学校訪問:特色ある活動紹介 長岡京市立神足小学校 中庭に井戸完成 /京都

2011-06-05 12:28:16 | 水 water
◇地域とつくる学びの場

 長岡京市立神足小(児童数476人)の中庭で、3年生の児童が金属音をきしませながら、手押しポンプを上下させると、ジャブジャブと井戸水があふれ出てきた。「冷たーい」。次々にわき出る水に、歓声があがった。安久井由紀子校長は「地域住民のおかげで、校内にはたくさんの環境とふれ合う教材があるんです」と話す。

 同校の特色の一つは、地域住民と連携した環境教育だ。

 同校では元々、地域住民が学校づくりに積極的に関わってきた。地域住民や保護者が学校運営に携わる文部科学省の「コミュニティスクール」に09年度、指定されたことを契機に、個別に活動していたボランティア団体が一体となり、さまざまな学びの場を校内に設けてきた。

 井戸作りのきっかけは3年前。中庭の池はほとんど手入れがされず、児童も近寄りたがらなかった。

 「一度掃除してみよう」。手を上げたのは地域住民たち。池の掃除を始めると、バシャバシャと水音が聞こえる。何かとのぞき込むと、3匹の黒いコイが見つかった。水を入れ替え、赤や白のコイを放流すると、池は児童の遊び場に生まれ変わった。

 井戸は、中庭に建設が予定されるビオトープの水源にするため、4月に完成させた。低学年でも使いやすいよう、地下数メートルにある貯蔵タンクまで電動ポンプで引き上げるものと、停電時でも使えるよう、水源から直接水を引く計2基の手押しポンプを設置した。

 同校では、敷地内の竹林でのタケノコ掘りや、高さ3メートル、全長25メートルの棚を校舎沿いに設け、ヒョウタンやヘチマなどのツルをはわせる「グリーントンネル」作りも住民の協力で実施している。地域住民の坂本豊さん(64)は「学校と地域の垣根がなくなり、子どもたちが気兼ねなくあいさつしてくれることがうれしい」と話した。【堀智行】

手押しポンプ探訪録―写真集
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