一人で作っているとは言え、部材の調達や塗装の乾燥待ちの都合で、望遠鏡は上部と下部別々に進行している。間もなく上部構造も完成する段階まで来た。そこで必要になってきたのが、この望遠鏡の名前とエンブレムだ。数ヶ月悩みぬいた末、名前は『かぐや姫』と決まった。エンブレムにはまだ幼い姫の姿を描き込んだ。月に群雲の着物、ウサギの打ち掛け、背景は竹林とした。
主鏡を支える18個のスタビライザーと鏡の周囲を均等に押さえるベルト。それとセンターリングをつなぐトラス。すべてがマンションの台所で組み上げられた。
鏡は早い段階で届いていたが、それを支える構造はホームセンターで入手できる部材を手にしてから設計に入る。完成が何時になるか分からないため、主鏡には鏡面の錆止めと保護のために透明アクリルの円盤が載せられている。
鏡は早い段階で届いていたが、それを支える構造はホームセンターで入手できる部材を手にしてから設計に入る。完成が何時になるか分からないため、主鏡には鏡面の錆止めと保護のために透明アクリルの円盤が載せられている。
見たい。空のかなたを…
彗星の巣、カイパーベルトは無理でも、せめて近場の惑星を、小宇宙を、よりくっきりと。
そんな思いで始まった望遠鏡作り。
口径45センチの反射鏡はアメリカのメーカーに研磨を依頼した。F値は5.5。望遠鏡の焦点距離は長いほうがいろんな点で有利だ。しかし、自作での強度を考えるとあまり長くは出来ない。2メートル47センチはぎりぎりの長さだった。
設計から始まって部品を一つ一つ手作りし、組み上げていく。工房は小さなマンションの一室。建物は幸い、多少の音が漏れても迷惑の掛からない構造だったが、それでも深夜に思わぬ音が出ると気が引ける。
そんなこんなで2年の歳月が流れた。
彗星の巣、カイパーベルトは無理でも、せめて近場の惑星を、小宇宙を、よりくっきりと。
そんな思いで始まった望遠鏡作り。
口径45センチの反射鏡はアメリカのメーカーに研磨を依頼した。F値は5.5。望遠鏡の焦点距離は長いほうがいろんな点で有利だ。しかし、自作での強度を考えるとあまり長くは出来ない。2メートル47センチはぎりぎりの長さだった。
設計から始まって部品を一つ一つ手作りし、組み上げていく。工房は小さなマンションの一室。建物は幸い、多少の音が漏れても迷惑の掛からない構造だったが、それでも深夜に思わぬ音が出ると気が引ける。
そんなこんなで2年の歳月が流れた。