秋の空 釣瓶落としの夕陽かな
本当に秋は陽が沈み始めると速い。そして瞬く間に暗くなる。ところどころに雲が残っているが、まあこれもそのうち消えてなくなるだろう。さあ何を撮ろう。とりあえずごにょごにょと星がいっぱい出てくる前に赤道儀の極軸を合わせておかなくては。それにしても冷えるぞ。まだ9月なのに。
頭の上には天の川。上流にどっぷりと白鳥が浸かっている。そうだ、ペリカンを撮ってみよう。ペリカン星雲は白鳥のお尻。デネブのすぐそばにある散光星雲だ。このあたりは星の元になるガスがたくさん塊っている。そのガスの中の水素が放つ赤い光がペリカンの形をしているという。ペリカン星雲という名はもちろんその形からきている。そういえばそんな風にも見える。写真の右下二つの明るい星に挟まれた赤いモヤモヤがそうだ。目が有るし、くちばしも有るし、頭の後ろの逆立った毛もペリカンのようだ…が、なんとなくペリカンの骸骨のように見えなくもない。と言ったら叱られるだろうか。直径は満月のほぼ倍。お隣りに有る北アメリカ星雲はあまりにでかすぎて僕の20センチニュートンでは入りきらなかった。
久々にコンピューターに火を入れて、望遠鏡にカメラをセット。ガイド鏡を生かして… あ、手順を忘れかけている。そういえば長い間星雲なんか撮っていなかった。苦笑いしながら何とかコントローラーをデスクトップに張り付けて撮影を始めた。
僕のカメラは星の撮影専用では無い。だから赤色に特化した天体カメラのような色は出ない。カメラの回路が、目で見た通りに見えるよう補正を掛けるし、赤外領域はカットしてある。どこまで写るかな。露出を8分、10分、12分、15分と変えながら4枚。光害カットフィルターは入れているが、空にはまだ昼の明りの名残りが少しあるようだ。15分が限度。埋もれた星雲を、画像処理で無理やり出してみた。苦しいかな。とりあえずこれが天の川を泳ぐ「ペリカン星雲」です。
それにしてもまだ星が流れている。どこが悪いのだろう。
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