すずめ休憩室

日々のこと、好きなこと、飼っていたペットのことなどなど・・・。
気の向くままにつづってみました。

ショックな出来事

2007年11月14日 | 日々つれづれ
書こうか書くまいか迷ったのですが・・・


知人が亡くなりました。


詳しい死因は判りません


誰にも助けを求めようとしなかったその人は、かつての面影が全く判らない姿で見つかりました。

色んな事があり過ぎて誰にも言えなかったのでしょう

警察からは歯の特徴を尋ねる電話がありました。
笑うとみえた印象的な八重歯だけがそれがその人だという事を物語っていました。

死という別れは病気であっても辛いのに、まるで生きることを放棄したようなその姿はその事を知らされた全ての人に衝撃を与えました

全てを失い、たった一人になったその人が意識を失うその時まで何を考えていたのかと想像すると心が痛み、泣けました。


今はただ・・・その人の魂が安らかに眠っている事を願うばかりです

捜索者

2007年11月14日 | 漫画・本
「捜索者」 谷口ジロー 小学館 ビッグコミックススペシャル
 


南アルプスの山小屋の主・志賀の元に1本の電話が入った。それは今は亡き親友の妻からのもので一人娘・恵美が失踪したというものだった。都会の雑踏に消えた15歳の少女を追って、志賀は南アルプスの山から降りる。そして今度はビルが乱立する都会という名の山へ恵美を探しての単独行が始まるのだった・・・。

以前、なごいくさんから谷口ジローさんが作画を担当された「神々の山嶺」という漫画をお借りして読んだのですが、それからがぜん谷口さんが書く山漫画に興味が沸いてしまい、買ってしまったのがこちら。

谷口さんの作品ってなんていうんでしょ、一歩間違えは「死」へと繋がるかもしれない「山」というものに人生というものを表現しているような書き方をされるんですよね~
何作か読ませていただいてますが、この方、ほんと「人間」を書くのが上手い。なんともいえない魅力と迫力があるんです。

この作品は「神々の山嶺」とは違い、谷口さんオリジナルという事、またストーリーも純粋な山登り漫画とはちょっと違うんですが、読んでいると人生という大きな山の中でルートを見失い、さまざまな信号を送り助けを求めている若者の姿が見えてきます。
今の世の中、色んな誘惑や犯罪があり、それらの中から子供達に対して指針を示したり、危険より守ったりするというのがとても大変になってきていますが、たぶん山での救助を求める遭難者を見つけに行く事と、それらはとても似ているようにも感じるのです。

そして読み進める内に実直な男、志賀に「こんな人が身近にいてくれたら・・・」と思ってしまう大人も子供も多いんじゃないかな・・・そんな風にも思えるんですね。

ラスト・・・監禁されていた恵美を救い出すべく、ビルという名の垂直な崖を己の腕だけで登攀していく無謀だとも思えるシーン、ハラハラはするんですが、山漫画を書きなれている谷口さんの画力が光ります

あぁこの人は山は登ったことがなくても山とそして人間を愛しているに違いない・・・そんな風に感じさせてくれる1冊です