1997年の『近代画説』6に載っている青木氏の論考、面白い。
その中に書いてあることをここにメモしておくが、この論考自体、短いものだから未読の学芸員は必読と言っておく。
私のように何度読んでも忘れてしまう人もいるだろうから、ここに自分のためのメモだが、公開してみる。
・露伴の骨董談、魯庵のにせものづくりの話が面白い。
・湯浅半月『書画贋物語』(大正8)
・佐々木三昧『書画骨董 偽物がたり』(昭和12初版)洋画の話がない
・昭和31年、神奈川近美での「ほんもの・にせもの展」
・滝川太郎製の、いかにも日本人ごのみしそうなにせものの所蔵家久保貞次郎
・三杉隆敏『真贋ものがたり』
この本に限らず、野間清六『にせものほんもの』、栗林茂『画商』、白崎秀雄『真贋』など結論は八卦見に近い
・本当の鑑識は狩野亨吉が目指したもの
『狩野亨吉遺文集』所収の「科学的方法に拠る書画の鑑定と登録」、鈴木正『日本思想史の遺産』、杉山二郎『真贋往来』に要約あり
・多くが偽物になり狩野への鑑定の注文は少なかったという
・久保貞次郎『絵画の真贋』
・雅邦には同大、同構図の印刷に近い自身の絵がある
・博物館・美術館で展示され、美術誌に出ると疑心を持つ者も公言できなくなる(これは当ブログ執筆者にも思いあたることがある)
・依頼者との関係で公開されないこともある(これもある)
・フィリップ・モウルド『眠れる名画』1996 岩淵訳