硝子戸の外へ。

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アベンジャーズ エンドゲームを楽しむ。

2019-09-10 17:33:35 | 日記
待ちに待った「アベンジャーズ エンドゲーム」を観る。

敢えて劇場に足を運ばなかったのは、大きな独り言を言ってしまう危険性があるからである。

さて、もうネタバレしても良いと思うので、ストーリー展開も漏らしながら感想を述べておこうと思います。

まず、エンターテイメントとは、日常を忘れさせてくれるショーとは、こういうものなんだなと思わせてくれます。

アイアンマンが絶望寸前で、キャプテンマーベルが登場。キャプテン・マーベルを観た後であるから、「おおっ。あの続きだな」と呟いてしまう。次にホークアイの家族との団らんから始まり、そして家族が突然消えてしまう。「ええっ!」と声を上げる。どうなってゆくのか予想もつかない。そして、悪役である「サノス」が、序盤であっさりと成敗されてしまい、「ええっ!」と声を上げる。次に「アントマン&ワプス」の続きである。なるほど~。と唸る。

と、ストーリー展開が凝りに凝っているので、こういう展開が、終盤まで続くことになるのである。また、素晴らしいのは、流れる音楽である。勿論、その場面を盛り上げてくれる効能もあるのであるが、秀逸なのは場面展開の時、音楽にのせて新たな展開へ無理なく導いてくれるところなのです。

そしてエンドロールが流れる頃には「なに観ていてんだっけ」と思わせてくれるところにしびれました。(ジャズが好きなのでそう感じたのかも)

さて、次はストーリーに隠されたメタファーですが、これもなかなか興味深い。
この映画では、多くの名言がありましたが、もっとも考えさせられたのは「サノス」の言葉ではなかったでしょうか。

非道なんだけれど、おやっと思う所がある印象的なキャラクターで、彼がこだわったのは、「バランス」であり、宇宙の秩序を保つには、存在する個体の数の制御が必要なのだと考える。デシメーション後、農場で一人暮らしをしていた事からも、目的が自己益だけではない事が分かります。
それに対し、アベンジャーズの面々は、皆がそれなりに生きることのできる混沌とした世界を護り、愛そうとしている。

どちらに言い分もよく分かる。確かにそうなんですよね。

自然との調和を考えると、コントロールが必要になる。人が人を愛し、生活を営んでゆく事が、人類の役割であるなら、過剰消費は避けられない。そして、そこには争いが生じてしまいます。

人類の最大の問題を突き詰めてゆくと、そこに突き当たるのであるから、繰り返される歴史から、力技に出てきた人をデフォルメしたのが「サノス」であり、アベンジャーズがテーゼだとすると、サノスがアンチテーゼという存在だったのではないかと思います。

しかし、終盤の戦闘シーンは象徴的で、旧体制が衰退してゆく有様を表しているように思いました。

ニュースクールのティーンエージャー(スパイダーマンの彼)を、大人の女性が守り、サノスが消え、アイアンマンも(最後に、アイアンマンだ。と言っていましたね。)去ります。
王であったソーは女性のヴァルキリーにその座を譲ります。
そして、キャプテンも、自身の気持ちを選び、愛に生き、黒人であるファルコンに「キャプテン」を譲ります。

それは、人類は、旧体制では、どうやっても繰り返すだけで、新しい未来は描けないのだというメッセージでもあるように思いました。これは、「スターウォーズ」にも観られるものではなかったでしょうか。

アメリカという国の行き詰まりが、映画にもにじみ出ているように思いました。

個人的に、嬉しかったことは、好きだった女優さんを多く観れた事です。

レネ・ルッソさんは『リーサルウェポン』で好きになりました。グウィネス・パルトローさんは『スライディングドア』で、そして、ナタリー・ポートマンさん。思わず顔が緩んでしまいました。

アベンジャーズってよく考えてみたら、すごい名優さん達が出演されています。マイケルダグラスさんや、ロバートレッドフォードさん等、出演料もすごかったんだろうなぁと思ってしまいます。

そして、最後に、もやもやです。それは、2つのキューブの行方です。

本来殺されてしまうはずの「ロキ」は、キューブをもって消えてしまいます。キャプテンマーベルで「ねこ」の姿をした怪物が吐き出したキューブの行方もほったらかしです。

という事は、キューブをめぐる争いが、再び起こるという事でしょうか。

ロキが生き延びたなら、再び「マイティ・ソー」が登場しなければならないし、(あのだらしないに肉体には驚きましたね。あれって、自前なんでしょうか。だとしたら、すごい肉体改造ですね。)そして、キャプテンマーベルでキューブを狙ったクリー人なるものたちは、撤退しただけであるから、再び狙ってくるのではと考えます。

マーベル映画さん、どうなんでしょうか? 上質のエンターテイメント期待しますね。