文明化重視から文化再生へ、日本の文化の根源を支える、生業(なりわい)。その再構築にIT技術の導入を

ふゆみずたんぼで生態系保全農業。商工業はIT生産技術。出版はXMLフオーマット、フルバッチ制作で再構築を.

オンデマンドの加速度的な普及が始まっています

2007-04-04 23:18:44 | 組版プロの思考からXMLを考える
 東京都心にオフイスを構えている印刷・組版会社の間では、いま、オンデマンド系の印刷機器の導入が始まっています
 先攻した会社先では、引きも切らない顧客の訪問される風景が見られます。
また、インターネットを介しての受注も膨らんできていると同時に、今までではとても取引が開始出来なかったような大手クライアントをはじめとして、新規の取引がとても活発になってきたとのことです。
 これには東京都心(中央区や千代田区、港区)のオフイス街に所在することが良く、場所をとても選んでいる模様です。
 オンデマンドメーカとしては、冨士ゼロックス㈱がとても強く、大きく先攻しているようです。複写機の㈱リコーも、IBMのこの印刷分野の事業全体を買収しているように、いまではコピー機器メーカというより、世界一の印刷機メーカとして名を売り出しています。
 この2社が中心になって、これから大きなサービスとしての市場が形成されていくと考えられています

日本の文化 これからのコンテンツ(6) 文芸書版のコンテンツ作成

2007-04-04 23:03:48 | 組版プロの思考からXMLを考える
2007-4-6
 日本語の組版とは、日本語の抱える問題点を抜きにしては考えられません。
 その1として、自分たちの都合だけを考えて、「欧米系」組版ソフトウェアの環境を、印刷会社に押し付けてしまいつつある一部の出版社内の方々の考え方に、パートナーとしての短絡的すぎる課題が生じている事はっきりとしてきました。
 それは、修正なしの責了を前提とするワンライティングを原則とするDTP環境(後刻の修正は大変で、作業現場では深刻なコストアップを招く)の前提条件をクリアされないまま、いままでの商習慣で印刷会社に仕事として押し付けてしまう結果を招いている出版社側の感性が理解しにくいと思っています。

 その結果もあって、意図に反してWEBへの投資を必須とされる出版社にとっては、現場の非効率を産み出してしまい、印刷会社の体力を奪い、WEBへの投資機会を喪失する結果を招いているのではないでしょうか。

 効率的に、低価格で高品質の大量コンテンツを、生成する社会的な責任を負うべき印刷会社側でも、DTPの導入の結果として、フルバッチの仕組みを喪失してしまいかねない事態は、結果としてWEB用のコンテンツそのものを誰も制作出来ない環境を、業界全体に産み出してしまう結果となって来ているのではないでしょうか

 いま、改めて必要なことは、出版社にとっての最大のパートナーは印刷会社です。そこで、建設的に、コンテンツを生成出来る、生産会社を創出しなければなりません。
 それを怠ると、結果として、投資の量的にも質的にも最も損失を被るのは出版社であろうと考えられます。

 改めて、現在の事態を冷静に沈着に考えるべき段階と理解すべきです。


日本の文化 これからのコンテンツ(5) 出版社の文芸書等のコンテンツ

2007-04-04 22:38:44 | 組版プロの思考からXMLを考える
2007-4-6
 日本では文芸書等のコンテンツ産業がなかなか立ち上がれていません
なぜ、肝心の出版社でコンテンツが大量に出来ないのでしょうか。携帯等の画面が小さすぎて読めない、縦組みが苦手、市場の未成熟等が指摘されていますが、
 それと同時にこれからの優れたコンテンツは、100%XMLで、しかもフルバッチで作成されると言うことが関係していると思われます。
 ここ4~5年、DTPが全盛となって、フルバッチ組版を否定してしまう流れが色濃く、結果として印刷会社の組版の現場が手作りのDTPメンバーばかりで構成される事態を招いてしまっている会社が増えています。
 印刷会社側がここ5~6年、デザインの世界、感性を重視したものつくり。DTPという手作業をベースにした制作環境を強化してきたことがあります。

 出版社から考えると、WEB上へのコンテンツ作成は、すべて設備投資と同様になります。その投資費用はは出版社自体が背負わなければならない宿命を負うことになります。
 コンテンツの生成は、相当大量に作成する必要性がありますが
 現在のIT産業がWEB上で作成するコンテンツは殆どHTMLレベルで作成されています。それ自体は品質の課題もあって、殆ど顧客が費用を払いません。従って課金とか、広告収入に依存する仕組みとなってきています。
 
 いままで、紙媒体での出版の事例では、その初期投資を印刷会社が負担し、その再販以降で、印刷会社が初版の赤字を埋めるというビジネスモデルが成立してきていました。  
 でも最大の理由と考えられる事は、コンテンツのコストが決定的に安い。今の手作りの印刷会社では取り込めない価格帯です。コンテンツの求める制作コストが、印刷の現場でのコストとあまりに遊離している事にこの原因があると考えられます
 勿論、印刷機を廻すことで利潤を確保するという印刷産業の姿勢も大きいです

 2つ目は、コンテンツの世界は、100%XMLでされています。構築です。その為には100%バッチコーディングとなります。そのスタッフを喪失してしまったことに大きな原因があります。
 フルバッチではものつくりが出来ない環境ばかり強化してきてしまったという特殊な事情があります。
 作り手が、XMLが理解出来ない。作り方がわからない。XSLが存在しない。ないないづくしです。

 Web上でのHTMLが100%バッチコーディングでされている事は広く知られています。
 でも、コンテンツ制作費用がWEB上での著作権上での権利の認識で物別れとなっています。
 いま、XML周辺を誰が担うのかが、出版会社側とコンテンツ制作のIT企業群と、印刷会社間での綱引きされています。
 現実は、誰もただみたいに安いと評価されるコンテンツに手を出していこうという方々が見いだされいません。
 従って出版社系のコンテンツ産業がIT時代になっても、なかなか立ち上がれない事態となっているのではないでしょうか。

日本の文化 これからのコンテンツ(4) 出版社と印刷会社との関係

2007-04-04 22:24:02 | 組版プロの思考からXMLを考える
 2007-3-22
 この2,3月、都内の主要な写研システム導入先の印刷会社を多数訪問させて頂きました。その結果、印刷会社と出版社間での力関係が大きく変わってきていること。その関係が相互のコミュニケーション不足もあって、ますます先鋒化してしまっていることが見えてきました。
 特に今年の4月の新年度からは、InDesign入稿をベースにした組版環境へと、さらに流れが変わってきていると感じています。
 しかし、同時にInDesignを受け入れた印刷会社の組版部門からは、InDesignが現場に対して、その修正にともなう煩雑さや、手作業的な部分をクリアするための長時間労働等に対しての課題、そして組版の上で、出来ること出来ないことのギャップが大きく、写研では出来ることがInDesignでは難しい、
 あるいは出来ない部分があると言った声があちこちで噴き出していることも事実です。
 印刷会社の経営サイトからは、修正業務に対して、出版社側で、応分でも費用負担をお願いできないかとの悲鳴が上がってきています。
 写研環境でのフルバッチでの修正業務の容易さを熟知している出版者からは、印刷会社からの悲鳴が理解出来ないというジレンマでしょう。
 もともと完全原稿を入稿するという、入稿原則の見直しを怠り修正だけ、しかも2校、3校、責了という従来と変わらないサービスを要求する。ワンライティングでの基本的な約束事を、校正行為という最もコストも時間も労力も要する部分を、自分たちの都合で無視しているという、悪しき流れを引きずっているままでは、相互にあまり良い結果を招かないと考えられます。

 まず、「InDesign」は出版者からの初期入稿に利用される入力装置と考える
microsoft社のWordが、行政組織や一般会社や医療品業界等での入力装置と考えています。
 と同様に出版社から考えると、Wordよりの「InDesign」が相応しいだろうと考えることは自然でしょう。結果、初期入稿原稿であるという認識を組み立てなければなりません。
 「InDesign」での入稿は、出版社から完全原稿としての入稿ではないという確認が必須です。本来はワンライティングとして、それが前提なのですが、実際はいままでの商習慣が根強く、初稿を持ってはじめて原稿と見なすような非常識がまかり通ったままです。これは出版社というより幅広い著作者側の、入稿に関する社会的な常識が、まだ変わっていないことに大きな原因があるとも言えます
 
 このため、「InDesign」入稿に関しては、出版社側と印刷会社側で、明確に契約条項を整備して、それによって始めるべきであります。
 現状は商習慣の違いにより、2校正、3校正,責了と言う手順を要求するなどは論外となります。
 出版社からの受注1点事に、単品管理で作業工数等を追跡出来るように個別原価計算をじっくりと行って、単品事に作業単位での時間経過をカウントして、自責と他責、追加発注等、工数に係わる費用等は、早い時期に修正費用をも正式に請求出来る様に、工業簿記的に管理しながら、きちんと請求出来る仕組みの構築が最優先でしょうか。 
 

日本の文化 これからのコンテンツ(3)Windows Vistaの問題はここに

2007-04-04 22:06:43 | 組版プロの思考からXMLを考える
2007-4-6
Windows Vistaの問題はここに
 なぜ、microsoft社が新しいOSである、Windows Vista上で、JIS X0213:2004化準拠を採用し、さらに文字を追加したのかが理解出来てきます。
 それは、日本語の環境を、典型的なローカリズムの世界からグローバリズムの世界へ変身させるための有力な手段だからです。
 JIS X0213:2004はUnicode対応でもありますので、CJK(中国・韓国・日本)という3国が同じ漢字を共有することが可能となります。
 従ってGoogle等を介しての検索、そして機械語翻訳の実施可能性、漢字圏への情報公開に計り知れない貢献をしてくれることになるからです。
 コンテンツとしても日本国内だけでなく、漢字圏、そして同時機械翻訳を介して世界中に情報が双方向で対応可能となりいままで以上に広がることでしょう。
 まさに、文芸書等でのコンテンツもUnicode化することで、今まで以上に素早く、あるいはリアルタイムに輸出も可能になるわけです。
 包摂(Unification)として、1点しんにゅうと2点しんにゅうを同一文字コードにまとめてしまったのかは、同一コード化させることのグローバリズム化によるメリットがとても大きいからです。

 Windows Vistaの出荷開始に合わせて、朝日新聞社は1月15日に、一気に約950文字の朝日簡略書体を全廃して、JIS X0213:2004化に踏み切っています。前後して毎日新聞社も同様に。今後他社の新聞社も順次切り替えていくはずです。
 でも、その為の朝日新聞社からの事前広報は殆どありませんでした。1/8ごろに小さく告示されただけです。
また、文字種の変更が行われた後も殆ど気がつかれた方々も少ないくらい、平穏無事でした。
 新聞社が文字種を、しかも1,000文字近くも切り合えるのですから今日、明日と言う話では当然ありません。数年かけて準備を終えてあって、切り替えのタイミングを見計らっていたと考えるのが筋です。
 なぜなら、人名・地名・社名等の漢字ですから、一部の方々からのかなり手厳しい批判(特に行政筋等からも)が想定されます。
 朝日新聞社等が、1社での抜け駆け実施ではなく、microsoft社のWindows Vistaが採用したからと言う大義名分があって、それぞれ便乗することで始めて実行出来たのでしょうか。




日本の文化 これからのコンテンツビジネス(2) 日本語とは

2007-04-04 21:59:45 | 組版プロの思考からXMLを考える
2007-4-6 (2) 日本語とは何かの再認識が必要に
 ところが、ここに大きな問題が存在しています。
それが日本語の大きな特徴である異体字を一例とした、明らかなローカリズムの存在です。

 欧米から見ると、日本語の漢字で人名・地名・社名等で使われている異体字とはなにか。

 例えばGoogleで特定の人名・地名・社名を検索すると、該当すべき事項や人名が、異体字のために検索出来ないケースが続出しています。異体字は文字コードが、Unicodeに対して異なります、当然文字コードで検索に引っ掛からないという現象を生じます。
 1種の1:1ではなく、CIDではUnicodeの中の1文字をキーワードとして使い、多数の文字テーブルを形成出来るような考え方が開発され、文字通り無限に文字コードを使える世界が実際にあります
 これは見方でまさしく「非関税障壁」であり、グローバリズムに対してのローカリズムの典型的な事例と見られています。
 異体字では、特に人名や社名の扱いが深刻です。渡邉の邉は、JIS X0213:2004では、略字の辺と正字の邉の2通りしかありません。しかし実際にはadobe社のaj1-5では、32通りもある(モリサワフオント)と言われています。
 1点しんにゅうと2点しんにゅうの問題もあります。
これらは人名の場合に、間違えると、文芸書に関してはかなりの角度で出版者からは印刷会社へ刷り直し→賠償の対象になるj可能性に高い重症の「校正ミス」です。

 adobe社も㈱モリサワでもいずれも印刷系のフオントメーカは、市場に出回る可能性のある文字種は全て登録していこうとの方針で事に当たっています。近日出荷を予定されているaj1-6では、さらに2,000文字以上増えて23,000文字を超えています
 朝日新聞社で950文字程度、大手出版社K社だけでも400文字以上と聞いています。異体字は新聞社も出版社も1社ごとに文字種の設定が異なっています。
 都内の新聞社や出版社を個別に取りあげるだけで、大変な数に上ってしまいます。
 

 日本の文化 コンテンツの輸出とWindows Vistaの関係

2007-04-04 21:56:13 | 組版プロの思考からXMLを考える
2007-4-6
 日本の、自動車や家電品で代表される製造物の、これからの次の輸出産業は何でしょうか。
まず、旅客機や宇宙産業は、あまり期待されていません。これは日本固有の画期的な技術の蓄積のボリュームが小さく、累積した投資額があまりにも少ない。
 かってから国策としての支援が乏しいために(例;YS-11など)開発が尻切れとんぼのままで、世界市場での存在感があまりに薄いからでもあります。
 さらに国防費等が膨れあがっている中国やブラジル等の、俗に言うBRICs(ブリックス)国家群に追いつき追い越されることが確実だからと考えられます

* BRICsとは経済発展が著しいブラジル(Brazil)、ロシア(Russia)、インド(India)、中国(China)の頭文字を合わせた4ヶ国の総称。

次はロボットの技術、そして環境関連のプラント等、日本の得意とする分野で、これからかなり有望です
 でも、本命は何と言っても日本の文化的な資産を背景にしたコンテンツだと言われています。
 現在でもアニメ、ゲーム類など世界市場で、抜群の競争力を発揮しています。
 欧米系の争い事主体のゲームのなかで、アジアモンスーン型の市民生活がそのままコンテンツに育ったような、日本からは「たまごっち」の様な、生き物を育てるというようなコンテンツがあります。
 同時に日本文化の底の深さと、平安時代の女性文学など歴史的で豊富な資産、そして仏教や神教など多神教の価値観、世界観が育んできた文芸書など、想像以上に豊富です。
 インターネットのさらなる発展の中で、何れの国でも、アニメ、ゲームに次いで、多様なコンテンツに喜んでお金を払ってくれるで事でしょう。
 これからの輸出産業の伸び率の筆頭には、今後日本の文化を背景とした文芸書等のコンテンツの出荷がとても大きな市場を形成することは、間違いありません。
 実際、日本国内での出版社を介した書籍の出荷額が莫大です。
 また、学習塾等で実際に稼働していますが、子ども達をベースにした教育産業の試験問題等を多面的な要素で受験生別に検索・抽出して問題を児童作成する仕組みは日本が世界一です。
 この技術は、パソコンや携帯電話等の媒体を経由して、世界市場を形成する可能性が高いと思われます。