百貨店市場を考える
私たちにとって身近な存在である百貨店だが、97年(9兆4661億円『99年市場占有率』(日経産業新聞編)、『帝国データバンク業界地図2007年版』(宝島社)を参考)をピークにこの市場規模は縮小に傾き、2005年後半から僅かながら回復しつつある。
そんな中、危機から脱しようとの試みからか、経営統合・業務提携が活発になっている。阪急・阪神、西武とそごう、三越と伊勢丹、大丸と松坂屋などなどだ。
連結対象になってはいないが、高島屋はそんな中でも好調のようだ。横浜店、大阪店は単独で1600億円以上を売上、連結対象になっていない伊予鉄高島屋(松山市)、JR名古屋高島屋を加えると、大丸+松坂屋のJフロント・リテイリング(統合の結果2位に浮上する)を抜き、事実上、三越+伊勢丹の一位に次ぐ二位となる。
だが、影響力の点からみると伊勢丹が大きい。なぜなら、共同商品仕入機構(全日本デパートメントストアーズ開発機構A・D・O)を主導しているからだ。ここには、H2Oリテイリングなども参加している。
問題は、どこにこれから先の道を見いだすか。ヴァーチャル世界をどう取り入れるか。好調な大型本屋の仕組みを研究してみるのも良いのではないか。
個人的には、日本・和風雑貨の英語HPを立ち上げ、世界中のお金持ちの方々に購入してもらう販路をつくるのも良いように思うのですが。オンラインショップなのに英語表示可能なサイトがない。こういうところってかなり市場規模が大きいと思うのですが。
鉄道とともに拡大していくという時代でもない。これは自分の課題でもあるが、今の消費者、今後の消費者の行動の変容の事実を把握し、そしてどういった仮説をもてるか。この研究を急ぐしかない。
百貨店市場の中身
◆衣料品・・38.5%3兆152億
◆食料品・・24.2%1兆8989億
◆雑貨・・・14.1%1兆1036億 ・・・和の雑貨を世界の人々にオンラインで売る。どうでしょう。
◆身の回り品12.6% 9894億
◆家庭用品 5.4% 4248億
◆喫茶、サービス5.2%4095億
計2005年全国百貨店商品別売上高7兆8414億(資料:全日本百貨店協会資料)