文明化重視から文化再生へ、日本の文化の根源を支える、生業(なりわい)。その再構築にIT技術の導入を

ふゆみずたんぼで生態系保全農業。商工業はIT生産技術。出版はXMLフオーマット、フルバッチ制作で再構築を.

(3) 里山の森林の部分に関しての一つの見方 2004年1月8日 18:46

2006-04-29 21:23:00 | 里山に託す私たちの未来-再生策を探る
まず、里山の主体は、水、田んぼ、農業及びそれを取り巻く地域の生活空間です。
 その中で、
1 千葉県香取郡多古町にある桜宮自然公園は「里山と谷津田」で構成されています。今回、県は里山は、すべてを包含するとの見解ですので、桜宮自然公園も里山の一部となります
2 林業に関わる部分で言えば、 森林での種から芽を出して、最後に伐採されることを1回転とするならば、雑木林で30年程度で根本から切り取られます。まもなく根っこの部分から、ひこばえが出て、クヌギやコナラ等は、すくすくと育って行きます。
 杉、檜では本来、50年から70年たって初めて商品と見なされます。
 少なくとも、田んぼでは1年サイクルでやり直しがききますが、森林は、その50倍以上の、ちょうど人の一生と重なります。ある面で気の遠くなる話です。
 田んぼでは、冬・水・田んぼ(冬期湛水水田)等の実施効果は、早ければ数ヶ月で、その変化に気が付きます。
 でも、森林は極端に言って数年を経なければ、環境変化の結果が分かりません。さらに、現在の植林の結果を見てみましょう。

千葉県香取郡多古町「桜宮自然公園」での経験です。
 実際に森林部分に、桜宮自然公園をつくる会のメンバーと一緒に手入れのために立ち入った時、これは容易な世界ではないと感じました
 いま、桜宮自然公園内及び周辺の山林の杉の多くは、戦後県の方針で植林された山武杉と言われる、親木から挿し木で育てられた、30年~50年経過した杉の木となっています。 現在で言う、クローン技術です。
 ところが、その親木に問題があったらしく、山武杉の70~80%は「根腐れ病」で、商品価値がゼロとまで言われています。同じ原因で、売り物にならない樹木を至る所に作り出してしまった事になります。
 さらに困ったことに、桜宮自然公園でも、手入れのために地権者と計って、周辺域を間伐したとします。
 森林の専門家には、台風が吹いたときなど、風が森を吹き抜ける結果を招いて、森林内部のひょろひょろな杉がなぎ倒されてしまう恐れが高いと言われました。
 いまからではうかつには、間伐等を行えない事情まで生じてきている模様です。
 また、森林手入れ用の林道も放置されたままですから、篠竹等や、場所によっては真竹や孟宗竹が繁茂して、森林の中へはいることもままなりません。
 所英亮さん達、農業のベテランでも立ち入れない森林周辺部の篠竹密集地帯です。 今までも時間をかけて、篠竹刈りにチャレンジしてきましたが、素人には危険なチエンソーを駆使しても、2時間かけて、幅5m、深さ1mカットするのがやっとです 「まるでベトナム戦争に参加したみたい」というのが、本当の所です
 実際、桜宮自然公園での現状は、この12月末に、2日間県の費用で、プロの方々に刈り取ってもらっているのが実情です。
 農家の方々は、谷津田管理のプロと自負されても、山は別物と言います。慣例で、田んぼから10m以内の林の管理をまかされている事が多いとのことですが、それより奥は、未経験ゾーンとのことでした。現在の千葉の山は、明らかに異なり、東京郊外の平坦な雑木林とは森林のプロの経験者でなければ対処出来ない地帯が多いと考えられます。
 森林部分の手入れは、NPO等のレベルの技能では手を出せる状況にない部分が多すぎると言わざるを得ません。

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