香川県の竹彫師西村さん。私と同じ竹を扱う職人であるが、彼の場合は竹の表面に観音様や縁起の良い文字などを一刀彫する職人さんである。トレードマークは大きなタオルをいつも頭に巻いている。エジプトの壁画に出てくるような頭巾を被っているようだ。その西村さんから相談を受けた。「箸を作ってきたけど見てくれ」煤竹を削ったお箸である。巾が15ミリほどある無骨なお箸である。一目見て 「こりゃ、ダメだ」。大先輩の西村さんには申し訳なかったがお箸の世界は本当に深いのだ。シンプルであるからこそ、ごまかしが利かない。2本の箸が美しく削れるようになるには高度な技術とセンスが必要なのだ。工芸の商品を作り上げていくには、いろんな角度から積み上げていかないと完成されないとつくづく思った。
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