鬼山竜也の住宅業界 商売の王道

良い家づくりに真剣に取り組んでいる方々が、お客様のためにより良い仕事が出来るようになるためのヒントになれば、嬉しいです。

【4642回】 安易に建売に逃げない

2023年09月15日 | 住宅コンサルタントとして

住宅業界も他の業界と同じように

景気の波をモロに受けます。

 

昨今の物価上昇により、

富裕層を除くエンドユーザーの消費マインドは低下し、

マイホームを建てようと前向きな気持ちの方は

非常に少ない状況が続いています。

 

その結果、業界全体の着工数も、

そして住宅会社への来場や問い合わせも低下傾向。

 

時代の流れに乗り遅れている会社は、

かなり業績を落としています。

 

そして苦しくなった住宅会社が陥り勝ちなのが、

注文住宅では目標を達成できないから

建売で不足分を補う、という方法。

 

昨年から仕込んで昨年末から今年にかけて

完成した建売の多くが売れ残っており、

さすがにもう新しい建売を仕込めなくなった、

という住宅会社も増えてきている様子。

 

更に売れ残っている物件は、

バナナのたたき売り状態となっていて

当然、当初の予想利益は確保できない会社も多い。

 

すなわち、今年から来年の決算は、

かなり厳しくなる住宅会社が増えることでしょう。

 

ここ最近、それなりの規模の住宅会社の倒産が

世間を賑わしているケースは無かったですが、

来年以降、以前の富士ハウスのような例が起こるかもしれません。

 

まあ実際に、建材業界では起こっておりますし・・・。

 

そして個人的に思うのは、

業績がしんどくなったとしても

苦しい状態の時に逃げるように手を打つと

裏目となることが非常に多いということ。

 

しかも安易に建売、というのがまずい。

 

日々、経営していると、苦しい時期も必ず来ますが、

そういう時は本業から目を背けず、

基本に立ち返ることが重要です。

 

デザインのレベルUP。

性能や施工品質の改善。

標準仕様の見直し。

紹介活動の強化。

OB様への情報発信の強化。

協力業者様とのコミュニケーション強化。

接客の見直し。

他社への視察。

などなど。

 

注文住宅事業でやるべきことをやり切っていないで、

安易な方法に逃げるのは愚の骨頂だと個人的に思っています。

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