ベッド状遺構の竪穴式住居が出土 大山崎・松田遺跡

2011-09-14 12:03:18 | 歴 history
 縄文時代-中世の集落遺跡である京都府大山崎町円明寺一丁田の松田遺跡から、底面が八角形をした弥生時代後期(2世紀)の竪穴式住居跡1基が見つかり、府埋蔵文化財調査研究センターが13日、発表した。同じ構造の住居跡は播磨地方(兵庫県南西部)で多く出土しており、センターは「この地方から移り住んだ有力者の住居だったのでは」と推測する。

 松田遺跡から弥生時代後期の遺構が出土したのは初めて。底面の八角形の1辺は各1・8メートル、面積は56平方メートル。底面からは直径16~18センチの柱穴跡七つ、壁際の4カ所からは、土を盛り上げて作ったベッド状の遺構がそれぞれ出土した。床面からは日用品の高杯(たかつき)や甕(かめ)などが見つかった。中央部で出土した土坑は側面が焼けておらず、中に多量に入っていた炭が除湿に使われた可能性があるという。

 底面が多角形の竪穴式住居跡は弥生時代後期-古墳時代初期に多く、山陰・瀬戸内地方に多く分布する。

 今回の調査ではこのほか、長岡京期を含む奈良時代末期-平安時代初期の掘立柱建物跡も出土した。八つ見つかった柱穴跡の間隔から、東西6・3メートル、南北は5・4メートル以上の大きさという。西側の溝からは、長岡京期を含む時代の土器や平瓦が大量に発見された。

 過去の調査でも近隣から同じ時代の掘立柱建物跡が出土。いずれも南北方向に広範囲に造られ、瓦が見つかっている。このため、同センターは▽長岡京域の南端 ▽離宮や貴族の別邸▽奈良時代の高僧・行基が淀川沿いに整備した港「山崎津」の関連施設▽平安時代に「長岡京南」へ移された第3次山城国府跡-の可能性があるとしている。

 現地説明会は17日午前10時半から。問い合わせは府埋蔵文化財調査研究センターの携帯電話080(5321)8666。

【 2011年09月14日 11時45分 】

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