りました。
 
 「大奥」というと 正室と側室やお世継ぎをめぐる争いや
 お付きの女中たちも含めて、さまざまな確執や策略が入り乱れ、
 嫉妬、嫌がらせ、いじめ、など そのあたりを
 興味本位に取り上げられることが多いのですが、 
 そういうイメージは いつ頃私達に定着したのでしょうか

 吉屋氏は
   『江戸城大奥の女性たちに関する資料はあまりに少ない。
    いや、多少はあるにしても、それらはどれもこれも
    「狂言綺語の俗書のみ」であって、皆彼女たちを、
    あるいは淫婦にあるいは毒婦に扱って、
    女性を性の対象とのみ見て“大奥”と呼ぶ禁男の女の世界を
    猥雑な修羅場をした戯作のたぐいのみ』
  と指摘しています。

 だからこそ 江戸城大奥の当時の最高の身分で
 最高の教養を備えた女性達の姿を 
 描きたいというのが 吉屋氏の目的だったのでしょう。

 「徳川の夫人たち 正」は三代将軍家光の側室、お万の方の物語。
 家光のお召しによって、17歳で尼寺の住職から還俗させられて
 大奥入りしたお万の方。才知にあふれ しかも京都の公家の出
 ということで気品と若さと美貌を兼ね備えたお万の方は 
 本当に17歳
 
 「徳川の夫人たち 続」の方は、4代将軍から
 15代慶喜までの大奥の物語。こちらの方は駆け足の感じですが
 「江島、生島」のスキャンダルや「篤姫、和宮」など
 興味は尽きません。

 大奥の厳しいしきたりや 正室と側室との格式や身分の違い
 四季折々の行事や決まりごと、女性達の衣装・髪形 等、
 吉屋氏の華麗で優雅で上品な文章で 手に取るように、
 女性達の息遣いまで感じられるような 本当に
 面白い本でした。
 

読書日記 14 今月読んだ本 6月

2008-07-02 23:55:12 | 読書

 今日は 蒸し暑い一日でした。

 6月に読んだ本です。

 「女人平家 前・後編」 吉屋 信子著

 
 仕事先の花やのお客様が貸してくれた本です。
 吉屋氏の名前は知っていましたが 初めて読みました。
 面白かったです
 こんなにのめりこんで読んだ本は 
 最近ではなかったと思います。

 文章が優美で 品があり 
 流れるような文体でそれでいて読みやすい。
 あの平家一族の複雑な家系が
 手にとるようにわかりました。
 主に 清盛の妻・時子、その末娘・典子、
 典子とは異母姉・佑子、の3人にスポットをあてて
 描かれてますが、3人の生涯は波乱万丈で
 優雅な何不自由ない姫君でありながら、時には切なく 
 とにかく夢中で読んでしまいました。

 平家の女性では安徳天皇の母となった徳子が有名ですが、
 他にも4人の娘達が それぞれに 自分の運命を受け入れ
 たくましく 助け合いながら 生き抜いていくのです。

 特に佑子と典子のお互いに相手を思いやり
 助け合い 共に生きていく姿には 
 素直に感動してしまいました。

 平家滅亡の後 源氏の世も3代しか続かなかった
 ことを思うと「女人平家」という題名の
 意味がわかった気がします。

 4人の姫たちは 皆公家に嫁ぎそれぞれに 平家の血筋を
 残していくのです。

 『明治の華族制度で堂上華族としての近衛公爵家は
 摂政近衛基實(盛子の夫)を祖として文麿に至っている、
 花山院家は侯爵に、冷泉隆房(佑子の夫)の父隆季を
 祖とする四条侯爵。七条家(典子の婚家)は
 水無瀬子爵になる。
 「平家は女系によって今も滅びませぬ!」
 典子の快活な声がどこからか響く気がする…。』

 この本の最後の一節ですが この典子の言葉が
 全てを語っていると思います。

 今まで 男性側からしか描かれていなかった「平家物語」
 を 女性の視点で見せてくれた一冊でした。