天皇陛下の靖国神社御親拝を希望する会会長

日本人の歴史認識は間違っています。皇紀2675年こんなに続いた国は世界の何処を探しても日本しかありません。

半藤一利を考える

2016-07-19 12:03:37 | 時事

東京大空襲では逃げまどい中川を漂流し、死にかける体験をしたという。少なからず戦争と終戦を実体験した世代はその強烈な"経験"が私的なルサンチマンとなって(現在で言う所のトラウマ)、後の人生を大きく左右することは珍しくない。

半藤氏の作家としての地位と才能を否定する積りは毛頭ないが、彼の歴史観、特に戦争史、昭和史が少なからず憎悪とまでは言わないが、私的ルサンチマンが影響を与えてしまう事は逃れようのない事実である。

その実体験が壮絶であればある程、同世代と戦争を知らない世代の歴史観は一定の距離観で乖離していくことも否定しない。

つまり、平和に対する重みと願望が昭和史、戦争史にある種のイデオロギーが混じり込み少しづつ客観性を変質させていく。

簡単に言えば戦争を知らない世代と体験した世代では戦争への拒絶反応や憎悪を強く持つ事は極めて当然であるが、歴史家は冷酷な客観性が求められ、イデオロギーの脚色を加えた時点で単なる作家になってしまう。

半藤氏の人気と意図的にその域を出ないのは私的ルサンチマンと平和への強い願望があるからである事も理解出来る。

山崎雅弘氏の引用した半藤氏の生前退位に関するコメントをもう一度見てみよう。

【半藤氏】『"生前退位"のご意向が天皇陛下にあるとすれば、国民一人ひとりが、皇室のありようと国のかたちをどうするか、しっかり考えて欲しい、というメッセージではないでしょうか』

【批評】メッセージと取ることは可能だが、そもそも宮内庁或いは宮内庁長官は否定しており、メッセージであって欲しいとの願望とも言える。



【半藤氏】『「陛下も(自民党改憲案を支持する人々が望む)元首としての天皇などという戦前の姿に戻ることは、およそお望みではないと思います。』

【批評】対自民、反自民を意識して、つまり国家元首となることに反対の意を唱えつつ、陛下の気持ちを勝手に決め付け利用している。



【半藤氏】『国民に敬愛され、信頼され、緩やかに日本をまとめている現在のあり方こそが、天皇制の長い歴史の中で、伝統であり、本来の姿であるとお考えであると思います」』

【批評】この部分はほぼ正しい事を述べているが、ここでも本来の姿を決め付けお気持ちを勝手に代弁している。


結局半藤氏の言いたい事は戦前のものは全て悪、自民党の改憲草案、改憲には反対との願望を陛下を利用して言いたいだけなのである。