オリオンの三ツ星の左上に淡く光るガスの塊がある。M78だ。望遠鏡の光軸調整はいまひとつ完全なところまで追い込めなかったが、とりあえず星を撮ってみたいという願望のほうが先に立って筒先をオリオンに向けた。望遠鏡の何をどういじったのかと言うと、20センチ望遠鏡の筒の口に付いている小さな鏡を支えるスパイダーと呼ばれる支えの棒を、薄い金属の板のものと交換したのだ。うまくいけば明るい星から出ていた4本の角が細くなって画像が鮮明になる。今回はそれに加えて、筒の奥にある主鏡の縁にも黒いリングを入れて見た。その結果が早く知りたかったのだ。
そこで最初に狙ったのがM78だったという訳だ。この星雲は以前ピントが動いてうまく撮影できなかった曰く付きの星雲だ。M78と言えばウルトラマンの故郷として有名だ。この星雲の中にある、地球の60倍の大きさの惑星がウルトラの星というわけだが、残念な事にこの星雲は星間ガスの集まりで、ここにあるのはみんな生まれたばかりの星たちだ。だからここにウルトラの星は無い。実は原作者はウルトラの星をM87と設定していたのだが、台本の印刷屋さんがM78と誤植してしまったという裏話がある。
それはさて置き、薄もやのお陰で長時間露光が出来ない分星雲も薄くしか写らなかった。しかし、確かに星は小さく写っている。星雲のディテールも前よりはよく出ている。ただ、光軸のわずかなズレが仇となってひずんでしまった。冷えてきたし、細かな調整は次の機会と言うことにして置こう。
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