宇宙(そら)に続く丘

プレリュード小学校1年C組のしりとりちーが案内する宇宙への道
みかんの丘は不思議へ通じるワームホール

お題は「星空の雨傘」

2016年08月08日 01時09分42秒 | Weblog

今年も天文教室の日がやって来た。元々は世界的なコメットハンターだった故本田実さんの観測所が有る岡山県吉備中央町で、観測を継続させてもらうお礼にと始めた観望会だった。やがて星が見えない時の用意に観望会前の天文工作を始める。担当は言い出しっぺの僕。
子供たちの頑張る姿を見るのが楽しい天文工作だが、毎年春先になると何をしようかと苦しむ。今年思いついたのはプラネタリウムのアイデアからひねり出した「星空の雨傘」だった。傘を開くと観望会の夜8時の星空が広がる。しかしアイデア先行のプログラムは、形にするに従って材料代もアイテム数も過去に比べて大きく膨れ上がった。ここまでの参加費を出して来てくれる人なんかいるだろうか。不安に思いながら募集をかけたが、地元の小学校が一枚加わった事も有って思わぬ盛況となった。在校児童60人余りの小学校で三分の一を超える子供が保護者とともにこのフロアーに集まる。

金網と歯ブラシでアクリル塗料の天の川を描き、穴を開けた星の型紙に黒の油性マジックで星のポジショニングをする。果たして小学生に出来るだろうか。途中で放り出さないだろうか。そんな心配も杞憂に終わる。子供たちはまる3時間、おしゃべりも無く黙々と星を貼り続けた。日暮れまでにはほぼ全員が夏の夜空が広がる雨傘を完成。みんな達成感を顔に表していた。

休憩の後会場を小学校の校庭に移して望遠鏡を広げる。45センチニュートン、28センチシュミットカセグレン、15センチと10センチの双眼鏡。準備ができる頃に地区の人たちが子供連れで集まって来た。今年は本当にコンディションの良い夜空が無かった。なのに今夜に限って鮮やかな星空が頭上に広がる。それは昼間に作った雨傘の内側に描かれたままの光景だった。



本当は毎日の仕事と天文教室の準備で疲れ切っていたが、薄暗がりの中で聞こえる歓声を耳にすると、さあ来年はどんな教室にしようかと、気持ちだけが先に走っている自分に気付く。

 

宇宙(そら)に続く丘ホームページ :http://taketorian.org/

コメント (2)
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