高江雅人  竹工芸職人の独り言  竹工房オンセ

高江雅人  竹工芸を初めて37年、徒然なる出来事をアップしています。

ニッチな商材

2014年05月15日 07時35分52秒 | 友人

船橋東武での催事場に、成田山表参道で竹細工のお店をしている、藤倉さんが訪ねて来てくれました。
彼は、元ラグビーマン、がっしりとした体形がラグビーマンらしさを表しています。体型だけでなく、人間的にも頼もしい信頼できそうな人でした。

閉店間際に、会場に来てもらい、閉店後、船橋駅近くの居酒屋で一杯付き合ってもらいました。

Cimg9178_2 如何してか?判らないのですが、居酒屋のお姉さんに、相撲の関係者と思われたのでしょうか?
こんなメッセージを頂きました。

10258561_645234618886330_1471014170 ゴッツイおっさん二人で、ハートの卵焼きを食べている姿は、何とも微笑ましい!
いえ、いえ、ちょっとキモイかも知れませんな!

楽しくお酒を飲ませて頂いたのですが、話す内容は、これからの竹細工のあり方、職人としての方向、竹製品を扱う店の生き残り方など、実に有意義な内容に為りました。

竹細工はニッチな商材で生き残る!これに尽きますね。

竹製品を欲しがっているお客様は、本当に沢山いらっしゃる、しかし、その製品を作る職人さんが居ないのだそうです。
反対に、仕事が無くて困っている職人さんがおり、次第に廃業していく人が出てきています。
需要と供給があるのに、如何して為り立たないのだろう。ニッチ過ぎて、お互いが結びつかないだけなのです。

以前は、生産者と消費者の間には、何段階もの中間業者が入り、生産価格と購入価格に大きな違いがありました。
しかし、ネット販売など、情報が簡単に発信でき、また、消費者もダイレクトに購入する事が出来る時代に為ってきました。そんな時代に、藤倉さんの様な、良心的な販売店の存在が、大きな役割をしてくれるのです。

例えば、運動会に欠かせない演目の「玉入れ」

Photo 毎年、全国から相当数の問い合わせがあるそうです。しかし、この籠を作ってくれる職人は高齢化してしまい、生産する人が居ないのです。

私どもでは、安くてあまり儲けには為らない製品ですが、職人が基礎技術を付けるには、大量に出て、反復練習するのには、打ってつけの商品となるのです。
玉入れ籠は、それなりに工夫をすれば、面白い商材に変わります。
こういった、ニッチな商材を作るのが、生き残っていく一つの方法では無いでしょうか?

近年までは、中国製の安かろう、悪かろうの竹篭に市場は荒らされてしまいました。しかし、中国の人件費はどんどん高騰し、製品に対するモラルは低く、防虫防腐財まみれの輸入品に満足できない人が増えてきました。

国内の生産者と消費者も近くなってきました。

こんな橋渡しをしてくれるのが、藤倉さんの使命だと仰る。

印象的だったのは、使命という言葉を、「命を使って頂く」と云う風に考えて居られることでした。
本当に、良い出会いに感謝します。

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