宇宙(そら)に続く丘

プレリュード小学校1年C組のしりとりちーが案内する宇宙への道
みかんの丘は不思議へ通じるワームホール

旅人は杉の木の向こう

2013年12月08日 00時47分38秒 | 

期待のアイソン彗星は太陽への接近で砕けて融けてしまった。しかし、ぼんやりとした塵の尾だけは見られるかも知れない。そんな淡い期待があった。また、そのすぐ脇でもう一つ明るさを増しているほうき星がある。ラブジョイ彗星だ。
パソコンの天体シミュレーターを開いて二つの彗星の位置を確認した。アイソン彗星の名残は今へび座にいる。曙の薄暮の中だ。これでは見えるかどうか分からない。しかしラブジョイ彗星はかんむり座の10度ほど北。こちらはもう昇っている。空はまだ暗いから、これなら狙えるかも知れないぞ。うしかい座のアークトゥールスを頼りにかんむり座を探そうとして唖然とした。求める空の旅人は高い木立の向こうなのだ。

竹取庵の東には、みかんの風よけのために植えられた杉の木がある。見晴らしのいいみかんの丘で、数少ない障害物の一つだ。かんむり座は事も有ろうにその木にすっぽり隠れていた。選りによってなぜあそこ…
小型の赤道儀を組み立てて見える所まで移動しようかとも考えた。しかし、そんな俄仕立てがうまくいくとは思えない。待とう。それしか無い。ただ、夜は次第に明けてゆく。すでに東の山の端はぼんやり明るかった。焦る気持ちを抑えながら待つことおよそ50分。杉の木のてっぺんの右端にかんむり座のα星アルフェッカが見えた。10センチの双眼鏡をその左に向ける。見えた。ようやく求めるほうき星がみかんの丘に現れた。急いで赤道儀に取り付けていた大きいほうのカメラに火を入れる。焦点距離100ミリ、カメラ感度3200、絞り解放の4、露出40秒。何とか捉えた空の旅人。

杉の上の薄明るい空でしっかりと尾を引いている。この後ズームいっぱいの300ミリで撮影したが、ガサガサと構図をいじっているうちにフォーカスリングが動いたらしい。帰って拡大してみるとピントがぼけていた。

このズームレンズはかなりの安物で、リングがすぐに動いてしまう。やれやれ、毎回ピントを合わせるのは基本中の基本。この彗星の撮影も宿題になってしまった。

後片付けの最中に夜が明ける。明け行く空でアイソン彗星を探したが、結局どこに居るか確認できなかった。

 

コメント (1)
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