すずめ休憩室

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気の向くままにつづってみました。

とめはねっ!3巻

2008年05月20日 | 漫画・本
  

「とめはねっ!」河合克敏 小学館 ~3巻

私立鈴里高校に入学したちょっとガチャピン似の男子高生・大江縁(おおえ ゆかり)は担任の先生に言われ、荷物を教室へ運ぶことになったのだが、そこの教室の中では書道部員が着替えの最中で、縁はノゾキと間違えられてしまう。部員数に悩む書道部は口止め料として縁を書道部への入部を強制させてしまうのだが、縁は帰国子女(男)、筆など持った事はない・・・
そんな時、縁が密かに憧れていた女子柔道の期待の星・望月結希の投げ技に巻き込まれ、腕を骨折してしまうというアクシデントが発生。
責任を感じた結希は縁のいる書道部に期限付きで入部することとなるのだが・・・


柔道、競艇とマイナー競技にスポットを当ててきた河合さんの新作。

実はプロフでも公開していますが、たれぞ~さんは高校時代に書道部に在籍しておりまして、もうツボくすぐられまくりな作品だったりします(笑)

書聖と言われた王義之(おうぎし)などの昔の書の達人の書を真似て書くのを「臨書」というんですが、臨書に関するウンチクもさることながら、河合さんのキャラ設定がしっかりしてて、地味・暗いと言われ続けた文化部の代表「書道部」をこれでもかーと楽しく表現してくれてます。

この3巻ではタイトルにもなっている書道における「とめ」「はね」についても書かれていますが、私が懐かしいなーと感じたのは手本の見方
楷書では区別がつきにくい漢字の書き順ですが、行書、草書となるとこれがとても重要になってきます。
字のバランス、そして筆運びの流れが美しさを現すことにも繋がるので、正しい書き順でその流れを切らないように書くことがとても大切

手本となる字の個性を表現しつつ、この「流れ」を切らさないように書くのが難しいのです・・・
勿論、書き順が違えば流れも変わるので、「美しい字」とはかけ離れてしまうから、先生の見かたも当然厳しい。
そんな臨書の原点を初心者の主人公を通して読者にもわかりやすく、丁寧に教えてくれていますね

そして
「大切なのは自分が興味を持って取り組むこと・・・」

作中で三浦先生の言ったこの言葉が全てにおいての原点のような気がします
「好きこそものの上手なれ」と昔の人は言ったもんだけど、やっぱり好きだと情熱が違うもんね(笑)

キャラクター構成といい、書道を知っている人にも知らない人にも楽しめる作品を作り上げられるのはさすが河合さんの技量ですね。
そして巻末では「篆刻」の話も出てきてましたが、う~んマニアック。
勿論、書道部の私も自前で作りましたともさ。

ここまで漫画でやっちゃうのもやっぱり河合さん(笑)

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6 コメント

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面白そうだ~。 (トミー。(猫とマンガとゴルフ~の管理人))
2008-05-20 13:14:09
 他のマンガブログでも良く見かけるのよね、これ。地味に見える書道部をそんなに面白く表現できるって、これは読まないと分からないのだろうか ? 面白いんだろうな~。う~んマン喫で読もうかな。

 最後の 篆刻 にヒットしちゃいました。昔、秘書の仕事に必要だろうと思って書道教室に通ったのですが、そこの男の先生が本当は 篆刻家 で、見ているうちにそっちの方が面白そうに感じたよ。
 好きで始めた習い事ではなかったので、楷書が終わったところでやめちゃったから、その後 篆刻 にも縁がないのだけどね。国立博物館などで昔の人の綺麗な書体を見ると憧れます。
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私はツボなのですが(笑) (たれぞ~)
2008-05-20 15:02:52
トミーさん。
あはは(笑)
トミーさんがお邪魔しているという漫画ブログさん、私と同じ趣味なんでしょうか??
それとも知らずに二人で同じブログを見ているのかしら??(笑)
まぁ漫画好きだといろいろと流離うのですれ違っている可能性はありますよね~

私は元々書道部に居た人なんで、すんごくツボだつたのですが、そうじゃない人でも楽しめると思いますよ~
地味で知られていない分野を説明しながら認知させていく・・・というのは河合さんのコンセプトのような気がするんで
知らない人もそれなりに、知っている人はより楽しくという感じでしょうか・・・

>篆刻
私も自分が使う1本(1文字のみのもの)しか作らなかったのですが、あれも奥深いようですね~
石を彫るので中々思うように彫れないんです。
よくもまぁあんな見事な彫が出来るなーと思いましたわ。

まだ3巻までの刊行なので、読みやすいとは思いますが、なんなら次回の箱に入れますか??
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書道部!? (ひぃ)
2008-05-20 15:55:54
高校の時・・・弓道部に所属していたひぃちゃんですぅ。
たれぞ~さん、書道部ぅ?渋いっっっ、超渋い。渋好きのひぃちゃんが言うので間違いにゃい。
私も幼き頃、書道を習いに行っていました。
そしてすぐやめました。
そろばん、ピアノと習い事は全部やめたひぃちゃん。今でも悔やまれるのは書道だけは辞めなけりゃよかったよと思う心。下手な字をみてるとつくづく思います。
たれぞ~さん、徳島にもお友達がいるんですねぇ~。
たくさんお友達がいてびっくりしてます。
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これ (ての)
2008-05-20 22:03:25
先日の朝日新聞書評欄でも出ていて、興味を抱いた作品でした。たれぞーさんは書道部だったのですね。作品もなかなかにお見事で。てのはほんとーーーーに悪筆で、字を書くのが苦痛で…
この漫画の中の書道作品は実際に公募しているのだそうですね。
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面白そう!! (なごいく)
2008-05-21 06:34:25
私が小学校入学の時、あまりに字が汚い私だったので書道教室に通ったのだけど…全然改善されなくてやめちゃいました。多分8級くらいだったと思う(爆)。

でも大人になってから友達が結構習っていて、展覧会みたいなのにも出したりしているのを見て、ちょっと興味持ったんだ。

で、つい何日か前、たまたまNHKテレビで「現代書道」という番組を見て…また気持ちが向いてきたの。その前にもいいともで森先生のコーナーも面白かったし。

字ってホントに人を表すよね。私の字…ヒドイというかなんというか…ホント嫌いです(涙)。
字がもう少し上手になれば、引きヅラれてココロも変わるかしら??なあんて淡い期待を抱いてたりします。

これ、私も買っちゃおうかな~(とりあえず今は山田ユギ貧乏・爆)。
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書道 (たれぞ~)
2008-05-21 12:48:33
ひぃさん
おお~!!ひぃさんは弓道部だったのね~
あれも良いよね!!
私は運動オンチなんで、スポーツ系部活は遠慮してましたが、弓道はそそられるものがありました。

やっぱり日本人ってこういう「和」ものに反応するトコってあるんでしょうかね~??
不思議と空気と一体化して身が引き締まる感覚ってありますよね~

字は書かないとどんどんと下手になりますね~
私も今はすんごい悪筆
だから手書きより、PCで打っちゃうこと多いです(苦笑)

ダメね~

かな習字や日常習字みたいなことしていれば良かったわ・・・



てのさん
そうなんですか??
新聞で取り上げられるとは結構人気なのね~これ
でも書道漫画なんて、私も想像したことなかったから、この存在を知ったときはたまげたもの(笑)

てのさんは手書きは苦手なのですね~
私も書道をしていたとは言え、臨書(昔の人の字を真似る)だったので、実際自分が自分の字で書くのってのはとっても下手。。。

「こんなんで書道部?」って状態です
だから賞状とか作るのも、思いっきりPC駆使しています(爆)

いや~いい世の中になったもんだ



なごいくさん
子供の頃に書道をしていたという子は多いよね~
あとそろばんとか。
私も子供の頃に少しお習字をしていたけど、それで終ってました。

書道というのは高校に入ってからなのよ~
しかも「臨書」は昔の人の字を真似るだけなので、字の上手い下手より、感性みたいな方が重要みたい??

字の特徴を捉えるという部分では絵画の模写に似ているよね
創作になると字で絵を表現しているイメージはもっと強くなるし~現代書道家もそういうのってあるんじゃないかしら??

字はね~それもその人の個性だから下手でもいいのよ~
丁寧に書こうとしてと言うのが見て取れればそれはそれで「いい字」なんだと思うよ
私は何度もなごいくさんの字を見ているけど、「丁寧に書こうとしている」というのはすんごく伝わるわ

私的にちょっと・・・と思うのは、大切な書類でも「書きなぐったような字」の方が嫌だなぁ・・・
履歴書なんか見てるとね、そう感じます
偉そうだけど・・・(苦笑)
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