硝子戸の外へ。

優しい世界になるようにと、のんびり書き綴っています。

山手線。

2022-07-07 09:47:06 | 日記
朝テレビをつけると、駅員さんがすごい剣幕で起こっている映像が流れた。
乗客が線路上に落とした財布を拾ってほしいとお願いするも、駅員さんが拒否している様子であった。

その部分だけ見ると、なぜ駅員さんが起こっているのかがさっぱりわからない。
解説を聞いてみると、財布を落としてしまったので自分で線路上に降りようとしたところを、駅員さんに止められ、拾ってほしいと頼んだところすぐにはダメだと言われたため、乗客は非常停止ボタンを押して、過密運行を続けている山手線の外回り内回りの電車を止めてしまってからの映像であるらしい。

分間隔で運行している山手線の利用客は一日に100万人近くの人が利用しているようなので、その中には彼以上に困っている人が存在している可能性がある。
また、非常停止ボタンは、人の命を守るための装置であって、個人的な要求を満たすための装置ではない。

それなのに、沢山の人が電車に乗って移動している最中にもかかわらず、「なぜ、私のための動いてくれないのか」「私は大変困っている」の方が優先されなければならないのであろうか。
そして、運行にかかっているコストよりも個人のお財布が優先されなければならないというのであろうか。

財布を落としてしまって焦る気持ちはわかるけれども、大勢の人の命を預かっている公的機関に踏み込んでいるのだから、ルールは公的機関にゆだねられなければならないと考えるのが普通である様に思う。

あの映像は、あの部分だけであると、「私は悪くない」「これはパワハラだ」というメッセージと自己の行為をたくさんの人に肯定してほしいという意図が伝わってくる。
しかし、個人的な要求を満たす為に、人の命を守るための非常停止ボタンを押しているのであるから、彼が画像を拡散したことは迷惑行為の上塗りと言えるのではないか。

したがって、駅員さんが激怒しているのは、彼が危険で間違った行為をしているからであり、自分の非を認めようとしないからといえる。

もしこれで、財布を落とした彼の言い分が正しいという事になれば、今後、日本の鉄道は利用者にとって大変不自由になってゆくのではないかと思う。

そして、この事象を報道したテレビ局は、彼がこれから、どのような理由でどのような処分を担わなければならなくなったのかをきちんと取材し報道しなければ、報道機関としての責任は果たせないのではないかと思うし、SNSは大変便利なツールであるけれども、過ちをひっくり返すために拡散したいのであれば、ひっくり返す事に失敗した時、他者を非難した以上に非難を浴びなければならなくなるリスクを承知の上で自己責任を意識して拡散しなければならないのではと思う。

この出来事は、鉄道ファンとして、とても悲しい出来事であった。