集団の行動は、個人の行動に比べて、原始的かつ未成熟なレベルにある。p262
なぜなのか。その一つの答えは「専門化」という問題にある。p263
集団の中の個人の役割が専門化している時には、常に個人の道徳的責任が集団の他の部分に転嫁される可能性があり、また転嫁されがちである。…集団全体の良心が分散、希釈化され、それが存在しないも同然となる。p264
人間という有機体組織は、長期のストレスに反応して退行する傾向がある。p268
退行の他に、「防衛」というメカニズムもある。これは「精神的まひ」と呼ぶ人もいる。p268
自分の苦しみに対して無感覚になれば、他人の苦しみに対しても無感覚になれる。侮辱的な扱いを受け続けていれば自分自身の尊厳に対する感覚を失うだけでなく、他人に対する尊厳の感覚も失う。切り裂かれた死体を見ることが気にならなくなれば、自分で死体を切り刻むことも気にならなくなる。p269
人間はストレスを受けている時の方が、快適に過ごしている時よりも悪に走りやすい。p270
真の意味での善良な人とは、ストレス下にあっても、自分の高潔さ、成熟性、感受性、思いやりを捨て去ることのできない人のことである。p271
人間の偉大さを計る尺度の一つは苦しみに耐える能力である。p271
軍隊というものは、その使命の性格からして、集団内の個人の自然発生的退行依存を意図的に助長しこれを育てている。p273
集団ナルシシズム、集団のプライドを高める方法 外敵を作る p274
邪悪な個人は自分の欠陥に光を当てるすべてのものや人間を非難し抹殺することによって、内省や罪の意識を逃れようとする。集団の場合も同じ。p275
専門家集団というものは、偶然によって生まれたのではなく、自己選択と集団選択の結果生まれた。p277
精神科医の会議に出席して、服装、言葉遣い、動作、独特の理屈っぽさを観察すれば彼らがまさしく特殊な種類の人間だという結論に達するものと思う。p277
徴兵されるよりも志願して軍に入る方を選んでいた…p278
志願したものには、即時転任、即時賜暇、特別賞与が保証されていたp279
われわれの社会がそうした役割を果たすための訓練を彼らにほどこし、それを実行するための武器を与えたのである。p281
志願兵だけがベトナムに送られていた頃は、アメリカの大衆はまだ目が覚めていなかったのも当然であった。p283
専門家集団を作るときは「自分の左手がしていることを右手が知らない」という状態になる危険性は常にある。p284
私が提案するのは多目的国家奉仕隊である。p292
つまりうそをつくということが、悪の根源であり、悪の発現だからである。われわれが邪悪な人に気づくのはひとつには彼らのつく嘘によってである。明らかににジョンソン大統領は自分がベトナムで行おうとしていることを国民が完全に知り、理解することを望んではいなかった。…なぜ国民が目を覚ますのが遅かったのか。…ここでもまた怠惰とナルシシズムに直面する。p298
邪悪性とは殺しに関係するものだ…つまりevilはliveに対立するものである。p300
なぜなのか。その一つの答えは「専門化」という問題にある。p263
集団の中の個人の役割が専門化している時には、常に個人の道徳的責任が集団の他の部分に転嫁される可能性があり、また転嫁されがちである。…集団全体の良心が分散、希釈化され、それが存在しないも同然となる。p264
人間という有機体組織は、長期のストレスに反応して退行する傾向がある。p268
退行の他に、「防衛」というメカニズムもある。これは「精神的まひ」と呼ぶ人もいる。p268
自分の苦しみに対して無感覚になれば、他人の苦しみに対しても無感覚になれる。侮辱的な扱いを受け続けていれば自分自身の尊厳に対する感覚を失うだけでなく、他人に対する尊厳の感覚も失う。切り裂かれた死体を見ることが気にならなくなれば、自分で死体を切り刻むことも気にならなくなる。p269
人間はストレスを受けている時の方が、快適に過ごしている時よりも悪に走りやすい。p270
真の意味での善良な人とは、ストレス下にあっても、自分の高潔さ、成熟性、感受性、思いやりを捨て去ることのできない人のことである。p271
人間の偉大さを計る尺度の一つは苦しみに耐える能力である。p271
軍隊というものは、その使命の性格からして、集団内の個人の自然発生的退行依存を意図的に助長しこれを育てている。p273
集団ナルシシズム、集団のプライドを高める方法 外敵を作る p274
邪悪な個人は自分の欠陥に光を当てるすべてのものや人間を非難し抹殺することによって、内省や罪の意識を逃れようとする。集団の場合も同じ。p275
専門家集団というものは、偶然によって生まれたのではなく、自己選択と集団選択の結果生まれた。p277
精神科医の会議に出席して、服装、言葉遣い、動作、独特の理屈っぽさを観察すれば彼らがまさしく特殊な種類の人間だという結論に達するものと思う。p277
徴兵されるよりも志願して軍に入る方を選んでいた…p278
志願したものには、即時転任、即時賜暇、特別賞与が保証されていたp279
われわれの社会がそうした役割を果たすための訓練を彼らにほどこし、それを実行するための武器を与えたのである。p281
志願兵だけがベトナムに送られていた頃は、アメリカの大衆はまだ目が覚めていなかったのも当然であった。p283
専門家集団を作るときは「自分の左手がしていることを右手が知らない」という状態になる危険性は常にある。p284
私が提案するのは多目的国家奉仕隊である。p292
つまりうそをつくということが、悪の根源であり、悪の発現だからである。われわれが邪悪な人に気づくのはひとつには彼らのつく嘘によってである。明らかににジョンソン大統領は自分がベトナムで行おうとしていることを国民が完全に知り、理解することを望んではいなかった。…なぜ国民が目を覚ますのが遅かったのか。…ここでもまた怠惰とナルシシズムに直面する。p298
邪悪性とは殺しに関係するものだ…つまりevilはliveに対立するものである。p300