![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/hiyoko_cloud.gif)
「
ディア・ドクター」を観ました。
「凱旋上映」ということで 再上映されていました。
ストーリーもわかりやすいし 出演者も芸達者な人たちばかりで
本来なら 観終わった後にはじ~んとくる感動作
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/atten.gif)
となる、と
思ったのですが 何か不思議な気持ちになりました。
偽医者だった「伊野」が姿を消し 警察に追われる身になって
から 村人達の態度の変化。
彼女の願いを聞き入れ、その気持ちに答えようとしたがために
「伊野」は追われる身になったのに そのことを警察や周囲の人たち、
医者の娘にも語らない「かづ子」。
研修医の「相馬」は「伊野」に感化され、来春からは一緒に村で働こう、とまで
思っていたのに 警察には「なんとなくわかっていた
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/hiyob_hat.gif)
」なんて・・・。
たぶん 早くから気づいていた看護師の「大竹」。
そして自分の仕事のために「偽医者」だと知りながら、薬を売っていた「斎門」。
皆 何事もなければ 善人なのに・・・。
保身だけになってしまうところが、やっぱり人間らしいと思う。
その奥底には 信頼していた人に裏切られた、という思いと
「偽医者」と見破ることが出来なかった、
あるいは知っていたのに言えなかった、
誰もが 一人の人間の存在を 自分のために利用していた、
という「後ろめたさ」が潜んでいるように思う。
皆が 祭りの後のような 放心状態になっているのが興味深く感じました。
普通の人々が 本当のことを口にせず、本心も言わず、なのに
誰かが誰かを 恨むでもなく 時間だけが過ぎていく・・・。
そして ラストシーンは ほっとして大好きです。