後ろ髪を引かれる様に離れたみかんの丘。ところがそれから車で20分も走らないうちに空はどんよりと曇ってしまった。まるで、僕が居る間やっと持ちこたえていた様な星空だった。
その翌日、天気は何とか回復したが夜に星を撮れる天気とは言えない。あきらめて今日は昼間に工事をするだけにした。それにしても今年のみかんは単に裏年と言うのには辛過ぎる。この写真を見ると結構生っている様に見えるが、写っている黄色い実は全部ネーブルだ。普通のみかんの木にはほとんど実が無いが、それだけではない。日照りに耐えかねて枯れた古木も少なくないのだ。ここを天文台の設置場所に選んでずいぶんになるが、こんなにひどい年は初めてだ。どうぞこれ以上みかんの木が枯れませんようにと、申し訳程度の肥やしを遣りながら祈るだけだった。
後わずかで今年も終わる。母ちゃんを失い、みかんが枯れ… ひどい1年だった。それでも竹取庵は少しずつ完成に向かって工事が進んでゆく。よく人に聞かれる。「完成はいつですか。」それは僕にも分からない。
(´・ω・`)