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なかなかうまく行かない魚眼撮影に手こずっているうちに日は次第に暮れて行った。観測デッキに上がったものの、さて何を撮ろうかな。靄の中で選べる被写体は限られる。星雲はとても無理だろう。また頭上に輝く木星も、以前土星で失敗したような泥だらけの画像になる気がする。そこで無難に真南に居るオリオンを狙う事にした。
赤道儀に載せたカメラ雲台に大きいほうのカメラを取り付け、レンズをワイドいっぱいの28㎜にして「荒くれの狩人」に向けた。魚眼の画像ではまだ南中していなかったこの星座が、カメラを向けたときには真南より少し西に傾いている。西にある街明かりを受けて、星座の右半分が赤い。
どうかな。カメラ感度1600、絞り3.5、露出3分。モニターに現れた画像は真っ白。これではだめだ。露出を3分の1に縮めて撮り直し、画像処理をかなり加えたのが上の写真だ。これではまるで、塵にまみれた狩人のブロマイド。プライドの高いオリオンはきっとこの写真をお気に召さないだろう。
それでもと、試しにカメラを8センチ屈折に繋いで炎星雲を撮ってみた。露出5分でやっぱり真っ白。仕方なく、露出4分と3分の写真を画像処理して重ねたのがこの写真だ。
頑張って画像処理してみても、元画像に無い星雲は浮き出て来ない。澄み切った空なら15分シャッターを開いてもかぶらないと思うと寂しくなる。これでは炎も消え入りそうだ。せっかくの月の無い夜なのに。
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