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精神薬の離脱症状に苦しむ方への一助(1)

2020-04-01 | 医療
まずはじめに

(注:精神薬を肯定し飲んでいる方は読まない方がいいです。また、精神薬を飲んでいる人もいるのに配慮せず書くのはおかしいという方。飲んでいる人がいる一方で苦しむ方も多いのです。飲んでいる人に気兼ねして負の部分を語らないことはフェアではないと思います)

事件をきっかけにはじめた某SNSをやっていた時に、多くの方が精神薬(睡眠薬、ベンゾ、SSRIなど全ての精神薬)離脱で苦しんでいることを知りました。
話を聞けば、精神科へかかったきっかけというのは、不眠だったり、ストレスでうつ状態になったり… 少なくとも精神薬を飲む前の方が明かに健康状態は良く、精神薬を飲んでから動けなくなったり、症状が悪化した方が大勢います。
そして精神薬を減薬、断薬したところ、酷い離脱症状が起きたり、断薬して何年経っても具合が悪いままという方も結構いらっしゃいました。
・良くなりたくて精神科の門を叩いたら、余計に悪化した。
・精神薬を飲んだら症状が悪化し、それまでになかった症状が出るようになった。
・薬を飲んでいる間は症状が緩和されるけれども、薬が切れた途端に症状が出る。
・医師に辛さを訴えると薬を変えられたり、薬が増えた。
・副作用ではないかと症状を訴えたら、副作用を否定され被害妄想、強迫神経症、病気が悪化したと言われた。
・精神薬を飲んでから余計に体調不良になったので医師に訴えたら、病名がどんどん変わり最終的には統合失調症と診断された(あるいは医師から口頭で聞いてはいないけどカルテにかかれていた)
・精神薬が怖いと思い減薬、断薬をしたら症状が酷くなり何年も寝たきりになっている。
・あまりに離脱症状が酷く再び精神薬を飲んだけれど、効かなくなった。
このようなパターンが非常に多いようです。 このブログは植物ブログですが、毎日のようにベンゾジアゼピンや離脱症状についての記事が読まれているので改めて書きたいと思います。
因みに精神薬をやめろ、という話ではありません。やめようと思ったり、断薬中で離脱症状が酷く、なんとかしたい、緩和したい、と思う方に読んでいただきたいと思います。
また参考にされる際は自己責任で実行してください。

ところでショッキングなことかもしれませんが、精神薬というのは”麻薬及び向精神薬取締法“にあるようにれっきとした”合法麻薬“です。 合法的に処方可能な麻薬類似品と言っても過言ではないと思います。
それなのに精神薬は副作用が出ないだとか、副作用を否定する精神科医が非常に多いです。 麻薬を飲んで錯乱したり異常になることは知られているのに、”薬“という名前がつくと途端に副作用が否定されるというおかしな状況です。
例えば有名なSSRIであるパキシルの添付文書にははっきりと“ 不安、焦燥、興奮、パニック発作、不眠、易刺激性、敵意、 攻撃性、衝動性、アカシジア/精神運動不穏、軽躁、躁病等”“ また、因果関係は明らかでは ないが、これらの症状・行動を来した症例において、基礎疾患 の悪化又は自殺念慮、自殺企図、他害行為が報告されている”と書かれているのに、いざ患者にこのような症状が出ると「副作用ではない。病気が悪化したのだ」という精神科医が非常に多いのです。
おかしいですね。 なぜ頑に薬の副作用を認めず病気の悪化のせいにしたいのでしょう。 それはおそらく副作用を認めてしまった場合、自分の処方に責任が生じると考えている精神科医が多いからだと思われます。
またうつ病や双極性障害と診断されていても、精神科医が統合失調症に適用の薬を使いたいと思えば、カルテには密かに統合失調症と書かれてしまう場合があります。
そのことが後々、不利に働くことさえあります。 (知らない間に統合失調症にされてしまう)

ところで精神科医は仮に不適切な処方をしたとしても全て患者の病気のせいにできますし、訴訟に発展したとしても精神科医が必要と認めたからと証言ないし意見書を提出すれば、裁判所はそれを鵜呑みにし、医師の裁量権をほぼ認めてしまいます。
仮にそれが薬の添付文書に記載されている最大量よりも処方量が大きく逸脱していたとしてもです。
更に不適切な処方の場合は、Pmda(医薬品副作用被害救済制度)に申請しても不支給決定となります。なぜなら支給の条件として、適切な処方というのが条件だからです。
ですから被害に遭った患者は救われないのです。

法的な話はさておき、なぜ精神薬の副作用や離脱症状が起こるのかは解明されていません。 そもそも精神薬自体、どのように脳に作用するのかも解明されていません。
ですからその作成に製薬会社が絡んでいるであろう診断基準(D-SM)や教科書、モノアミン仮説に基づいて、どの薬が合うかなと憶測で処方されているに過ぎないのです。 色々な薬を取っ替え引っ替え処方したり、カクテル処方と言われる多剤大量処方をしたりするのは、まさに当てずっぽうの手探り処方で精神科医自体、もはや何がどう作用するのかわかっていない状態です。
まともな精神科医であれば、原疾患もわからなくなるほど多剤大量処方をしないと思いますし、薬というのは精神薬に限らずですが複数処方されると、それぞれどのような作用を及ぼし合うのか判別がつかず、想定外の作用が起ることがあります。(相乗効果)
他科であれば血液検査や客観的なデータに基づき診断するところ、客観的データもなく主観に基づき薬を処方する精神科というのは非科学的な学問だと思います。
非科学的にも関わらず、“医療”として主観や当てずっぽうでデタラメな処方をされてしまう可能性が高く、何がどう作用し何が原因で副作用や離脱症状が起こるのか精神科医自体が全く理解していないために、患者を治せないのだと思います。
そして悪化すれば突き放すか、入院させ強制的に点滴や注射で患者を鎮静化させ時には拘束し、その無気力で大人しくなった様子を見て病気が良くなったと思い込んでいるのが現状だと思います。
薬で患者を悪化させ、不穏にし、副作用も認めず更に大量の薬で対処し苦しむ人を増やし、最悪の場合廃人にするか患者が死んでしまう。 精神科の患者さんは偏見もあり声を上げられないため酷い事例や事件が表に出てこないのをいいことに、やりたい放題です。
薬に頼らずサプリメントや糖質制限を勧める医師もいるようですが、この場合も医師の指示通りにして患者が改善しない場合、予想として結局は多くの精神科医と同じく“患者のせい”にしているかもしれません。
そもそも人間には個体差があり、機械ではないので同じ方法で必ず同じ結果-成功する-わけではないのです。 もし三石巌博士の本を読んでいるのならわかるはずです(カスケード理論)
そして三石巌博士自身が糖尿病にもかかわらず、糖質制限をしなかった。 医師をも知識で凌駕する、ノーベル賞受賞者も一目置く物理学者である三石巌博士が、糖質制限の是非について気づかないわけがないと思うからです。
それにも関わらず、糖質制限を敢えてせずに95歳という長寿を全うしたことの意味。 色々書きたいのですが、副作用、離脱の記事なので割愛します。


離脱症状の原因は

先程も書きましたが、離脱症状の原因、機序ははっきりと解明されていません。 ここでは仮に離脱症状は通常断薬を始めてから急性に生じるものをいい、その期間は数ヶ月〜1年程度、何年も続くものは離脱症状ではなく薬による後遺症と定義します。
離脱症状に関して良く言われていることは、体内に薬が残存しているから起るというものです。だからデトックスをして体から薬を排出すれば良い言われていますが、果たしてそうなのでしょうか。
私はこれは離脱症状の根本的な原因だとは思ってはいません。なぜなら、薬物の代謝や半減期等を考えると長期間に大量の薬物が体内に残存するということは考えにくいからです。
半減期は薬によって様々で、2週間〜4週間程度の影響はあるとは思います。また薬物代謝酵素や、代謝能力も人によって違いがあるので全く影響がないわけではありません。 問題は断薬をしても更に長期間、数週間〜長いと1年に及ぶ症状が出ることです。 この原因は体内に薬物が残っているからではなく、薬によって様々な部分-特に脳-にダメージが残ってしまっているからだと私は考えます。
これが深刻なダメージであれば断薬後、数年にわたり症状が続く後遺症となっていきます。 なぜこのような離脱症状が長期にわたり続くのか、理由は色々考えられます。
まず思いつくこととして、理由の一つとしては薬に慣れてしまい体が変化に追いつかない場合です。
ここで例えとして電気の配線を思い浮かべてみましょう。

(電気の)配線には被覆(感電しないように絶縁、カバー)がしてありますね。
この被覆が傷ついたりボロボロになったり、一部が剥がれたり、剥がれかけて不具合が出ているとします。
そこで、新しく被覆で覆うことにしました。
入手したのは欠陥品の被覆でしたが、暫くは騙し騙しなんとか使えました。
でもある日、使っていた被覆を騙し騙し使うのはやめて、リセットしようと全て除去しました。
しかし除去した後に気づきました。新しい被覆の在庫がなかったのです。
応急処置をしてみるものの、すぐにダメになりました。
そして怖いですが、新しい被覆を入手できるまで暫くは被覆なしで配線を剥き出しのまま使うことになってしまいました。
電気は毎日使わざるをえないからです。 剥き出しのままの配線はデリケートです。感電や様々な危険が伴います。
でも新しい被覆を入手できるまでは、このまま使うしかないのです。



ここでもう一度、電気、配線を神経に、欠陥品の被覆を精神薬に代えて読んでみてください。


神経には被覆(感電しないように)絶縁、カバーがしてありますね。
この神経が傷ついたりボロボロになったり、一部が剥がれたり、剥がれかけて不具合が出ているとします。
そこで、新しく被覆で覆うことにしました。
入手したのは精神薬でしたが、暫くは騙し騙しなんとか使えました。
でもある日、使っていた精神薬を騙し騙し使うのはやめて、リセットしようと全て除去しました。
しかし除去した後に気づきました。新しい被覆の在庫がなかったのです。
応急処置をしてみるものの、すぐにダメになりました。
そして怖いですが、新しい被覆を入手できるまで暫くは被覆なしで配線を剥き出しのまま使うことになってしまいました。
神経は毎日使わざるをえないからです。 剥き出しのままの神経デリケートです。感電や様々な危険が伴います。
でも新しい被覆を入手できるまでは、このまま使うしかないのです。



いかがでしょうか。なんとなく言いたいことがおわかりいただけたかと思います。
それまで精神薬を飲んで、神経を麻痺させていたものが減薬、断薬により除去され、保護もない神経が剥き出し状態になり、様々な症状が出てしまうということを言いたかったのです。
想像するのが難しい方、それでは例えば火傷をして皮膚が剥けてしまった部分を触るとどうですか。すごく痛いししみますよね。保護している皮膚がなくなるからですね。
普段使わなくて済むものはどんどん退化していきます。精神薬という保護剤で麻痺させられた神経が退化してしまっても不思議ではないですね。
それがある日、突然保護剤が取り除かれそれまであまり使う必要のなかった神経が剥き出しの状態になったら、ちょっとした刺激にも耐えられず過敏になってしまったり
人間の体はホメオスタシスがありますので、体が元の状態に戻ろうとしたりパニック状態になってしまうのではないかというのが私の考える離脱症状についての一つ目の仮説です。
いわゆる反跳作用のことです(リバウンド現象)

二つ目の仮説としては、脳、内分泌等の異常です。
精神薬というのはHPA軸(視床下部-下垂体-副腎)に影響を及ぼすという海外の論文を過去記事でご紹介しました。
当然のことながら、HPA軸に影響を及ぼすということはホルモンの異常をきたし、体のあちこちに影響を及ぼすことになります。
ホルモンの解説はここで詳述は避けますが、例えば近年明かになった精神薬で目が異常に眩しいなどの症状“ベンゾジアゼピン眼症”も視床下部がダメージを受けるからだと眼科医が発表していますし、精神薬を飲むと高プロラクチン血症は比較的見られますが、これも脳下垂体からプロラクチンというホルモンが過剰に分泌されることが原因です。多飲も比較的見られる症状ですが、SIADH(抗利尿ホルモン不適合分泌症候群)も下垂体のバソプレッシンというホルモンが関係してきます。
更にパーキンソン症候群(アカシジア、ジスキネジア)など錐体外路症状も出ます。このことは精神薬が神経原性変化を起こし、HPA軸のみならず脳の中脳、黒質などに影響を及ぼしている可能性が示唆されます。

(2へ続く)


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