一昨日昨日に続いて今日も。これほど続けて丘に上がるのは本当に久しぶりだ。昨日雨を降らせた寒冷前線が東に移動して、西日本を移動性の高気圧が覆い始めていた。今夜は晴れる。今日こそはベテルギウスを撮ろう、そう思って大きなカメラを持ってきた。とは言え、主砲かぐや姫は最初のスズメバチ騒動でボロボロにされて今は分解休止中。20センチ赤道儀を使うつもりで観測デッキに上がった。
手間のかかるデッキ内の錆止め塗装を4割ほど終えたところで、赤道儀に掛かっていたカバーをはがした。もともと100均で買った安物の自転車カバーを流用したものだったが、何か月も屋根の妻が開いたまま太陽や潮風にさらされて風化してしまい、ボロボロに裂けていた。そのカバーをはがして最初に目に入ったのが8センチ屈折鏡のフードの中で死んでいるカマキリだ。越冬しようと思ったのだろう。こんなところに入り込むのはやめてほしい。
やれやれ、とりあえずレンズにダメージはなさそうだ。赤道儀は丈夫だろうか。そう思いながら恐る恐る電源を入れたが、やはり入らない。むき出しになった電源ユニットがアウトのようだ。あれこれチェックしてみると、この8センチに取り付けていた自動追尾用の小型カメラも内部の回路が潮風で腐食したのかうんともすんとも言わない。よく見ると赤道儀本体の各コネクターも腐食している。これはだめだ。この赤道儀は分解してメンテナンスをしてからでないと火を入れられない。仕方が無い。今日は持ってきた農業用の大きなカバーをかぶせて分解作業を後日に回すことにした。
そうこうしているうちに日暮れの時刻。オリオン座の南中は午後7時ごろだ。観測デッキでの撮影をあきらめて、カメラ用の三脚を持って外に出ることにした。