お客様の注文でランの鉢を入れて持ち歩く籠を頼まれた。頂いた注文は「一番細かい編み目の波網代で作って欲しい」とのことだが、大きさも巾42センチ、マチ幅27センチ、高さ32センチという大きなものである。使い勝手も判らないので、取りあえず、もう少し簡単な編み目の物で試作して、データを割り出す事にした。
どんな作品でも、最初の試作が大変で思わぬ所に落とし穴がある。細かい編み目でこれだけの大きさの物を編むことも大変であるが、今回、一番苦労したのは、上下の縁である。
まず、巾20ミリ長さ160センチほどの縁を取ろうと思うとよほど直径の大きな竹で、真っ直ぐで、丁度曲げる四隅の位置に節が来ない竹を探し出すのだが、なかなかそんな竹は無い。
太い縁を熱を掛けて曲げていく。この火加減一つで形の良いものか?そうでないものか?決まってしまう。今回の試作品にも、大きな落とし穴があった。
底の部分に板をはめ込んで、鉢が置けるようにするのだが、ただ、置いてあるだけでは、動いてしまう。動かないようにするにはどうしたら良いか?試行錯誤の末、やっと、解決方法が見つかった。
試作の作品から、手直ししなくてはならない所が数点見つかった。やはり、頭の中で考えていた物と比べ、実際に作ってみると、「ここがオカシイ?」と気付くのだ。特に実用品は、中に重量のある物を入れて、耐久性は?使い心地は?など留意しなくてはならない。
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