「YASHA」「イブの眠り」 吉田秋生 著 小学館
「YASHA」はけいさんから、「イブの眠り」は夜さんからお借りしました~いつもありがとうございます
沖縄の離島で母と2人で静かに暮らした居た少年・有末静。それはある日突如として破られることとなる。謎の男たちに母を殺され、誘拐された静が連れて行かれたところはアメリカのある遺伝子研究施設だった。6年の時を経て再び日本へ戻ることとなった静。彼はそこでもう1人の自分と同じ顔をした青年と出会うこととなるのだが・・・。
さて、読んで一番最初に思ったのが
「吉田秋生という人は何処まで成長をし続ける人なのだろう・・・」ということ
「BANANAFISH」「カルフォルニア物語」・・・吉田さんの作品は多々あれど、私はこの「YASHA」が一番面白く感じましたね~
主人公・静は遺伝子操作による代理出産で生まれ、既存人類を超越した能力を持っているのですが、それを利用しようとする一部の支配者と彼らによる選民意識という悪意・・フィクションだけど、妙に現実味を帯びています。だって某国では人の遺伝子を使ったクローン実験に成功していますし、日本も少子高齢化による財源不足は深刻な問題ですもんね~
絶対そんなことはあってはならないけど・・・・でももしヒトラーの様な選民意識が強いカリスマ指導者がいたら???
ちょっと想像すると、全くありえない!!とも言い切れないような気がするのです
この世界が隠し持っているかもしれないそんな負の可能性をバッサリと抉り出された気分
いつも思うのですが、吉田さんって方、漫画のプロットを起こす時、どうやっているんでしょうね~
この構成力というか、細部にまで徹底したリアリティの持たせ方が、一見突拍子も無い話に見えても、読み手により現実味を持たせてくれているように感じます
「YASHA」の中でもインフルエンザに似たウィルスの存在がクローズアップされていますが、
例えば凛の陰謀によって、殺人ウィルスに曝露した人たちを助けようとする場面
血清とは人間の血を容器に入れ放置しておくと細胞成分や凝固成分と分離し出来る上澄みのことで、これに免疫抗体が含まれているのですが、あの殺人ウィルスはもともとは静たち新人類の遺伝子操作の中で生まれたもの。静や凛が発病しないということは彼らの体の中には、既にこれらに対する抗体があるということでもあります。
茂市たちが人類が未知のウィルスに感染したとき、ただ「治療薬が無くて助けられなかった」と終わらせるのではなく、具体的に対処法に静の血でこの血清治療を・・という1つ掘り進んだものにしたり、その血を採血する事となった今井さんの「躊躇い」が後に大きな意味を持つところなど、1つのシーン、1つの行動が実に見事に次への繋がっているなーと
そして何より、静と凛の対比
同じ遺伝子、同じ姿と同じ能力をもちながら、全く違う二人。。。
そして続編「イブの眠り」に出てくる「死屍」
愛情というものが人間形成にどれだけの影響を与えるか、そして究極の局面に相対した時、強みとなるものは何なのか・・・色々考えさせられる作品でした
ただ「イブの眠り」の方ですが・・・・
作品としてはとても素晴らしい纏め方だし、「遺伝子」というものを題材にしている以上、読者の気になるトコロ(静に繋がる肉親)を掘り下げている
のだけど・・・やはり静のあの姿はショックだったわ~
ああいう思いきったことが出来るのも吉田さんの凄さなのかもね
「YASHA」はけいさんから、「イブの眠り」は夜さんからお借りしました~いつもありがとうございます
沖縄の離島で母と2人で静かに暮らした居た少年・有末静。それはある日突如として破られることとなる。謎の男たちに母を殺され、誘拐された静が連れて行かれたところはアメリカのある遺伝子研究施設だった。6年の時を経て再び日本へ戻ることとなった静。彼はそこでもう1人の自分と同じ顔をした青年と出会うこととなるのだが・・・。
さて、読んで一番最初に思ったのが
「吉田秋生という人は何処まで成長をし続ける人なのだろう・・・」ということ
「BANANAFISH」「カルフォルニア物語」・・・吉田さんの作品は多々あれど、私はこの「YASHA」が一番面白く感じましたね~
主人公・静は遺伝子操作による代理出産で生まれ、既存人類を超越した能力を持っているのですが、それを利用しようとする一部の支配者と彼らによる選民意識という悪意・・フィクションだけど、妙に現実味を帯びています。だって某国では人の遺伝子を使ったクローン実験に成功していますし、日本も少子高齢化による財源不足は深刻な問題ですもんね~
絶対そんなことはあってはならないけど・・・・でももしヒトラーの様な選民意識が強いカリスマ指導者がいたら???
ちょっと想像すると、全くありえない!!とも言い切れないような気がするのです
この世界が隠し持っているかもしれないそんな負の可能性をバッサリと抉り出された気分
いつも思うのですが、吉田さんって方、漫画のプロットを起こす時、どうやっているんでしょうね~
この構成力というか、細部にまで徹底したリアリティの持たせ方が、一見突拍子も無い話に見えても、読み手により現実味を持たせてくれているように感じます
「YASHA」の中でもインフルエンザに似たウィルスの存在がクローズアップされていますが、
例えば凛の陰謀によって、殺人ウィルスに曝露した人たちを助けようとする場面
血清とは人間の血を容器に入れ放置しておくと細胞成分や凝固成分と分離し出来る上澄みのことで、これに免疫抗体が含まれているのですが、あの殺人ウィルスはもともとは静たち新人類の遺伝子操作の中で生まれたもの。静や凛が発病しないということは彼らの体の中には、既にこれらに対する抗体があるということでもあります。
茂市たちが人類が未知のウィルスに感染したとき、ただ「治療薬が無くて助けられなかった」と終わらせるのではなく、具体的に対処法に静の血でこの血清治療を・・という1つ掘り進んだものにしたり、その血を採血する事となった今井さんの「躊躇い」が後に大きな意味を持つところなど、1つのシーン、1つの行動が実に見事に次への繋がっているなーと
そして何より、静と凛の対比
同じ遺伝子、同じ姿と同じ能力をもちながら、全く違う二人。。。
そして続編「イブの眠り」に出てくる「死屍」
愛情というものが人間形成にどれだけの影響を与えるか、そして究極の局面に相対した時、強みとなるものは何なのか・・・色々考えさせられる作品でした
ただ「イブの眠り」の方ですが・・・・
作品としてはとても素晴らしい纏め方だし、「遺伝子」というものを題材にしている以上、読者の気になるトコロ(静に繋がる肉親)を掘り下げている
のだけど・・・やはり静のあの姿はショックだったわ~
ああいう思いきったことが出来るのも吉田さんの凄さなのかもね
愛を与えられ奪われたもの、愛を知らずに育つもの、静と凛・・・このふたりの対比は、私もすんごく考えさせられました。
イヴ・・・静の姿・・・確かにショックですよね、あれは・・・でもね、きっと吉田さん、中年の静が描きたくなかったから・・・かもよ(そんなばなな)
精霊はね~もぅわたしゃ~だったわよ~!!!
あ~もっかい読み返そうっと!大好きだぁ~
私は「BANANA」のインパクトが余りにも強烈過ぎて、「YASHA」も「イブの眠り」も確かに面白いのですけど、のめりこむまでならなかったです。この方の作品の幅って素晴らしいですよね「河よりも~」や「櫻の園」を読むと、深いなァと思います。
ダメだったんですが、友人から借りて一気読みしたら
面白くて、「夜叉」まで立ち読みしなおしました
「BANANA~」もすきだったんですけど一番インパクトが強いのは
「カリフォルニア~」かもしれない・・・・
自分が若かったせいもあるのかな~その次に読んだ
「櫻の園」も自分の中でタイムリーだったんで
心に残っています
衝撃的だったけど
ラストがあまりにも哀しすぎる~~!
「YASYA]は片割れは死んじゃうけど
救いのあるラストだからね
こっちの方がお気に入りです
続編の「イブ」はちょっと中途半端だったのが
残念だけど。。。
でも、私のお気に入りキャラは
静でも凛でもなくて
「BANANA」に出てくる
チャイニーズ・マフィアの美少年(名前、何だっけ?)なんだよ~
吉田さんは吊り目の美形が上手だわ~
東洋系を美しく書ける人って
意外といないよね~
っとちょっと驚きました~
私は気分的にはバナナ(笑)が一番好きで~
カルフォルニアを読んだ時は
雑誌掲載のタイムリーだったもんで
衝撃が大きく少女マンガかい?これ…っと
思った記憶のみで深くは覚えていあにのだ~
今度、機会があったら又、読み返してみねばの~
桜の園は怖いってなイメージが強くってね~
やっぱり高校生の時に読んだから
衝撃が強くっての~吉田秋生さんの本は
10代20代30代40代50代っと世代移行時に
読むと感想が違ってくるような~そんな気がする
奇異な漫画じゃ~なかろうか~っと思うのだ~(笑
インパクト強いな~~
この作品がきっかけとなりアメリカンニューシネマとか洋画に嵌りました。
「バナナ」はね~当時サリンジャーが大好きで(我ながら暗!)
別コミの予告編見て、絶対サリンジャーから取ったタイトルだ!
とコーフンした覚えがありますね~えへへ
ところで吉田さんの「吉祥天女」が映画化されるようで~
小夜子役が鈴木杏ちゃんって、イメージじゃないよ~
鈴木杏ちゃん、ドラマ「青い鳥」の子役のイメージが強くて・・・(古くてスマセン)
どちらかというと健康的なイメージなんだけど・・・?
残念ながら今手元に無いので随分ウロですが、横になって抱き合った時の男の人の重みと温かさに、ふっと安心する…っていうようなシーンがあって、10代の時に読んだからか、そのリアルな感覚が衝撃的だったんですが…ちなみに「カリフォルニア~」はまだ未読なんですヨ…何だか吉田さん作品、総ザラエで読んでみたくなりました。
私はやっぱり 「BANANA FISH」 かなー。「YASHA」も好きだし絵柄は「YASHA」の方が洗練されてるけど、バナナは勢いというかぐいぐい飲み込まれていくようで面白かったわー。「イブ~」 はなんか後日談のようで、3作の中ではあまりね。面白くはあったけど。
今出てる新作買おうかな~。
その節はお世話になりました~
ほんとメッチャ面白かったです!!
私ね~ちょっと前まで、吉田さん苦手だったんですよ~シャープすぎる絵とハードな内容がちと辛くて・・・あの「BANANA」でさえ一時読めなかったの~
今思えばお子ちゃまだったんだね~
次にBANANAを読んだ時は一気読みだったのよ(苦笑)
この「YASHA」と「イブ」は1日で完読!
それくらい面白かった・・・「YASHA」のインパクトが強かったので、「イブ」の方は物足りなかったのと、何よりあの静が~~~!!って状態で
最後まで顔が出なかったのはファンへの思いやりなのかもね~
すずさん
おおーすずさんは「BANANA」派なのね~
確かに「BANANA」の方が玄人好みの漫画の様な気がします
それにあの当時、少女マンガで「BANANA」の様な漫画は衝撃でしたもんね~私はその衝撃が強すぎて、つい最近のまで読めなかった口だけど(苦笑)
ほんと読めば読むほど上手い人だよなーと思います
ブックさん
私もフラワーズをちょろっとしか読んでいなかったので、全くその良さというものが判っていませんでした~
今回お借りして読んだら、もーもーもー面白くて1日で一気読みでしたよ
>カルフォルニア物語
私も衝撃でしたね~
私はだいぶ後になって文庫で読んだけど、あれをリアルで読んでいた人はかなりの衝撃だったんじゃないかな?
あの金髪の少年の最後が目に付いて離れなかったわ~
夜さん
うんうん、私も泣いたよ~
あんな幸せそうな顔の最期だなんて・・・切な過ぎました。
あれって少女マンガには珍しいことに全く女の子が出てこなかった漫画だけど、やはり名作だよね・・・。
「YASHA」もそれに続く「イブ」も必ずしも明るくハッピーエンドという訳ではないけど、それでもね・・・。
>吉田さんは吊り目の美形が上手だわ~
人物デッサンがしっかり出来ている人だから無駄な線が無く、シャープさが生きている感じがします
それが東洋人の顔立ちにも生きているのかもね
そうなのよ~漫画好きなんだけど、吉田さんって読まず嫌いだったというかつ、内容がハードで重いモノが多かったのでお子ちゃまな私には無理だったの・・・
最近かなー読むようになったのは・・・だから結構未読もあるんですよ~
>10代20代30代40代50代っと世代移行時に
読むと感想が違ってくるような~そんな気がする
あ~なんか判る感じがする
私みたいに読めなかったとか、読まず嫌いの人がある日突然として目覚めたり、その時その時の自分の周りの環境で受け止め方が変わりそうに感じがする漫画が多い感じがします
玄人好みなのかもね~
パールさん
パールさんは「カルフォルニア」派なのね~
私は最初タイトルみて、カルフォルニアと言えばオレンジが似合う青い空と青い海を連想してたので、読んでみて全く正反対の内容だったので余計に衝撃を受けた気が・・・(苦笑)
ところでサリンジャーって作家のですよね?
読んだことなくて無知なんですが。「BANANAFISH」を連想する作品があるんですか~?
>吉祥天女の映画版
私はドラマを殆ど見ないので「鈴木杏」さんという方がどんな演技をされる方なのか判らないのですが、サイトを見た感じだと可愛い方ですね~
小夜子のあの妖しさをどう表現できるか??興味ありますね~(笑)
くまさん
さすが、くまさん、渋い好みですね~(笑)
でも私の勝手なイメージですが「河よりも」がお好きなら「カルフォルニア」るお気に召すと思います~
ちょっと暗いけど(苦笑)
私も以前まで吉田さんのこの独特のハードな世界が苦手で読み始めたのはほんと最近なんです。だから未読があるある(苦笑)
言い換えれば吉田作品の良さが少し判る年に慣れたってことなかかもね(苦笑)
トミーさん
トラバありがとうございました
トミーさんの記事と吉田さんのインタビュー、興味深く読ませてもらいました
そして皆考えることは同じなんだ無ーとちょっとほほえましく思っちゃった・・・
トミーさんは「BANANA」派なんですね~
やはり玄人好みなのかしら?こっちは
私はブランカが好きでした~