6年ぶりの海。

毎年海水浴に行く海がある。
北陸の海。

砂浜ではなく、人のいない岩場が我が家の海水浴の定番。
毎年、家族で出かける。
もちろん、あの年もまいこも一緒に出掛けた。










無邪気にはしゃぐ麻衣子。
当たり前に家族と過ごす麻衣子。

その日私は普通にビデオカメラを回してた。
楽しげなみんなの姿と、楽しげな私の声が収められている。

その海に・・・なぜ行くことが出来るのか・・
あれから、あの海には行けない。

昨年のお盆・・
まいこを感じることのできるRくんが伝えてくれた。


いつもみんなで行った福井の海に
みんなで行きたい。

あの海でみんなの笑う顔が見たい、と。


随分、迷って・・それでも昨年の夏はどうしても行くことができなくて・・
今年、やっと、
1年かかってあの海に行こうと自分たちに言い聞かせた。


日曜日はお休みではない長男くんも休みを取った。
お姉ちゃん家族ももちろん一緒。
長男君の彼女も誘った。

いつも海のいつもの場所。

いつものようにテントを張って、
いつものようにバーベキューをして、

みんなはいつものように海を楽しんだ。
泳いだり、潜ったり、魚を捕まえたり・・・・












あの最期の夏と同じように私はビデオカメラを回した。
レンズ越しに、姿の見えない麻衣子を感じた。

必ず、まいこもみんなと楽しんでる。
そう信じて私も楽しんだ。

それでいい。
みんなの笑顔が見たいと言ったまいこの願い通りみんないい笑顔だった。

長男くんと次男くんの無邪気な笑顔。
お姉ちゃんやお孫ちゃんの楽しそうな声。
長男くんや彼女の笑顔。

思いきって行ってよかった。

あの日と同じようにお魚市場に寄った。
さすがにあの日と同じように海鮮丼を食べることはできず、
海鮮をたくさん買い込んで、賑やかにお家で海鮮丼をした。

まいちゃん、あなたも一緒よね。
うん、一緒。

パパも何も言いはしなかったが、
まいこをおもっていたに違いない。

まいちゃん、楽しかったよね。


だけど、やっぱり切なくて私はみんなが見てないところで泣いたよ。