見たくもない一面の銀世界。
爆弾低気圧が半日で作り上げた風景だ。
玄関からルンバの長靴が消えていた。
彼女は、思った通りに動いてくれない家族に見切りを付け、早くから雪かきを頑張っているようだ。
朝食をとり、薬を飲んで腰痛ベルトを巻き、遅ればせながらスノーダンプを手に玄関から外へ。
やっと出てきた私を見てルンバは少し嬉しそうだが、でも除雪の8割は終わっていて、山のように積み上げられた雪を隣の空き地に運ぶだけ。
いつもより少し重い雪をスノーダンプに積み上げてはデヤーッと運ぶ。
積雪量は膝の高さ。
ズボッと脚が埋まるので思ったように動けない。
「お母さん、何時から雪かきをしているの?」と訊いたら「それを知ったら、ひっくり返るよ」と云われた。
何と3時間も前の朝6時から一人で雪かきをしていたと云う。
それを聞いて路肩の雪山に「ヒエーッ」と驚いてひっくり返らなければならない私。
「もっと驚くよ。朝4時から洗濯していた」とルンバ。
それを聞いた私は、オキマリでもう一度「ヒエーッ」と驚いてひっくり返った。