※ 摩周湖の続き
摩周湖第三展望台から北側へ下りる道は、グニャグニャの連続だ。
飛ばし屋の私でもエンジンブレーキを使いながら慎重にハンドルを動かす。
高度がどんどん下がるので、ただでさえ聴力が衰えている耳がさらに聞こえなくなる。
私との垣根を数時間で取り払ったK子さんは、一生懸命 一生懸命話し掛けて来るのだが、よく聞こえないので適当に返事をした。(ゴメン)
坂を下りきって行くところは硫黄山。アイヌ語でアトサヌプリ(裸の山)と呼ばれている活火山だ。火薬の原料である硫黄を掘り出した跡があると聞く。
車で走っていると硫黄臭がどんどん強くなり少し怖さを感じる程の噴煙だが、無数にある噴気孔に近づくことを禁止されてはいない。
小学生の時、買ってもらったアサヒペンタックスに人を撮るには一番適していると云われた135ミリの望遠レンズを付けて硫黄臭のする山に向かっていたら何処かの写真倶楽部が凄く綺麗なモデルさんを囲んで撮影会をしているのを見つけ、図々しくも無断で混ぜて貰い、田舎のネェチャンしか見たことのない私は心をトキメカセてモデルさんにレンズを向けたのだが、何とモデルさんは135ミリのレンズが美しく撮ってくれることを知っているようで、私に視線を向けてくれたのを嬉しく思い出した。
今日はデジタルカメラを持ち、隣にはK子さん。
歩いていて一発も車の中で出していなかったことを思い出した途端モヨオシタ。
K子さんには申し訳ないが、さり気なく気体を連続放出。
硫黄臭の中に僅かながら生物臭が加わったが、誰も気が付く人はいない。