ジャムが逝った日、悲しみの器に大きな氷が落ちてきて、とめどなく涙が溢れてしまった。氷からどんどん溢れていた悲しみが少しずつ少なくなったけれど、それでも不意に器が揺れると簡単に溢れてしまう。大きな氷は簡単には溶けないし、氷が溶けた場所は埋まらずに、ぽっかり寂しさが残っている。2週間前は隣で寝息を立てていたジャムの為に供えたアレンジメントが枯れるのが諦めきれなくて、近所のスーパーで切り花を2つ購入し、ひっくり返したオアシスに盛り込んでみた。
花の癒し効果は予想以上に大きくて(当社比)かなり気分が落ち着いた。つい気分が沈んでしまうので、予防のために自分の好きな献立で食事を作っている。多少の手間暇は厭わず(むしろ歓迎)料理に集中していると気が紛れるし、節約しながら工夫して作るのもゲームのようで楽しい。好きなものを食べて、連れに美味しいと言われると少し元気になれる。ジャムの世話に追われていた時、色々と制限してしまう事はジャムが死ぬのを待っている事と同じかもしれないと思って、出来るだけ普通に過ごすようにした。そして今も、できるだけ変わらず過ごすよう頑張っている。
昨日は雪の降る中、久しぶりに図書館に行った。帰りに見かけた花壇のスミレが春の兆し。もう少しだけ、冬でいてほしい。