人間宣言、富田メモが誤訳またはニュアンスの違いであることがお分かり頂けたと思うが、これら過剰な反応と宮内庁長官のメモからの推測とは異質の「生前退位」が先日、宮内庁関係者とNHKのスクープとして大々的に報道され、新聞各社が一斉に補足と現状を後追いとして報じた。
この発表の狙いはマスメディアの言う国民に広く
公務の負担軽減の理解を促す為のもの、以外にもあるのでないかという疑義があげられる。
人間宣言は詔の題名、タイトルとして、富田メモは天皇に非常に近い者のメモとして、関係者が亡くなった後に、そして今回の生前退位はご存命でありながら退位の話である。
明治より、途切れることなく天皇不在の期間がないように、また天皇の譲位が強制されて政治的混乱を招いた時代があったことなどを理由に、皇位の継承は天皇の崩御に限られるとすることが、旧皇室典範から現在の皇室典範に受け継がれている。
この生前退位の問題は通常であれば天皇の政治的発言は憲法上内閣の助言と承認が必要であり、それが身体を思い遣るといった良いことであろうと手続き上関係者が漏らしNHKが報道することは憲法違反かそれを誘発する行為であり、あってはならないことである。
日経新聞が「天皇陛下の生前退位「認めるべき」77% 」本社世論調査、この様な記事を掲載した。生前退位などという造語の問題を理解した国民がそんなにいるとは俄かには信じられない。
日本国憲法第七条 「天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。」であり、その一項は、「憲法改正、法律、政令及び条約を公布すること。」とある。
参院選で憲法改正の発議可能な状態になった自公政権、これに水を差す結果となった退位問題はその妨害工作に天皇陛下を政治利用する形となった。要するに、憲法改正を最終的に行う主体を退位させようとする護憲派の最終究極的手段が生前退位という事になる。
このタイミングでスクープとしてNHK、新聞各社だけが熱狂し国民を誘導する、しかも皇室を自分達のイデオロギーに有利に政治利用することは極めて見え透いた稚拙な手段であると共に、安倍政権の保守ナショナリズムの復活を抑えられない戦後レジームの断末魔と表現することは吝かではない。