すずめ休憩室

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気の向くままにつづってみました。

子供に物をあげること

2006年06月19日 | 日々つれづれ
さて今回会社の人達総勢7人と釣りをしていたんですが、お天気か良くお魚が釣れ始めているという事もあり、家族連れがチラホラ。私たちのグループの横にもお祖父ちゃんを筆頭に父母と小学生の子供と従兄弟たちという大家族が10人ほどの一家総出で釣りを楽しんでしました。

するとこの家族の小学校2~3年生くらいの男の子が私の隣に来て小さい竿で釣りを始めました。その子に釣ったクリガニをあげた事もあり、色々話しかけてくるんですね。するとその従兄弟たちも来て、子供たち4人に囲まれて釣りをする羽目に・・・(苦笑)

子供って可愛いし賑やかですね~でも毎日相手をするお母さんはちょっと大変かも(苦笑)

話はズレましたが、その男の子、私の傍で釣りをしていたのにはある理由があったのです。

釣りで使うオモリには色んな形があるんですが、よく使われるのが「小田原型」「なす型」というタイプ。これらは投げ釣りにも船釣りにも使えるタイプです。船釣りには「釣り鐘型」を使うとカレイ類を誘いやすいとか、投げ釣りに「弾丸型」を使うと良く飛ぶとかあるんですが、この時、私は「スパイク型」というオモリを使ってました。スパイクが砂地に食い込み流され難いというオモリなのですが、その男の子はその「スパイク型」のオモリを初めて見たらしく「カッコいいね~」を連発していたのです。

私が帰り支度を始めると、その「スパイク型オモリ」を手に握りしめ、「これ何処で売っているの?」「いくら位するの?」と聞いてきます。私が「釣具屋さんなら何処でも売っているよ」「200円くらいかな」と答えても「お父さんに買ってもらおう」「カッコいいよね」と言いながら私にオモリを渡すでもなく、まだ握り締めたまま私の後を付いてきます。

すぐに彼はこのオモリが欲しいんだなと判りました。が、私はあえて黙って片付けを続けました。

彼は「じゃそれあげるよ」と言う言葉を期待していたでしょう。
でもそう言いたくなかったんですね、私。
そういう物の貰い方が当たり前だとその子が思ったら良くないかなと思って。

家族から物を貰うのとは違います。赤の他人にねだる事が当たり前だと思われては困ると言うか・・・安いものなのであげてもいいんですが、あげるにしても持ち主である私の手に戻って、私の手からあげるのがルールかなと思って。

私が片付けを続けている間、ずっと彼はそのオモリを握り締めていました。
私はそれに気が付かないフリをしていました。その子が返してこなければ、そのままでもいいかなと思っていたんですね。黙って貰ってしまえば彼はそれを見るたびに「黙って持ってきてしまった物」として後悔するだろうし、仮に親に「貰った」と言えばそれは嘘をつくことになり、苦い思いを多少なりするのかなとも思って。

私の荷物が殆ど車に乗せ終わったところで、彼は「これ忘れ物」と言ってオモリを返してくれました。私は「ありがとう」と言って普通に受け取り一旦それをしまいました。

ちょっとイジワルだったかなとも思ったけど、少しして彼が1人になった時「ぼく、おいで」と言ってそのオモリをあげると、彼はちょっと不思議そうな顔をして「ありがとう」といい、一目散に走って家族の元へ向かいました。
「最初からくれればいいのに、イジワルなおばさんだ」と思っていたかもしれませんが(苦笑)

昔と違い、余所の家の子供に何かをあげるというのは大変なことだなぁと思った日でした。お菓子一つにしてもその家の躾もあるし、あげ方も気をつけないと悪癖に繋がるのかなぁと。私の考えすぎかもしれませんが。

私が車で去るとき、その子のお祖父さんが私に向かい軽く会釈をしてくれました。ちゃんと「貰ったよ」と報告してくれたようです。思っていた以上にいい子でした。良かった