寝る前に、カーテンの隙間から自宅の周りを見下ろすのが癖になっている。
運がよければ微かな灯りの中をチョコチョコと通るキタキツネを見られる。
Oさん宅はいつも寝るのが早い。既に灯りを落とし寝入っているようだ。
その近くにあるUさん宅は毎夜いつまでも灯りが点いている。
時々灯る細長いガラス窓はトイレだ。いつまでも点いていると「大?」と思ったり消し忘れかと心配したりする。
深夜に通る人など稀な家の前の道を昨夜は何処へ行くのだろう、白く長い足首まで隠れているワンピースを着た髪の長い女性がゆっくり歩いているのが見えた。
不思議なのは私の家も含めて周囲の家は猫が通っても反応するセンサーライトを付けているのに、彼女にはどのライトも全く反応しなかったことだ。
もしかしたら、私の見ていたのは・・・・・・アレ?
まさかねぇ・・・・・・脚はあったようだし。
急に怖くなって部屋中の灯りを全部点けた。