高江雅人  竹工芸職人の独り言  竹工房オンセ

高江雅人  竹工芸を初めて37年、徒然なる出来事をアップしています。

犬のキャリーバッグ

2007年03月25日 06時40分05秒 | 作品紹介

072_065_1 これはお客様からの注文で作った犬のキャリーバッグである。新しい物を作る時は普段作っているものの3倍以上の時間と労力が掛かる。この作品も1年間掛かってしまった。特に今回のような本体と蓋と窓という様に3パーツに別れているものは大変であった。

まず、最初に編みの試作をして全体のヒゴの長さ、本数、厚みなどを割り出していく。下染をしたヒゴを編み上げ本体と蓋、窓を別々に染め上げる。熱を加えると形が変形するので合わせてみて微調整、それぞれを漆仕上げしたものを籐などを使って組み合わせていく。最後に組み合わせた部分を漆仕上げして完成した。

本体の部分は目の積んだ網代編み、蓋の部分は犬が真っ暗で怖がらないようにと、隙間のある四つ目編みで、顔を出せるように蓋の三分の一くらいの窓を付け、開閉できるように‥‥。

072_074_1072_078_2 蓋を中から犬が持ち上げ開かないように。開けた蓋が勝手に閉まらないように開いた状態で止まるように。中から犬が引っかいても良いように壁を作り、洗濯できるように布で袋を作り、取り外しできるように。等等‥‥。

金具屋にいって部品を買ってきたり、磁石で蓋が止まらないか?とか試行錯誤の末、竹の弾力を利用した止め具ができた。なかなか自分ながら気に入っている。まだまだ、実際に使ってもらい、犬の習性なども考慮したキャリーバッグができると良いのだが。

新しい物を作るとき、何回も失敗をするのだが、その失敗が後から自分の財産になってくるのかも知れない。今もアタッシュケースと携帯電話入れ、アイポッドケースなど頼まれているが、小さい物は指が入らないのでピンセットを使って籐飾りの穴に通したり、結んだりしなくてはならない。あー、頑張らねば。

竹工房オンセ

コメント (1)
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