障害児の学び支え50年 京都・向日が丘支援学校

2017-11-30 08:24:48 | 護 help
 京都府長岡京市井ノ内の府立向日が丘支援学校が今年、創立50周年の節目を迎えた。肢体不自由の子どもが通う府内初の養護学校として開校。当初は府全域から子どもが集まり、最重度の障害から発達障害まで幅広い子どもの特性に応じた教育を展開してきた。施設が老朽化する中、府教育委員会は全面的な建て替えも視野に準備を進める。23日に同校で記念式典を催し、歩みを振り返る。

 向日が丘支援学校は、養護学校での教育が義務化される12年前の1967年4月に開校した。当時の学校要覧は「明るく、たくましく、のびのびと自立をめざす力と和ぐわしき友愛に満ちた学園に育てたい」と記す。

 78年に丹波養護学校(当時)が開校するまでは府全域が校区で、子どもたちが暮らす寄宿舎を設けた。79年には知的障害児の受け入れを開始。障害が重複する最重度の子どもの学びやにもなった。

 乙訓圏域障がい者自立支援協議会の事務局、能塚隆裕さん(61)は「乙訓の在宅福祉の充実を学校が引っ張ってきた」と話す。向日が丘支援学校を中心とする療育環境を求めて、乙訓へ障害児のいる世帯の引っ越しが増加。卒業後の地域生活を支える受け皿の拡大に結びついた、と指摘する。

 同校によると、現在、小学部―高等部で145人が学び、近年は発達障害のある子どもの入学が増えている。国語や数学の他、体験活動を重視した学習、コミュニケーション能力や運動機能の向上に取り組む。地域社会での自立生活を見据え、地元との交流にも力を注いでいる。

 一方、学校施設は創立以来、抜本的な改修がなく、府教育委員会は建て替えも含めた工事手法の検討や測量など準備に着手済み。府や市は、同校一帯に高齢者や障害者の福祉施設を整備する構想の策定に向けて作業を進めている。

 平岡克也校長は「18歳以降の人生の可能性を切り開き、歩み続ける力を養うことに、さらに努めたい」と話す。

 23日の式典では、節目を祝って制作した記念のロゴマークを発表し、合唱を披露する。来年2月9日の学校公開日には、子どもたちの作品を展示する他、学校の歴史を写真などで紹介する計画だ。

【 2017年11月23日 11時02分 】



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