「真空融接」 びっけ エンターブレイン 全2巻
全寮制の学校で暮らすラエルとアレクシの国の人間には2種類のタイプがいる。
それはエネルギーを生み続け、誰かに抜いて貰わないと生きていけない供給者と、供給者からエネルギーを与えてもらわねば生きていけない補給者。しかも力の受け渡しは唇からでなくてはならない・・・。
ふたりはこの国でも珍しい同性同士の供給者と補給者という決められたパートナー同士。でも、恋人同士ではなく・・・。
ブックさんお薦めのびっけさんの作品です。
最初ビブロスから出たせいでしょうか、カテゴリー的にはBLになるんでしょうけど、読んでいて全くそんな感じはしませんね。
むしろファンタジーの部分が強いと思います。
口からのエネルギーの受け渡しという部分が腐女子をそそりますが(笑)、なんていうか、性別を超えた「大切な人を持つ人へのメッセージ」というか・・・。
夫婦でも友人でもまた家族でも共通すると思うのですが、「一生この人と生きていく」と決めた人がいても、たまーにはちょっと気持ちが揺らぐ時があるはず・・・「あ~なんで判ってくれないのかな」とか「どうして何にもいってくれないんだろう・・・」とか。
なんとなーくそんな時、ふっと脳裏を掠めそうな漫画です(笑)
性別を超え、恋愛感情を抜きにしても、大切な人、そして一生を共に生きる人がいるという事はどんなに素晴らしいことかと思い起こさせてくれるような感覚になりますね~
最初出版したいたビブロス出版は会社が倒産という憂き目に会いましたが、下巻の殆どを書き下ろし、上下巻としてエンターブレインから出版されたという事。
こうやつて再販されるという事は結構このびっけさんの柔らかな雰囲気をお好きな方がいるんでしょうね~
アレクシの両親の恋話など作者さんも書きたかったことをギュっと下巻に詰め込んだ感じがします。もしかしたらまだ書ききれなかったエピソードがあったのかも・・・
私的にはもっと続きが読みたかったというのが感想かな。
エンターブレイン社に移ってから、新しい連載もされているようで、びっけさんのこの柔らかく温かい雰囲気がどの様に新作に表されているか楽しみです。
出たらまた貸してね(笑)